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ROOTの決算結果 (2023Q4)の振り返り

過去にちょっと気になったROOTの決算をもう一度調べてみました。

2024年2月21日にRoot, Inc.(ティッカーシンボル:ROOT)が第4四半期決算を発表しました。

予想($)EPS-2.79
実積($)EPS-1.64⭕

予想($)売上高126.99M
実積($)売上高194.80M(+173.2%)⭕

Premiums per policy(保険料単価):1,423$ (+1.8%)📈
Premiums in force(保有契約年間保険料総額):972.7M$ (+34.1%)📈Gross premiums written(総収入保険料):279.2M$ (+24.5%)📈
Gross premiums earned(一定期間内総収入保険料):214.4M$ (+34.2%)📈

年間チャート

市場概況から引用

カンファレスコールの要約①

業績(FY 2023)

  • 総収入保険料: 31%増

  • 契約件数: 55%増

  • 直接貢献額: 1億5,100万ドル (2年前の約20倍)

  • 事故期間総損害率(Gross accident period loss ratio): 66%

  • コンバインド・レシオ: 約116%(前年は137.8%)

補足

●直接貢献額とは、売上高から変動費と直接固定費を引いた額です。
直接貢献額は、事業が固定費を回収するためにどのくらい貢献しているかを表します。直接貢献額がプラスであれば、事業は固定費を回収し、利益を上げていることになります。逆に、直接貢献額がマイナスであれば、事業は固定費を回収できておらず、損失を被っていることになります

●事故期間総損害率は、保険会社の収益性を分析するために用いられる指標です。事故期間総損害率が100%を下回るほど、保険会社は収益を上げていることになります。逆に、事故期間総損害率が100%を超えると、保険会社は損失を被っていることになります。

●コンバインド・レシオは、保険会社の収益性を分析するために用いられる指標。コンバインド・レシオは、保険会社の収入に対して、保険金支払い額と経費がどのくらいの割合を占めているかを表します。コンバインド・レシオが100%を下回るほど、保険会社は収益を上げていることになります。逆に、コンバインド・レシオが100%を超えると、保険会社は損失を被っていることになります。

変革

  • 2年前、中古車価格の高騰とインフレ環境に対応するため、事業軸足の転換を実施

  • 3段階の計画を実行:

    • 目標とする損害率の達成

    • 固定費の大幅削減

    • 収益性を高めるための効率的な規模拡大

成果

  • 過去3四半期の損害率は業界最高水準

  • 引受とプライシング能力を大幅に強化

  • 技術とデータ・サイエンスへの投資が実証

2024年展望

  • 成長継続と市場シェア拡大

  • ダイレクト・チャネル:

    • 機械学習による顧客獲得

    • プライシングとアンダーライティングの進歩

  • パートナーシップ・チャネル:

    • さらなるパートナー立ち上げ

    • 潜在顧客への差別化された体験提供

カンファレスコールの要約②

質問者:ジョシュ・シーグラー (キャントル・フィッツジェラルド)

質問内容

  • 2024年初頭の損害率の見通し

  • 新規加入者における損害率

  • 成長と収益性のバランス

回答者:アレックス・ティム (Route CEO)

回答内容

  • 損害率は引き続き順調に推移

  • 2024年も業界トップクラスの損害率を維持できると予想

  • 新規加入者における損害率も改善している

  • 成長と収益性のバランスを常に意識

  • 目標とする収益水準で新規事業を推進

  • 競合状況を常に監視

  • パートナーシップ・チャネルと組み込み製品に期待

  • 市場での価格優位性を確保

  • 成長に注力しつつ、収益性の高い成長を目指す

要約

  • Route社は、2023年第4四半期に好調な業績を発表

  • 損害率は引き続き改善

  • 新規加入者における損害率も改善

  • 2024年は、成長と収益性のバランスを意識しながら事業を進める

カンファレスコールの要約③

ジェフリーズのヤロン・キナーによる質問

  • 料率の妥当性

  • 来年度の料率引き上げの見通し

アレックス・ティムによる回答

  • 現在の料率は一桁台後半

  • インフレ環境を注視

  • インフレが緩和されれば、事業にとって追い風

  • 大部分のフットプリントにおいて適切な料率が適用されている

要約

  • Route社は、現在の料率水準に満足している

  • インフレ環境を注視しており、必要に応じて料率を調整する

  • インフレが緩和されれば、事業にとって追い風となる

カンファレスコールの要約④


ヤロン・キナーによる2つ目の質問

  • 新契約比率の高さによる損害率への影響

  • 新契約ペナルティの定量化

アレックス・ティムによる回答

  • 新契約比率の高さは損害率にとって逆風

  • 影響は1桁台

  • 機械学習によるアンダーライティング・モデルの開発で損害率を改善

  • より効率的に規模を拡大できるようになった

補足
アンダーライティング・モデルとは、保険会社が保険契約を引き受ける際に、リスクを評価し、保険料を設定するために使用するモデルです。具体的には、以下の要素を考慮して、保険金支払い額を予測します。

  • 顧客属性: 年齢、性別、職業、住所、健康状態など

  • 契約内容: 保険の種類、補償内容、保険期間など

  • リスク: 事故発生確率、損害額など

アンダーライティング・モデルは、保険会社の収益性を左右する重要なツールです。。精度の高いアンダーライティング・モデルを構築することで、保険会社はリスクの高い顧客への保険引き受けを避け、損害率を低く抑えることができる。

要約

  • 新契約比率の高さは損害率への逆風だが、影響は限定的

  • 機械学習によるアンダーライティング・モデルの開発で損害率を改善

  • 今後も効率的な規模拡大を目指す

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