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製造業を中心に支援しているコンサルタント集団です http://www.itid.co…

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製造業を中心に支援しているコンサルタント集団です http://www.itid.co.jp

最近の記事

要求を明確にする

皆さんは「家は3回建てないと理想の家にはならない」といった言葉を聞いたことがあるでしょうか。 私は2年ほど前に注文住宅でマイホームを購入しました。理想の家とまではいかないまでも、ある程度満足のいく家を建てることが出来ました。ただ、この家づくりの大変さは今でも覚えています。 まずは間取り決めです。必要な部屋や収納などを決めた後、限られた面積の中でそれぞれをどのように配置すれば最もスペースを有効活用できるかを考えます。 間取りを決めたら次は設備など細かい部分を決めていきます。

    • 顧客の属性に応じた説明の仕方

      もう十年以上前、学会のイベントで、自動車会社の工場見学に参加した経験があります。学会のイベントだからと、特別なラインを見学させてもらえるわけでもなく、地域の小学生が学校の遠足で行くような一般的な工場見学と同じラインでした。 工場の入り口には、以下のような大まかな工程が順番に説明された案内板がありました。 「切断・プレス」→「溶接」→「塗装」→「組立」→「検査」→「出荷」 「塗装」の工程の説明を読んでみると、「溶接された車体を洗浄し、塗装します」と書かれており、当時の私は

      • 顧客目線

        顧客目線 つい先日のことですが、数年にわたる賃貸生活に終止符を打つためにマイホームを購入しました。 人生の中でも特に大きな買い物になるため、購入に当たって様々なハウスメーカーを見て回り、慎重に選びました。 各メーカーそれぞれに特徴があり、デザインが良いものや断熱性能がいいもの、コストが安いものなどがあり、ハウスメーカーの決定に非常に悩みました。 最終的にハウスメーカーを決めた要因となったのは、ハウスメーカーの特徴に加え、営業担当者の信頼感でした。 とあるメーカーの営業担

        • できるという心理に至ることを諦めていないか

          クレーンゲームで遊んだ経験がある方は多いのではないでしょうか? 最近、私の息子(小学4年生)がクレーンゲームに熱を上げおり、休日はさまざまなゲームセンターに息子を連れて行き、一緒にクレーンゲームで遊ぶことが多いです。 親としてはゲームにお金を掛けたくないと考える一方、息子の喜ぶ顔を見ると、ついお財布の紐が緩んでしまいます・・・ 息子は、景品を獲得するために自分なりに考えて工夫しながら遊んでいるようです。過去の成功体験や、YouTubeで学んだクレーンゲーム必勝法などの情報を

        要求を明確にする

          BADUI

          皆さんは日頃、「このUI(ユーザーインタフェース)使いにくいな。」「分かりにくいな」と思ったことはありませんか? 例えば、以下はとある施設のトイレで使われていたマークです。 参考: https://www.asahi-net.or.jp/~cg1y-aytk/hci/badui20161208.html 男性用と女性用明確に判断できますか? この例は、青色が男性用、赤色が女性用なのですが、マークだけ見たら間違えてしまうこともあると思います。 このような、利用者から見て

          システム導入前に考えておきたいこと

          最近街中では、今まで人間がやっていた仕事を機械・ロボットを用いて、自動化している様子を多く目にするようになりました。スーパーやコンビニなどのセルフレジや、ファミリーレストランでの配膳ロボットなどです。こうした風景は労働人口が減少し続ける日本では今後も増えていくことが予想されます。 こういった機械・ロボットを使った自動化は少人数での業務遂行や工数削減といった目的で行われることが多いですが、実際はあまり使われていなかったり、スタッフが付きっきりで教えている状況が見られたりと、効

          システム導入前に考えておきたいこと

          自動設計時代の設計者

          小説やゲームなどSF作品の中では、時折、高度に自動化された工場が出てきます。 人工知能が自動で製品や工程を設計し、自動で構成された工場から製品が出荷されてくる。 製品の改善も全自動。次々とニーズに合った新しい製品が出てくるような工場です。 昨今の生成AIの台頭によって、こんな未来がぐっと現実味を帯びてきています。 設計分野では、目標性能に対し、形状や回路パターンなど設計要素の最適化を自動でやることが構想されています。 設計済みモジュールの組み合わせ最適、という観点ではすでに

          自動設計時代の設計者

          DXの落とし穴

          昨今、テレビCMや電車内広告など至る所で"DX"という文字を目にします。 皆さんの中にはDX推進担当の方もおられるのではないでしょうか。 企業がDXの具体的なアクションを設計できるように、DXは以下の3つの段階に分解されます。 ①デジタイゼーション:アナログ・物理データのデジタルデータ化 ②デジタライゼーション:業務・製造プロセスのデジタル化 ③デジタルトランスフォーメーション:顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革 参考:経済産業省のDXレポート※https

          DXの落とし穴

          将来予測の振り返り

          今年話題を集めたChatGPTの登場によって、AIの存在がより身近になったように感じます。これまでAI技術は、車の自動運転や統計分析といった専門性の高い限定的な領域で用いられていましたが、ちょっとした文章や画像を自動で生成するなど、私たちが日常で気軽に扱えるほどに汎用化されつつあります。AI活用の場は今後ますます広がることが期待され、10年後の市場規模は現在の何倍にも拡大するとの予測も出ています。 AIに限った話ではありませんが、トレンドとなる技術やワードがひとたび注目を集

          将来予測の振り返り

          「こだわり」の意味と使い方

          しばらく前に見たテレビ番組で、あるレポーターが農家を取材していた。その農家では、非常に丁寧に野菜を育ており、一つ一つの工程を考え抜いて実行していた。レポーターはその様子を見て「とてもこだわっていらっしゃる」と表現した。これに対して、農家は「こだわりではない、必要不可欠なことだからやっている」と返した。レポーターは「とてもこだわっていることが分かりました」と再び同じ表現を使って会話を締めくくった。農家は「こだわっている」と言われたことに違和感があったようだが、なぜか? まず、

          「こだわり」の意味と使い方

          チームとプレイヤーの成長を促すコーチングスタイル

          我が家の小学校4年生の息子は、小学校1年生から地元小学校のサッカーチームに所属している。このチームは、最初全く勝てなかったが、最近ようやく勝てるようになってきた。先日は、他県のチームが30チームほど参加したカップ戦に2チームでエントリーし、2チームとも勝ち上がって賞状をもちかえるほどに成長できてきた。この成長の陰には、チームの監督の良い指導方針があると感じているので紹介したい。 監督は、個人の技術練習やチーム戦術の練習は少なめで試合中の声かけも少ない。そのかわり、選手の自主

          チームとプレイヤーの成長を促すコーチングスタイル

          君たちとどう生きるか

          昨今世間を騒がせた映画といえば何を想像するだろうか スポーツ漫画の金字塔に新たな視点を加え映画化した『THE FIRST SLAM DUNK』 ディズニーが100周年に寄せ名作を実写化した『リトルマーメイド』 数年ぶりの続編で登場人物達も作品と共に年齢を重ねた名作『インディージョーンズ』 いずれもタイトルだけで多くの人が内容を想像できる大作なだけでなく、それぞれの作品内でメッセージ性や別の視点で物語を見るなどの工夫を込めた良作となっている そんな2023年夏、彗星のごと

          君たちとどう生きるか

          プロジェクトマネージャーのアウトソーシング

          テレビやネットで新製品発表のニュースを目にしたとき、みなさんはどのようなことを考えますか?使い勝手はどうだろう?これによって世の中がどう変わるだろう?と考える人もいるでしょう。私の前職は化学系メーカーの研究員で、当時そのようなニュースに対する関心事は「どのような新技術が組み込まれているか」ということでした。しかし現在コンサルタントとなってからは、「それを実現するプロジェクトはどのようにマネジメントされていたのか」ということに意識が向かうようになりました。 化学系に限らず、製

          プロジェクトマネージャーのアウトソーシング

          空想と設計開発

          いよいよ8月も中ごろに差し掛かり、夏も真っ盛りというところですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。 子供のころは、夏休みといえば麦わら帽子をかぶり入道雲を見上げながら蝉取りをしていた印象ですが、大人になった今では、豪雨で交通が止まらないかと空模様を憂いるようになってしまったなと寂しさを感じています。 さて、そんな"空を想う"、"空想"が当てられている言葉をご存じでしょうか。 "すこしふしぎ"などともいわれている空想科学(SF)です。 ここ数年のコロナ流行に伴うソーシャルデ

          空想と設計開発

          顧客要求の裏にあるものを理解する

          あなたの組織では、開発初期段階での顧客の要求把握に漏れがあったために、不要なしまったプロジェクトはありませんか? 例えば、開発者は営業を通じて顧客の声を聞いていたのですが、その裏に隠された背景を押さえるところまではできておらず、企画段階では重要ではないと判断された顧客要求が、後になって重要度があがり、対応が必要となって追加試作が発生したような場合です。 顧客が発する言葉の裏には、顧客自身がまだ把握できていない市場の動向などが含まれていることがあります。一番扱いが難しいのは

          顧客要求の裏にあるものを理解する

          根性論からの脱却

          近年、野球の大谷選手をはじめとして、日本人のスポーツ選手が世界で活躍しています。 何故昔よりも日本人が世界で活躍できるようになったのか考えてみると、選手個人の才能等だけでなく、選手の指導/育成方法の変化が一因としてあるのではないでしょうか。 例えば、海外の選手にフィジカルで負けないように、トレーニングだけでなく栄養バランスを考慮して食生活を見直したり、練習メニューを各選手の苦手な内容にフォーカスしたりなど、指導方法が進化してきています。その内容を見ると根性論から合理性のあ

          根性論からの脱却