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#35 自分で自分をほめたい。

こちらは、アトランタオリンピックのレース直後にマラソンの有森裕子選手が話していた言葉としても、あまりにも有名な言葉ですよね。

アトランタからさかのぼること、4年前。バルセロナオリンピックのとき。
マラソンはとてもレベルが高く、国内で代表3枠に入ることのほうが難しいのではないかと言われていた時代。

当時は最後1枠の争いに最後まで松野(明美)さんと選考でもめ、すったもんだの末に代表枠にすべりこみました。

あの時、松野さんが自力で立つこともできないくらい憔悴しきっていた姿は忘れられません。

一方、有森さんは、直後の大バッシングにもひるむことなく挑み、結果的にはオリンピックで銀メダルを獲得ました。

その姿を見て、
「この人は本当に強心臓の持ち主。日本人にもこんなにメンタル強い人いるんだ。すごい人だな」
と思っていました。

でも、この時に有森さんは、冒頭の言葉を発していないんですよね。

アトランタはバルセロナの銀メダルよりもメダルのランクがひとつ落ちたにもかかわらずこの言葉を発した裏には、目標を見失っていた時期があったのかもしれないと感じていましたが、まさにそのとおりでした。

人前に出るスポーツ選手や芸能人って、なにか大きなことを成し遂げたら、一躍「時の人」となって、急に知り合いが増えたり、空港の出待ちの数が半端なく増えたりしますよね(笑)

次への期待もさらに高まるのだろうと思います。

でも、当の本人は、目の前の大会にだけ集中して、先のことなんて考えられないですよね。

それに加えて、手術をともなうような大きな故障をずっと繰り返していると、それが大きなプレッシャーに変わっていくのは自然の流れ。

だからこそ、アトランタの時には、今いる自分を最大限表現するためにできることだけに集中された結果がメダルという副産物につながって、ふとしたときに発せられたのでしょうね。

「自画自賛」とか「手前味噌」という意味の似た四字熟語がいくつかあるのですが、そんな言葉には到底代用できない、すごいことを成し遂げとげたのだと改めて感じました。

その前段階として、自分のことを最初から最後まで信じ切って「できる」「やれる」「がんばれる」と言い聞かせながら、日々のトレーニングをされていたのかなと思います。

人はとかく「他人に好かれるにはどうすればいいか」と視点を他人にむけがちです。

でも、極端な話、周りに味方がひとりもいなかったとしても、最後の応援者として自分がいると信じて動いた結果、自然な形で発せられた言葉なのかな、と私は感じました。

まずは自分を信じきるところから、ですね。








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