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コロコロ変わるよ、猫の表情



「猫って、犬に比べると無表情だよね」

先日、知り合いにそんな事を言われた。
私は心底驚いた。猫が無表情だと思った事が一切無いからだ。


確かに、猫を飼った事のない人から見ればそういうイメージはあるかもしれない。
言われてみれば、SNSなどで拡散されているわんこの写真は、「表情豊か」という言葉が当てはまる気もする。


しかし、猫もかなり表情豊かだ。
猫ちゃんによってはあまり顔に出さない子も居るかもしれないが、それでも全く表情が無い訳ではない。

少なくともうちの愛猫は、かなり分かりやすい。


嬉しい時や、撫でられて気持ちが良い時、愛情を伝える時などに目を細める表情。
これは猫ちゃんならよくする表情だと思う。もちろんうちの猫も例外ではない。

それに加えて、うちの猫はこんな具合だ。


わたしが家で作業をしている時。
テーブルにiPadを広げ、「さあやるぞ」といった時、ちょうど猫がおもちゃを咥えてやって来た。
そして、画面に向かっているわたしを見るや否や、おもちゃを口から落とし、目をまん丸にさせ「えっ、遊ぶんじゃないのかよ…」と言わんばかりの表情をした。

これは、絶望の表情。


料理をしている時。
キッチンでの猫の特等席はオーブンの上だ。
毎日やっているのに一向に得意にならない料理を、ガチャガチャと音を立てながらこなすわたしをオーブンの上から、「よくやってんじゃん」と言わんばかりの表情で見つめる。

これは、感心の表情。


お茶を溢した時。
猫がテーブルに乗った弾みでマグカップのお茶が溢れてしまった。
早く拭かねば、と慌ただしくしているわたしを横目で「何してんだよ」と言わんばかりの表情で見てくる。

これは、呆気の表情。


帰宅後、手洗いを済ませ真っ先に猫を抱きしめた時。
「にゃあ」と大きな声で鳴き、嬉しそうに頭を擦り付ける。
大きくて綺麗な瞳が、いつも以上にキラキラと輝いている。
澄んでいて、磨きがかかっていて、まるで宝石のようだ。

これは、幸福の表情。


もちろん、それ以上にもっと見せてくれる表情がある。
怒った顔。悪さをして、怒られる前に可愛こぶる顔。出掛ける前、寂しそうにする顔。おもちゃを捕らえる寸前の真剣な顔。リラックスしている時の、ちょっぴり力の抜けた顔。

変化は小さいかもしれないが、その表情のひとつひとつにきちんと意味があると思っている。
猫を愛するが故の贔屓目や思い込みも多少はあるかもしれないが、確実に猫の表情はくるくると目まぐるしく変わっているのだ。


どんな表情も仕草も、人間と猫を繋ぐ大切なコミュニケーションだと思う。
可愛い顔も、絶望の顔も、見下した顔も、全て見逃したくはない。


もしかすると、限られた時間の一秒一秒を大切にしたいという気持ちが、「猫は表情豊か」という結論を連れて来ているのかもしれない。




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