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なぜバックオフィスにエンジニアが必要なのか

こんにちは!伊藤和歌子です。
長いことIT企業でシステム開発の仕事をしており、今はワミィ株式会社というエンジニア採用の支援・コンサルティング会社の代表をしています。

最近さまざまな業界や業種で、IT活用やDX推進の取り組みがさかんです。
バックオフィス領域の業務改善や業務効率化も、大きな課題になっています。
そんな中で、人事や会計、採用等の部門にエンジニアを配置する企業も出てきています。バックオフィスとエンジニアリング、一見すると互いに関係が薄い領域にみえますが、これらのバックグラウンドを持つ人々が一緒になって組織の課題を解決していく事がいま企業に求められている形だと考えています。
今回は、「なぜバックオフィスにエンジニアが必要なのか」その背景について書いていきます。

コーポレート部門にエンジニアを配置し、人事評価システムを内製化したメルカリ

まずは事例を紹介します。
フリマプラットフォームのメルカリでは、組織の急拡大によって起こる組織課題・人事体制の変化に素早く対応するため、2017年頃よりコーポレート部門のためのエンジニアリング部署を発足し、人事評価システムを内製化しています。その後は、人事評価の他、会計、コミュニケーション、コーポレートサイトなどの設計運用を行っているといいます。
このエンジニアリング部署の導入によって、メルカリは会社の抱える本質的な課題にフォーカスしその課題を迅速に解決する事で、業務効率化や組織活性化が進んでいるということです。

エンジニアは課題を特定する力が高い

なぜメルカリはエンジニアを組織課題解決の中心に据えたのか。それは、エンジニアに求められるソフトスキルとして「課題解決能力」があるからという説をあげたいと思います。

こちらの記事では「ソフトウェアのエンジニアは、ソフトウェアの力で何らかの問題を解決するのが仕事です。そのため問題解決力は欠かせません。」とあります。


バックオフィス業務には未だ手動で行っている業務が数多く、社内システムに携わるエンジニアの元には、目の前にある作業のあれもこれも自動化したい、効率化したいという要望が無限に寄せられます。
ある大手企業で人事部に所属している若手社員の話を例にあげてみましょう。彼には「組織図の更新」という仕事があります。一定規模以上の企業なので、毎月入退社が発生したり、頻繁な人事異動やグループ会社からの出向者の反映などもあり、人事異動の情報をもらって、Excelで更新をかけて出力する所が一番煩雑なようです。
ここで起こりがちなのは、人事部の若手の彼の視点のままの要望を満たす「組織図が簡単に出力できるツール」を作ってしまうことです。たしかに部分的には最適化がされて、組織図を作る作業が楽になるのかもしれません。
しかし、もしかしたら、各部門から提出されるフォーマットが違うという所のほうが本質的な課題かもしれないし、あるいはカオナビのような既存のシステムを使えば解決できることかもしれません。組織図の更新は一つの例としてあげましたが、その下にある本質的な課題とは何かを考えられなければなりません。

まずは、依頼や要望が発生したときに、それが「なぜ課題か」「本当の課題なのか」を考える必要があり、その課題を突き詰めたあとに初めてその課題をどう対処するかが決まります。
場合によっては「対応しない」という決定になることもあるでしょう。
つまり、バックオフィス領域の課題解決であっても、課題を考える段階からエンジニアを巻き込んだほうが、より根本的な課題解決ができます。エンジニアが各部門に入り、何が課題なのか決めてしまう前から関わってもらうことで、部分最適ではなく全体最適につなげることができるのです。


このように見ていくと、じつはバックオフィス領域であっても、エンジニアの力をかりる事は、企業にとって本質的な組織課題の特定やそれに伴う業務効率化やシステム化等、さまざまな効果が期待できる取り組みだと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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