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伊藤浅の大東京曼荼羅 vol.2 高い街、低い街。

18歳で東京に出てきた時、新幹線で見た丸の内のビル街に感動した。

自分もこの街で生きて行くのだと思った。
結局、丸の内で働いていないのだけど。

高い建物が好きだ。特に東京タワーが好きだ。高くて、叙情的で、いつも少し孤独な感じが、なんかいい。
高い=都会=憧れ
の図式が、僕の中にある。

でも住むなら、建物が低い街がいい。
たとえば、渋谷。前は渋谷に歩いて15分くらいのところに住んでた。毎日暇で、蕎麦食べに行ったり、本屋ひやかしにいったり、ロフトに行ったりしてた。
渋谷は建物が余り高くない。もちろんヒカリエも、スクランブルスクエアもあるけど、比較的、とくにあの有名な交差点の辺りの建物はそんな高くない。見晴らしが、意外といい。

電車で出かけて、渋谷まで戻ってくると安心する。なんか自分を、こう、見守ってくれる感じ。恥ずかしいけど。

それでいま、下北沢に住んでる。下北も一緒。お店も、遊びに来た人も、住んでる人も、おんなじ目線にいる感じがする。ミニチュアっぽい街。ラーメン屋に入るのも、古着屋に行くのも、自由自在、に思える。

つまり僕は安心したいのだ。あ、これこれ、このくらいがなんだかちょうどいいよね、の気持ちが欲しいんだ。

なんだか今のところ、どんどん高層ビルから遠ざかって行きそうな生活だけど、でも、やっぱり今でも憧れてます。丸の内のビル街。
人間どこに住むのも自由だからね。そのうちね。


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