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今更聞けないDolby Atmos

最近では音楽サイトでポピュラーになってきたAtmos Musicですが、そもそもドルビーアトモスという映画コンテンツ用の規格だということご存じですしょうか?
よく話題になるイマーシブサウンドの規格の一つとして有名ではありますが、皆さんどのくらい理解されていますでしょうか?
今回はこのドルビーアトモスについておさらいしていきます。

ドルビーアトモスとは

ドルビーアトモス。名前は聞くけど、天井スピーカーが増えたんでしょ。と思う方もいるのではないでしょうか。決して天井スピーカーが増えただけではないんです。
これまでのサラウンドは5.1chもしくは7.1chにミックスダウンしていました。しかし、ドルビーアトモスでは、ミックスダウンもできますが、ミックスダウンをしないでマスターファイルを作成すると考えると分かりやすいかもしれません。では、どういうことか説明していきます。

ベッドとオブジェクト

ドルビーアトモスのオーディオデータはモノラルで128chありそのうちベッドと呼ばれる領域とオブジェクトと呼ばれる領域に分けられます。
ベッドとは今までのサラウンド同様ミックスダウンによって作成される領域で7.1.2chを1グループとして構成されます。
条件として最低1つのベッドを構成することが必要で、複数のベッドを構成することもできます。そして、ベッド以外のチャンネルはオブジェクトとなります。このオブジェクトという概念は今までのサラウンドにはないため、少し理解しにくいかもしれません。
オブジェクトチャンネルにはモノラルオーディオデータの他にパン情報をメタデータとして持つことができます。
これにより通常サラウンドではミックスダウン時にパン情報を書き込みます。
そのため再生環境では5.1や7.1のデータを再生するだけですが、ドルビーアトモスの場合は再生環境でオブジェクトのパン情報を読み込むことでオーディオデータをパンニングし音に動きを付けてミックスダウンしているのです。

これまでのサラウンドでは、制作者は再生環境のことを考えてマスターを製作する必要がありました。5.1のマスターファイルも映画館とホームシアターではスピーカー構成や配置が違うため聞こえ方が大きく異なってしましますが、ドルビーアトモスでは再生環境で音を最適化することが可能になり高い臨場感と音の再現が可能になりました。
これまでのサラウンドより映画や音楽の世界に包まれるような体験ができます。
とはいえ、制作をサウンドバーで行うわけには行かないので7.1.4chのスピーカー構成でのモニタリングは必要です。弊社でもドルビーアトモス制作環境の構築を行っておりますのでお考えの方は気軽にお問い合わせください。


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