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お互いに驚いたのは、求めるアルバムが、ことごとくその場の手の届く範囲にあることだった

 お互いに驚いたのは、求めるアルバムが、ことごとくその場の手の届く範囲にあることだった。

 この文章は、アルバム「ザ・ベスト・オブ・ベ二ー・シングス」のライナーノートの一節である。書いたのは、中村智昭さん。Bar musicというお店を経営している。

 ある夜、来日したベニー・シングスが中村さんの店を訪れる。自分の好きなアーティスト名を告げる。「お互いに驚いたのは、求めるアルバムが、ことごとくその場の手の届く範囲にあることだった」
 「音楽の捉え方というのはさまざまで、当然個々の趣味嗜好はまったく異なるものだということ」と中村さんは書いている。

 「それでも、ときとして趣味嗜好が同じである人間たちが出会うという奇蹟が起こる」

 この世には、そんな素敵なこともあるのだ。


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