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🎻オケおじ理事の鑑賞記📖#4

どーも、オケおじ理事です。ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?
オケおじ理事は東京文化会館とミューザ川崎シンフォニーホールでステージマネージャー(ステマネ)を務めました。それぞれの模様をご紹介します。

佐藤久成ヴァイオリンリサイタル「浪漫主義」

2023年5月5日

個性派バイオリニストの佐藤久成(さとう・ひさや)さんを知っていますか?欧州で研鑽を積んだ実力だけでなく、数万曲もの未知の絶版楽譜を世界中で収集し、知られざる作曲家や忘れられた作品の発掘をしている人なのです。

この日、東京文化会館小ホールで披露したのは、ライネッケ、カーン、ドホナーニ、ブラームスのバイオリンソナタ4曲。知らなかった作曲家の名前もあるのですが、すごいのは計13楽章を佐藤さんはすべて暗譜で演奏したのです。

鬼才と呼ばれるヴァイオリニスト

ライネッケの作品はテンポが良くガツンと男っぽい曲で、ステージを動き回りながら体中で表現する“佐藤流”の演奏で聴衆の視線を釘付けにしました。カーンのソナタは静かで美しいメロディーで始まり、感情の変化を表すように激しさを増していくような独特の構成が特徴でした。

ドホナーニは民族的なフレーズを取り入れており、ドラマチックに転調を繰り返しがなら休みなく演奏するため、心地良く聴けました。そしてブラームスは感情表現が素晴らしい。楽章ごとに異なる表情を見せ、特に第4楽章の激しい悲しみをバイオリンが見事に歌いました。

名曲ぞろいのプログラムで、大満足でした。その感動を引き出してくれたのは、超個性的な演奏だったと思います。佐藤さん、これからも知らなかった曲を聴かせてください。


麻生フィルハーモニー管弦楽団 第76回定期演奏会

2023年5月7日

団員がそれぞれの仕事を持つ、いわゆるアマチュアオーケストラです。麻生フィルハーモニー管弦楽団は、神奈川県川崎市に麻生区が誕生して間もない1983年に発足し、創立40周年を迎えました。

この日の会場はミューザ川崎シンフォニーホールで、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死、マーラーの交響曲第9番を演奏しました。官能的な前奏曲と4楽章90分という大曲の指揮を執ったのは、国内外で活躍する若手実力派の和田一樹さん。97人編成のオーケストラをぐいぐい引っ張りました。

若い世代から70代まで幅広い年齢層によって構成され、大半が麻生区および周辺在住者です。

いずれも静かに始まる曲で、小さな波、大きな波が繰り返し現れ、その世界に引き込まれていきます。特に、指揮者と作曲家の“二刀流”音楽家だったマーラーの作品にはそれぞれの楽器が活躍する場があり、奏者も聴衆もほどよい緊張感を持って演奏、鑑賞できる曲でした。

麻生フィルのステマネを手伝う機会をいただいてから何年も経ちますが、何だかこのオーケストラが好きなのです。なぜかと言いますと、とにかく団員が明るく、演奏が楽しそうなのです。リハーサルでは何度も笑いがこぼれ、和やかな雰囲気が途切れません。ずっと応援したいと思っています。

麻生フィルの皆さん、創立40周年おめでとうございます!