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2023 皐月咲く京都 重森三玲の旅5・松尾大社


【2023年5/25〜5/26に京都へ行った。
先週2022年11月の京都の話を終えたばかりなのに(今シリーズ1の執筆時の6/29)。
実は今シリーズは“2023極寒京都”と“2022紅葉なり始め京都”と少し繋がっている。】

(今シリーズの前回を書いてからちょっと日にちが空いた。
その間、実家の母の体調及び認知症が変化し、短期間に何度か実家地方へ往復した。
このことはこのシリーズが終わって書こうと思っている。)


東福寺駅より奈良線に乗って、京都駅まで戻ってきた。

京都お決まりの一枚。


出口がわからず、結局西口から出て、バスターミナルに向かう。
なんだか暑い。なんだか、ではない、真剣に暑い。
ややお腹が空いて来ていて、これからバスに30分ぐらい乗ることを考えると若干不安を覚える。ハトは路線バスで酔うのだ。夜行バスではそんなことはないのを見ると、路線バスは始終止まったり発進したりの揺れがダメらしい。
京都駅から地下鉄+阪急で松尾大社へ向かうことも考えたのだが、バスの方が少しだけ到着時間が早かったのでバスをチョイスしたのだ。

絶対に座りたいので、ハトにしては珍しく15分前にはバス停へ。それでも先客が7、8人並んでいた。

松尾大社前のバス停に到着したのは13:10頃。
バスから降りれば、バス酔いはピタリと治った。

しかし暑い。なんだこのジリジリとした日差しは。まるで真夏ではないか。

瓶子のモニュメントがある、一の鳥居

しかも人気スポットと聞いていたのにバスから降りたのはハトただ一人。
みなさん、阪急や車で来るのだろうか。


誰もいないに等しい参道を進む。
とにかくまずはお昼ご飯なのだが、さすがに参拝前は気が引ける。とりあえずお参りを先に済ませ、ご飯にして、それからゆっくり境内を拝見することに。

参道の右側に学校があるようで、学生さんはちらほら
ニノ鳥居
誘う看板
楼門前にはめずらしい、“ブラシの木”
本当にブラシなんだな
幹は細め

とりあえず参拝だけ済ませ、引き返して来て、
楼門手前右にある茶所、“団ぷ鈴”さんへ。


お昼時を過ぎていたせいか、先客は1組だけ。
好きな席に座って、とのことだったので、遠慮なく窓際の卓へ。
ここのお店は、窓から重森三玲のお庭を眺めることが出来るのだ。

京都初のにしんそば。想像以上に美味しかった。
七味唐辛子苦手だったが、そばに合い、美味しいと感じる。
あまりにも腹減りだったため、お団子も追加。
重森三玲のお庭と共に

にしんそばとお団子と日本酒。
実は日本酒もお目当てだったのだ。
地元洛西の地酒“羽田酒造”の吟醸酒“酒公杯”。冷たいうちは「あれっ」と思うほどスッキリ、ぬるまっていくに従ってスッキリはそのままにお米の旨みが広がってくる。

ううむ、ベストプランは参拝してお蕎麦をいただいてお庭をゆっくり見た後にお団子なのだろう。


さあ、改めて松尾大社の境内に。

本日2度目(笑)
山吹が残っていた!
明るく笑っているような感じ


松尾大社の御祭神は“大山咋神(おおやまぐいのかみ)”と“市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)”。山の神様と水の神様。
大山咋神はお酒の神様でもあるそうで、ハトにとっても大切な神様である。
さっそく美味しいお酒を頂いたことだし、もちろん夕飯にも頂く予定。

ところで、ハトは長らく“大山咋神”と“大山祇神(おおやまづみのかみ)”の違いがわかっていなかったのだ。
マジでごめんなさい、と思う。だって“大山祇神”も山の神で酒造の神なのだ。

本殿の屋根が特徴的らしいのだが



改めてお参りをし、境内をザッと拝見。
いよいよ三玲のお庭、松尾大社庭園“松風苑(しょうふうえん)”へ。
松風苑は三部作となっている。そのうちの一つは“団ぷ鈴”さんからも見ることが出来、無料でもある。 

入場料を払って、いざ
おお!
“曲水の庭”
上賀茂神社を思い出す。
せせらぎの流れは、意外と速い
広角で。全景はこんな感じ

例によって広角レンズでは画像ボケる…
ギラつく日差しで暑い。
曲水の庭は(松尾大社そのものも)東向きだから午前11時頃がベストなのかも。

お花畑で神様たちが楽しく過ごしているように見える
これも広角使用。
お庭と建物に目が行きがちだが、お山との調和も美しい
神宝館手前左のお庭
重森完途(かんと・三玲の息子さん)氏作



神宝館は見なくても、と思っていたが、結果として見てよかった。
神様の像、も、あるんだな、と。
係の方が説明してくれたのだけど、仏像と違い、修復はしないのだそう。だから朽ちて行くままにしておくのだそう。ハトが神像を知ることがなかったのは、圧倒的に数が少ないからなのだろうな。
後は伊勢神宮からお宝のお下がり(正しい言葉があるけど何と言ったか)が有ったりで、伊勢には2018〜19頃何回も通ってしまっていたから話の繋がりを感じて楽しめた。 

曲水の庭を神宝館のあたりから
横から。
石の周りに空間がある。手入れの為なのだろう。


神宝館への通路の向こう側には“上古の庭”がある。
ガラリと雰囲気が変わる。

上古の庭
重森三玲氏最後の作品とのこと

“上古の庭”は、古代の磐座信仰から“磐座”を表現したものなのだとか。
そういった古代の信仰って日本だけでなく世界中にある。
大きな岩は、何か人間に訴えかけるのもがあるのだろう。
世界中でその岩に神様が降りる・宿る、と感じるのだから。

ハトは秋吉台を想像してしまう
(行ったことは無い)

しかし、石と草だけ(ミヤコザサだけど)って、心動かされる。
太古の地上ってこんな感じだったのかも、と、DNAにあるだろう記憶を揺さぶられた。
そのDNAの枝分れの先無き先端のハト。DNAの旅路の時間を思うと不思議な感覚にを覚える。
ご先祖の皆様、ここ迄でした。そんな思いもある一方で、“地球卒業”的な思いも。(かなりなスピ発言だが)

上古の庭を上の方から
ここだけ見ると、あまりにも自然
神様が地上を覗っている目線にも思える。




“上古の庭”のあとも順路どおりに進む。
いろいろ見どころあるあたりはさすが大きな神社。

霊亀の滝(御神体)
ここで流れ落ちた水が曲水の庭に流れ込んでいる




有料エリアを出て、まだよく見ていなかった奉納の酒樽を見に行く。

たまに知っている銘柄が。


最後に“団ぷ鈴”さんから眺めたお庭、“蓬莱の庭”を改めて見た。

池が鳥の形をしているということだが。
ここもまた、神々の世界
池泉回遊式庭園、ということで、
池に沿って反時計回りに進む。
水面が静かな雲海に見えた。
ライトアップの装置があちこちに仕掛けられている。
暗くなってから見ても楽しいかも。
“団ぷ鈴”さん(右奥の建物)の反対側から。
お庭の奥に枯山水が。
重森千青(ちさお・三玲のお孫さん)氏作
奥には小さいながらも本物の滝も。
中央の亀さんは本物だと思う…

この“蓬莱の庭”も、神々の世界、この世ではない美しき世界を表している感じがした。
東福寺の開山堂庭園もこの世ではない世界を感じたのだが、あちらは“夢の中”っぽい感じだったのに対してこちらは“理想の美しさや力強さ”を感じる。
“第九の合唱部分”が勝手に頭の中で鳴り響いていた。

鯉がたくさん。
餌やり(有料)出来るので、人影あらば寄ってくる


時刻は15:15。
たっぷり松尾大社を楽しみ、京都駅へ戻る。

と、いきなりの大雨が降り始めた。
バスは止めにして、急遽阪急の駅へ走る。

一瞬、バケツをひっくり返したような雨降り
スマホで写せるほどの大きな雨粒


思いもかけずの阪急電車となった。
電車は京都の街の風景が楽しめるから好きだ。

桂駅で乗り換え、烏丸駅で乗り換えて京都駅へ。
案内所により、観光パンフを物色。ついでに明日のための地下鉄バス一日券を購入。
コインロッカーの荷物をピックアップして再び四条駅へ。

ホテルへ向かう。
ちょっと急がなくては。夕飯を17:00に予約しているのだ。

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