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ヘアスタイルを言葉で伝えるのは無理ゲー【上手なオーダーの仕方】

操作イトウです。
皆さんは、美容師さんにオーダーする工程を難しいと感じたことは無いですか?

美容師さんから「今日はどうしますか?」と聞かれて、やりたいヘアスタイルを伝えたつもりなのに、なんだか違った印象になってしまった…。
また、流行りのヘアスタイルとかはよくわからないのに、そもそも事前に用意しておかなきゃいけないの?
そんな経験はないでしょうか。

そこで今回は、「美容師にどうしてオーダーが伝わらないのか?」について、理由を3つに分けて解説します。


①お客様のファッションにまつわる語彙力が足りないから

「語彙力が足りない」とは少し暴力的な言い方ですが、形や印象を言葉で伝えるのはとても難しいことです。

例えば、ヘアスタイルには各箇所に名前がついているため、「専門用語」を知っていれば話が通じるようになります。そのため、人気ラーメン屋さんの“呪文”よろしく「専門用語」をツラツラ言うことができれば、完璧なオーダーができます。

ですが当然、一般の方はヘアスタイルにまつわる知識が乏しいため、呪文は簡単には唱えられません。
それ故、「“どこ”を“どうやって”伝えればいいのかすら分からない」ということになってしまいがちです。

▼そもそも「ファッション用語」は定義が曖昧で難しい

もちろん、一般の方は髪の毛の専門家ではないので、専門用語を知らないことは当たり前です。ですが、とりわけ「ファッションにまつわる用語」は、言葉で伝えるのが難しい分野でもあります。

というのも、「ファッションにまつわる用語」は曖昧な言葉だらけです。詳しい人でないと「“どこ”が特徴で、“どう”違うのかが分からない」ほどに線引きが曖昧な上、その曖昧さが「ニュアンス」として重視されています。

更に、今もSNSなどで新しいフレーズが次々と生まれています。このことから、最近のシーンやトレンドが見えている人でないと、ほとんどのファッション用語は意味が理解できません。

つまり、そもそも「ファッション用語」は熱心に追っている一部の人にしか操れないのです。

これは「ビジネス用語」にも似ていますが、「ビジネス用語」は言葉の定義がはっきりしているのに対し、「ファッションの用語」は曖昧な表現になりがちです。

ファッション誌の文面が「抽象的で何言ってるかわからない」のも、このため。この取っ付きにくさが、お客様を困らせてしまうのかもしれません。

②美容師さんの言ってることが、よく分からないから

そして、美容師さんはファッションに対して「感覚的」に捉えている方も多いです。美容師さんは「ニュアンス」を掴むのが上手な反面で、それを「言語化」するのが苦手な人が多いのも特徴です。

そのため、美容師さんの感覚的な伝え方は、詳しくない人には“より難解に”聞こえてしまうのです。

▼ファッションに詳しくない人は、「微々たる違い」を見分けられない

先述したように、ファッション用語は詳しい人でないと「“どこ”が特徴で、“どう”違うのかが分からない」です。これは、詳しくない人にとっては「その程度の微々たる違いでしかない」とも言えます。

例えば、皆さんもヘアカラーの相談をする際に「ヘアカラーの色味表」を見たことがあると思いますが、沢山の毛束の色を見ながら「正直、何が違うのかよくわからない」と感じた方もいるはずです。

美容師やファッションに詳しい人なら見分けられる色の違いも、詳しくない人にとっては「ほぼ一緒の色」です。
そのため「色味表」を見ながら話をしていても、詳しくないお客様にとっては「何を言ってるのか分からない」ため、なかなか伝わらない、ということになるのです。

③美容師がお客様の「好きなテイスト」を知らないから

美容室を訪れる多くの方は、初めての美容師さんに担当してもらうことが多くなると思います。美容師からすると、「初対面のお客様」の対応は「いつものお客様」より難しくなります。

美容師は、お客様に「やりたいヘアスタイル」や「ライフスタイルに合わせた提案」を提供したいと考えます。
ですが、そのためには「いつもどうやって髪を扱っているのか」「仕事とプライベートでのスタイルの変化はあるのか」など、一から聞いて把握しないといけません。

これらの前提条件が無い初見では、遠回りなコミュニケーションにならざるを得ないため、言わずもがな、いつものお客様の方が「好きなテイスト」を掴みやすいのです。

▼美容師はお客様の服装からもキャッチしているが…

美容師は、お客様の「好み」や「ライフスタイル」を知る材料の一つとして、ご来店した際の服装をよく見ています。
エリアや集客の仕方によって客層には傾向はありますが、「見た目」からもお客様それぞれの特徴をキャッチできることはよくあります。

てすが、わかりやすく好きなスタイルが決まっている方はごく少数です。「古着系」「モテ系」「モード系」など、「好きなテイスト」をいつも着用している方は多くないですし、総じて「ファッション好きな方」でないと、そこまでスタイルは固まらないものです。

また「今日は、たまたまコレ」ということも往々にしてあるかと思いますし、例えば「仕事帰りでスーツ姿」「近所だからジャージ上下」の場合は、初見ではなかなか判断できません。

◾️伝えるには、写真が一番早い

このようにして美容師は、お客様の「仕事」や「ライフスタイル」「ファッション」に限らず好みの指標を聞きたいと考えています。
「美容師は積極的に話しかけてくる」といった印象があると思いますし、疎ましいと感じてしまうかもしれませんが、実はこういった側面もあるのです。

そのため、お客様は思いついた言葉で伝えていただいて構いませんし、もちろん、プロの言葉を使う必要もありません。
そして、お客様がやりたい「ニュアンス」を美容師さんに伝えるには、写真が一番手っ取り早く、正確です。

▼「微妙に違う」写真でも、美容師には伝わりやすい

お客様は言語化ができていなくても、持ち寄った写真を見せてもらうことができれば、美容師にはどのテイストが気になっているのかが掴みやすくなります。

伝えるコツとしては、写真を複数枚用意することです。
「どっちかにしたい」という候補でもイイし、「この写真もこの写真も、微妙に違うんだよなー」というレベルでもイイです。

美容師はそれらのヘアスタイルの、“どこ”を気に入っているのかを探っています。

例えば、お客様が「同じヘアスタイル」の写真だと思って用意していても、プロ目線では「別のヘアスタイル」に見えていることもよくあります。何枚も用意しておくと、自分では気付いていない「プロ目線の共通点」を見つけ出してくれるはずです。

そのため「横から見た写真」「後ろから見た写真」など、多角的に用意するのもオススメです。

◾️美容師はお客様の気持ちに応えたい

美容師は、お客様の気持ちに応えようというつもりでも、オーダーの「ニュアンス」が上手く汲み取れないこともあります。
この記事を通じて、お互いにとってよりよいコミュニケーションが築けることを期待しています。

ではまた。

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