いとバイ通信29 ヤスパース哲学

いとバイ通信29 ヤスパース哲学

2020.6.16(火)

書店にあまり置いてない(悲しい)

私はヤスパース(ドイツ)を最も偉大な哲学者として尊敬していますがヤスパースの本をたくさん置いている書店はあまりないのが不思議なのです。最近ではハンナアーレントの本はたくさん置かれているのにです。なぜでしょう。

ヤスパースは3大実存哲学者の一人として分類されたりもします。あとの二人はハイデッガーとサルトルです。私はヤスパース研究者ではなくヤスパースのファンという立場です。ファンの目から見たヤスパースを以下に書きたいと思います。

ヤスパースにおける実存とは何なのでしょうか。私のつたない理解では己にとって最高の哲学とは歴史上の大哲学者の教えではなく、自分の実存における哲学が「最高の哲学」と言えるのです。実存の上の存在は神とか超越者とか包括者とかと表現される一者だけです。各自は神を信仰しているかどうかを打ち明けなければなりません。私は信仰しています。

実存が最高の哲学となるために最高の哲学者との対決が必要となります。素晴らしい哲学であればあるほど己の実存との対決が必要なのです。神からの暗号は彼の実存で受け取る以外にありません。対決は歴史上の哲学者と己の間で行われますがまれに実在の人との対決があります。

ヤスパースの哲学は教壇哲学ではありません。生の哲学なのです。ヒットラーのナチスドイツの時代、ヤスパースはドイツのハイデルベルク大学で哲学教授でした。妻はユダヤ人でした。そのため大学を追放されました。たぶん2週間後に夫婦をとらえに来るだろうとの情報がありました。

その場合病弱なヤスパースは妻を守ることができないと考え、とらえられる前に二人で青酸カリで自殺しようと考えました。それまでのヤスパース哲学の一番の理解者であったはずの妻は自分だけ死んでヤスパースに残ってほしいと申し出ました。ヤスパースは妻だけを死なせたあとどんなに立派な哲学を書いても生きた哲学ではなくなってしまう。妻がヤスパースの哲学の神髄つまり生の哲学なのをまだ理解していないのかと怒りました。

その時奇跡が起きました。捕らえられる2週間前に連合軍のノルマンディー上陸作戦が成功し連合軍によってドイツは解放されたのです。このようにヤスパースにとっての哲学とは教壇哲学ではなく一回限りの生の哲学だったのです。

※ 「#いとバイ通信」のブログにこれまでいろいろ書いてきています。ぜひご覧ください。

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