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230216

 ひとの声がそばにいてほしくて、You Tubeのライブ配信を1日中流している。ひとからひとへ。いろいろなひとのライブ配信やアーカイブが部屋の隙間を埋めている。
 実家にいた頃はひとりのときにテレビをつけないことのほうが多かった。周囲が騒がしくて生活音だけで満たされたし、夜になれば母がいたから充分だった。いまは1日家にいて、声をひとつも発さない日のほうが多い。周囲の環境音も静かだから、空間には静けさばかりが満ちている。

 なにもできない時間が多くて、さいきん才能について考えることが増えた。世にあふれる才の塊。眩い光。唯一無二への強烈な憧れ。
 生きているなら、わたしはとくべつな何者かになりたかった。
 渇望にも似た感覚がひとりぼっちの身体には痛む。
 この先何年あるかわからない人生を全うしたあと、ただのモブとして死んでいくのだろうとおもうと、どうしてこんなに苦しいまま生きていくしかないのだろうかと考えてしまう。いつまでこんな醜く生きていかなきゃいけないのだろうか。
 なにもわからない。
 なにをしたいのか。どう在りたいのか。なにを成したいのか。どうすればこの渇きは満たされるのか。
 強烈な憧れがずっと暴れ回っている。