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言葉一つで病気になるとはこういうことです

「胃が痛い」とか「腰が痛い」とか相談されることがあります。
話を聞くと、緊急性もないし、危険性もなさそう。
こんな場合、「心配しすぎず様子をみましょう」なのですが、それでは相談した方は物足りないと思うんです。
そこで「最近寒いしね、身体を冷やさないように、まあ適度に温めてみたらいいんじゃないですか」とアドバイスしたとしますよね。

これが治療院の中での会話だとすると、温めてその症状が「改善」したら、患者さんは「冷え」が原因だったんだ、と思います。治療者の中には、その結果を受けて「冷え」が原因ですねと断定する先生もいるでしょう。

これね、本当のところはわかりません。
たまたま治る時期だったのかもしれない、「温めたらいい」というアドバイスを聞いて患者さんが「ほっと安心」したのかもしれない、「温めたこと」より「温めて気持ち良かったこと」がよかったのかもしれないし、「自分でできることがある」と患者さんが主体的になったのがよかったのかもしれません。
たぶん、これらのものがちょっとづつ影響して混ざり合った結果でしょうね。

何はともあれ「症状が改善」したんやから、別にいいといえばいいんです。患者さんは「真実」が知りたいわけやなくて、「症状が改善」したらいいわけですから。

でもね、それがノーシーボというマイナスの暗示になる可能性があるんですよね。真面目で記憶力のいい人ほどね。

たとえば、翌年の「冬」
たとえば、何かの事情で「からだが冷えた時」

「冷え」と「症状」を結びつけてしまったら、その症状がでやすくなるかもしれません。その後の長い人生、「冷える」たびにその症状が出るとしたら、それはあんまり喜ばしいことではないですよね。

そしたらどうしたらいいの? という話です。

私ならこう聞くでしょうね。
「温めてみて気持ちがよかったですか?」
それで患者さんが「はい」と言えば、
「そう、気持ちがいいと身体も喜ぶんでしょうね」
と返事します。

「冷え」に意識を向けないように「からだが喜ぶことがからだにいい」と印象づけます。
「原因」ではなく、「どうすればよくなったか」に注目してもらうように意図的に言葉を選ぶのです。

こんな風にね、何気ない会話でも患者さんを健康にすることもできれば、病気にすることもできるんです。
治療者の一言って、おもしろいというか怖いというか。

治療者の先生方は、「言葉」の影響力や「言葉」の使い方をもっと学ばれた方がいいと思います。「プラシーボ効果」「ノーシーボ効果」について学び、その驚きの影響力を知り、うまく活用しましょう。

そして、治療者ではない一般の方は、医師や治療者の言うことを信じすぎないことです。身体のことはよくわからないのに「冷えが原因」などと断定する治療者のところには行かないことです。

「寒いのもあるかもね」「それも関係しているかもね~」
こんな風にゆる~くしゃべる先生を選ぶことです(^^)

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