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にんじんの葉っぱのようにありたい。

スーパーで売っている野菜、にんじん。
カレーに入れたり、炒め物にいれたり、肉じゃかに入れたり、キャロットジュースにしたり、いろいろ活躍してくれる甘くて鮮やかな根野菜。

でもにんじんの葉っぱをみたことがある人は少ないんじゃないでしょうか。

にんじんといえばオレンジ色の根の部分。誰でも知ってる当たり前のこと。
でも、ちょっと考えれば当たり前だけど畑の土の中でにんじんが育つ時、同じように地上では芽が出で、茎が伸び、フサフサとした葉が育ちます。

そんな葉っぱ、あんまり知られてなけど食べれます。
僕はにんじんの葉天ぷらが大好きです。フサフサの葉っぱがサクサクして、ほろ苦くて。オレンジのとこより葉っぱの方が美味しいんじゃないかと思うほど。

でもそんなにんじんの葉っぱをスーパーで見かけることはほとんどありません。

理由の一つが、にんじんに葉がついたままだと、みんなが「にんじん」として買っているオレンジの根っこが早くダメになってしまうから。

美味しくて、栄養満点で、僕は大好きだけど、今の世の中では価値がないとされてしまう。捨てられてしまう。
食べられること、美味しいこと、捨てられてしまうワケ、、、ただ知らないだけで。



日々道具たちとその物語を回収させてもらう中で、「これもう古いからだめかなぁ」とか、「こんなに長く使ったもの、引き取ってくれるの?」と言われる方も多いんですが、そんなときにんじんの葉っぱのことをよく思い出します。

「古い」というのは、それだけ長く誰かのいとなみを支えてきた「雰囲気」や「息遣い」を感じるし、その土地の風土やいとなみの”ありかた”を体現している。

まるで、何百年も前から人々が大切にしてきた、神社の境内や教会の中のような、目には見えないし、聞こえないけれど、不思議で暖かいなにかで満たされている。

それはとても美しいものだと思う。

旅してお気に入りの場所。天草のお宮さんから教会を望む。




今、社会では多様性が大事とか、社会や人・環境によい選択をすることが大事だ、って言われるけれど、そういう大きくて、肩肘をはった話よりも、にんじんの葉っぱみたいに、そのことを知って、少し見る視点が変われば、そのものが持つ、僕らを笑顔にしてくれるところや美しいところ(本当の価値)が見えてくるんじゃないかな。それがほんとに大切なことなんじゃないかなと思います。

そんな少し新しい視点を、昔からの道具を扱うぼくらつなぎ はぐくむ いとなみの道具店がみなさんにお伝えすることは、少し洒落がききすぎてますかね。
でも、伝えたい。繋ぎたい。そう思える道具たちがたくさんお店には集まっています。


役目を失い、「古いから」価値がないと、廃棄されそうな道具たち。
にんじんの葉っぱと同じで、「古いから」という視点ではなく、「長い時間」誰かのいとなみを支えてきた道具たちがもつ風合いや、その土地の風土を、息遣いを、その素晴らしさも、全部丸ごとお伝えしてきます。


そんな物語と道具たちが見れるHPはこちらから。

https://itonamidougu.com