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ジーマはわたあめの味がする

「お酒はダメだけどジーマは好き

 わたあめの味だから」


声のかっこいいお姉さんはこう言っていた

ふーーーんわたあめねえと思ってすぐ真似して呑んだ

お姉さんの言ってることがわかる気がした


お姉さんと書いているが実際ただ歳上なだけであって破天荒な女性と表記したほうが正しいだろう


服に着られることのなさそうな洒落た人だった


よく笑って方言も粗暴な響きで使うけどあたたかくて芯のある人だった



その芯があだとなったのか私の友人と馬が合わずなんとなく疎遠になり、ついに私も遊ぶ誘いを断り続けてしまった


お姉さんはもうお前とは遊ばんと言った


私はお姉さんを嫌いにならなかったけれども、傷ついたお姉さんは即座に自分を守った


それを思い出す度に、誰であろうと大事にされていないと感じたらその人から離れてもいいんだと刻み込まれていく




どんな服を着てもいい、不機嫌になってもいい、嫌いなものは食べなくてもいい、周りに合わせなくていい


わたあめ味のジーマの空き瓶だけが残ったかと思ったけれど、クソ真面目な人間を救うお姉さんの振る舞いもまた目に焼き付けられ、残像がここに残っていた


飲めなくなる前に3本は買い溜めて、あと3回は勇気をもらおう




粗暴な言葉でnoteも罵ってくれたらなと図太くなった私はビンをゴミ袋に詰めた

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