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息子が通うのは、森のようちえんのような保育園。【ニュージーランド】

息子の保育園生活がスタートしました。ウェイティングリストに申し込んでいた園から、2歳の誕生日を機に連絡を受け、通園が始まることに。

ニュージーランドの保育園では、4月から一斉入園という仕組みではなく、皆バラバラ。空きがあればいつでも入園することが可能です。

最初の2週間は親子同伴の慣らし期間。この期間を終え、遂に来週からは息子が1人で過ごすすることになる。その前に、今回はこの2週間のことを、ここに記したいと思う。

息子が通う保育園は、ユニークそのもの。

まず、園に車で到着すると、駐車場一帯が畑が目に入る。ほうれん草など葉野菜やパセリなどのハーブがわさわさと生えているのに加えて、かぼちゃがゴロゴロと転がっていた。

さらに、一軒家のような校舎を抜けると、広大な裏庭が。林に囲まれ、アスレチックはなく、木登りのため子どもたちは木に集まる。
マッドキッチンといわれる泥んこの砂場の台所を息子は気に入ったようだった。

子どもたちはおのおの元気に走り回ったり、木の下でブランケットを敷いて寝転がって昼寝をしたり(!)先生いわく、「親御さんたちは、え?子どもが昼寝を外でするなんて、信じられない!って最初はびっくりのだけど、人間って元々は外で寝てたでしょう、だからいつの間にか気持ち良くて、皆外で寝るのが大好きなのよ」と。

敷地内にも、畑や果樹園、コンポストがあって、この日はパッションフルーツの実がなっていて、赤く染まったフルーツを子どもたちが手を伸ばして収穫!「食べ物ってこうやって育つんだよ、って知ることができるから。お皿に出てくるのを食べるのだけじゃ、食べ物の大切さは分からないでしょ」と。先生たちの言葉ひとつひとつも、なるほど、と勉強になりました。

パッションフルーツをとろうとする息子

悪天候でない限り、基本的には外で過ごすので、お昼ご飯もテーブルに座って外で食べるだとか。レンチル豆のラザニアや、豆乳マッシュルームのスパゲッティなどのご飯が提供されてました。そして、なんと残飯は、ニワトリたちに子どもがあげていて…!!その光景に癒されつつ、ワイルドさを感じました。

ここを選んだポイントを挙げるとするならば、以下。

・先生の話す英語がゆっくりだったこと(→外国人の私に分かりやすく説明しようという姿が優しく、安心感につながりました。)
・オーガニックの食事が提供されること
・ゼロウェイストを掲げていて、布おむつを使っているところ
・マオリの文化が根付いているところ
・外遊びが多いこと
・日本語を話せる先生がいたこと

先輩ママから「色々見てみて、1番安心感を持てるところを選んだらいいよ」というアドバイスを受け、気になる園にはいくつか足を運びました。
園で掲げる教育思想も大切だけど、そこにいる先生たちに笑顔と安心感があって、勤め先である園や子どものことが何より好きなことが伝わってきたことが、最終的な決め手となりました。

面白いなと思うのが、王道とは言えないような、ユニークに溢れた自然派?!なこの保育園が、ニュージーランドの田舎町で、4年半待ちと言われたこともあるほど、人気があること。(結果的には4年ほどは待っていないのですが)

きっと雰囲気は、ちょうど今読んでいる本、「ルポ 森のようちえん」に近いなと感じています。
本に出てくるこの考え方も、決める後押しになりました。

「近代教育思想の源流とされるルソーも、『森の生活』の思想家ソローも、人間の成長には人類史の追体験が必要だと述べています。そう考えると、子どもの発達段階の各時期に、何を優先すべきなのかがはっきりするのではないでしょうか」

おおたとしまさ著「森のようちえん」

幼児期は原始人だそうです。自然の中で過ごせることが人間の原点回帰の場所と感じていて、便利さとは真逆の不便さに身を置くって、貴重なことで、幼児期にはピッタリなのかもしれないな、と思う。

息子と離れる時間が増えること、切ないような誇らしいようないろんな感情がちゃんぷる状態。この2週間は、時間があっという間に過ぎていった。

これからここで、楽しくて嬉しい経験をたくさん出来ますように、そう心から願っている。