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Vaundy one man live at BUDOKAN "深呼吸"

間違いなく、自分の音楽史に残る日になる

Vaundy

まだ大学生

信じられないパフォーマンスだった。
2日間の武道館公演の2日目にも関わらず、疲労や消耗の色は一切見えなかった。
曲間のいわゆるMCでダラダラ話すタイプのミュージシャンではないこともあってか、続け様に次々と歌い続けるステージ構成だったが、苦しそうな素振りもなく飄々とやり遂げてしまった。
こちらは1時間のヒトカラでも喉ガラガラ状態になるのに、なぜそんなことができるのか。不思議でならない。
そしてさらに信じられないことに、彼はまだ大学生だという。

その才能は、いつから?

一般的な労働者の考えで言えば、大学生時代はよくてせいぜい自分のスキルや感性を磨く期間であって、成果を何らかの形で出すことなんてほとんどの人ができないはずだ(もはや何もしないまま4年ないし6年を終えてしまうことが多いだろう)。
にも関わらずテレビやラジオを賑わすような楽曲を止めどなく生み出し、ステージで観客へ発信するという行為をかなりの大規模でやっている。
一体どんな大学生活を送っているのか。
もっと言えば、どんな人生を送ってきたのか。
一般的な労働者からは想像もつかない。

まだまだ大きくなる予感

そんなことを考えながらステージに釘付けになっている最中に彼がポロッとつぶやいた「自分の音楽史」という言葉。
中途半端な人間が使ったらたまらなく恥ずかしい言葉だろう。
しかしながら彼の20年ちょっとの人生の中には、まごうことなき「音楽史」が存在している。
それは進化の歴史でもありながら、彼が変わらず溢れる才能を放ち続けてきたことを証明するものでもある。
既に国民的ミュージシャンのカテゴリーにいると言って差し支えないだろうが、まだまだ大きくなる。これは確信だ。

嫉妬と刺激

こういうすごいものを見せられてしまうと、自分という人間の「何もなさ」を突きつけられるような気がして辛くなることがある。
しかし彼のステージにはそんなレベルを遥かに超越して、オーディエンスたちを鼓舞するような要素すら感じた。
たったひとりの大学生がここまでやってるんだから、君たちももっとやれるだろ?と。
そんな生意気なムードに、ちょっとふふっとなりながらも、大きなエネルギーを得た感覚だった。
Vaundyに負けない、「自分史」を紡ぐのだ。

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