見出し画像

世界が色付くハッピーエンド


急な寒さにエモーショナルな気持ちを掻き立てられてなぜかバックナンバーを聴いている。別段好きなわけではないけれど、あのリア充感は寒くなってくると色々身に沁みて、もうほとんどやめているタバコを吸いたくなる。寒い時期に外で白い息を吐きながら吸うタバコにはたくさんの思い出があったはずだ。

今の人ともしも別れるなんてことが(そんなことには絶対なりたくないから、もしも、もしも)起こりうるとすれば捨てられるのは私だと確信している。女の勘というやつかもしれないし、防衛本能かもしれないし、私がこれまでしでかした色んなことのツケをここらで払わされるのではないかという怯えかもしれない。後者が圧倒的に強い。

ハッピーエンドの歌詞の中に「見える全部聴こえる全て色付けたくせに」という歌詞がある。ふと、なんで「色づく」という表現をするんだろうなあと考える。気持ちはとってもわかるしあれは紛れもなく「世界が色づく」という感覚に違いないと思うのだけど。その感覚を視覚的に最も共感する表現でみせてくれたトムフォードの シングルマン は私の中で何度見てもちょっと鼻の奥がツンとして、繰り返し、繰り返し噛みしめるように見てしまう映画のひとつだ。「世界が色づく」のは人類共通の感覚なのだろうか。あのコリン、良いんだよなあ。

ひとり暮らしを5年と少しして思ったことなのだが、結局自分のためだけに生きられるほど強くないというのが正直なところだ。そういう意味では、若さに任せた無茶苦茶な生活しかしてなかった私の生活に人間らしい色を付けたのは今の人かもしれない。恥ずかしいから絶対内緒だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?