写真撮影が嫌いだ

写真撮影が嫌いだ。

子供の頃、修学旅行で山と鹿と城とよその子供しか撮影をせずに帰宅した私を、親はあまり強く咎めなかったけれど、すこし落胆しているような顔をしていたのを覚えている。

自分の容姿が極端に劣っていると言うわけではない、顔は整っていると言われるし、足もわりかし長い。平均よりは肥えているがそれはご愛嬌ということで、自分の中では納得しているのに、写真だけは本当に嫌いで、仕方がない。

なんでみんなはハイチーズなんて平気な顔して笑顔でカメラを見ることができるんだろう?

私がまだ女子高生だった頃は顔を隠すピースみたいなのが流行りまくってたので、ここぞとばかりにそんな格好をしていた。ギャルでもないのに。あの時は助かった。ありがとう私の中の小さなギャル。

しかし、イベントやライブなどでアーティストが集合写真を撮影する際に、客席で豆粒くらいになって映るのは正直そこまで気にならない。

わたしは数ヶ月前に婚姻届を提出し、多くの友人に祝っていただけている。本当に幸せだなと感じる。
しかし、写真が嫌いな私は、そこからしばらくは結婚式やら撮影やらからは逃れられない状況になってしまった。

友人の好意で撮影代を出して撮影をしてくれるということになった、とても嬉しい気持ちもあったし、カメラマンさんの顔に泥を塗るつもりもなければ、旦那が記念に写真を残したいと思う気持ちを尊重しないわけにもいかない。
私一人が数時間我慢すればいいだけの話なのだが、その撮影に向かう1時間前の今になってもいまだに辛くて怖くて仕方がない。普段は自分の容姿なんて気にならないのに、自分の見た目の悪さの嫌悪感で死にたくなる。

遊びに行ったときに友人がLINEでくれる「私の写真」を一瞥もせず、保存期間が終わるのを待っている。
ありがとう!だいすき!と伝えながら。



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