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アメリカ時代の生活エッセイ life as an expat その4 コロナ禍での幼稚園選び、思いがけない歓迎

こんにちは、スロース英語教室のNaokoです。
元駐在員の夫がアメリカで感じていたことを書いたエッセイ、「life as an expat」シリーズの第4弾です。


第1弾は「死なない程度の英語力」について、第2弾は「ペーパードライバーなのに日本の上司を乗せて運転して死にそうになった話」、第3弾は「日米のビジネスの評価のされ方の違い」についてです。

今日は家族のことについて書こうと思います。
コロナ禍に渡米した私たち、外に出れない2週間の隔離期間を経て必要なものを買い揃えながら、娘の学校(幼稚園)について考えることになりました。


大体の駐在員は都市に住むので、日本語が通じる病院が近くにあったり、日本人の同年代の子どもが多く住んでいたりするのですが、私たちは田舎に住むことになったので、(日本人からの)口コミも全くないまま学校を決めることになりました。


アメリカもコロナ禍で、あまり新しい生徒をウェルカムする感じでもなく、しかも娘の英語力はほぼ0です。
テレビではアジア人ヘイトのニュースが流れ(アジア人が電車の中でいきなり殴られたなど)殺伐とした環境でした。


そんな中、家の近所の幼稚園で1時間半も私たちとの面談に時間を割いてくれた地元の学校に娘を入れることを決めました。
他の学校でたまたま現地で働く日本人の先生とおしゃべりする機会を経てアメリカの学校システムについて相談させて頂いたり、色んな人との出会いのあとで決めた決断でした。


地元の住民である彼らとのコミュニケーションは、事前に駐在員のコミュニティで前情報を入れていたら起きなかったことでしたし、そのあと私がこの幼稚園で教員として働くこともありませんでした。


人生何が吉と出るかわからないものです。


それではどうぞ!



いよいよ娘の最初の登校日。幼稚園に着くと、娘と同じクラスの生徒と先生が出迎えてくれました。そして皆で、「おはようございます!」と日本語で挨拶をしてくれました。予想もしなかった光景に、娘は恥ずかしがっていましたが、私と妻は、いたく感激してしまいました。

On the first day of the school, the teacher and classmates welcomed us in front of the school gate and said “おはようございます!!” in Japanese. We did not expect that they had practiced Japanese.


そして、娘が家に帰ってきた時、リュックに大きな紙が入っていました。
“おはようございます:O-hai-o(like the state) go-za-i-ma-su! ” という言葉、数々のアルファベットが書かれた、Welcomeボードでした。
日本語が分からないながら、先生が調べてくれ、現地の子供たちが覚えやすく、発音しやすいように工夫したのだと思います。

When my daughter came back to home, she brought a paper saying “おはようございます(O-hai-o (like the state) go-za-i-ma-su” decorated with a lot of colorful alphabets and feathers.
It was a welcome board.
The teacher might have searched for Japanese words and realize “おはよう” sounds like the state “Ohio” and told the classmates how to pronounce it.

おはようございます  ”O-hai-o (like the state) go-za-i-ma-su"


不安になるような事件が報道されている現実があります。その中で、目の前の人との繋がりを大事にしようと思わせてくれる、心温まる出来事でした。娘が「このオハイオって何?」と聞いたので、「ここの州の名前だよ」、と地図を指さし、教えてあげました。

At the same time, we were searching for a school, there was sad news in the media about discrimination against Asian people in the US, that made my wife and I very nervous and worried.

We were pleasantly surprised and moved by the school’s kind welcome for our daughter. This event was so touching that it served to remind that all of us seek human connections regardless of where we come from and that relationships, respect for one another and communication is what matters most!

“What is this “O-hai-o (like the state)?”” My daughter asked me a question and I answered by pointing the Ohio state on the map, “Here is the Ohio state. It sounds like Japanese, doesn’t it?”


このエピソードは私たちのアメリカ滞在中、忘れられない思い出になりましたし、これからの生活が楽しくなりそうな予感を感じさせるものでした。



余談ですが、この幼稚園に保護者としてお世話になっていたとき「アジアンヘイトについて」だったり「おとなしい娘がいじめられていないか」が気になって先生に相談していました。


すると先生に「実際にあったら申し訳ないのだけど…その差別は本当にあなた本人が体験したものなの?」と聞かれました。
実際はネットのニュースを見聞きしてやたら怖がっていたり、言葉(英語)が不自由な娘が辛い思いをしていないか、「分からないから」心配していたのです。


それに対して先生は「起きたことだけにフォーカスした方がいいわよ」と優しく諭してくれました。



この体験は私の考えを変えました。
困ってから、怒られてから変えても間に合うし、それでいいんだと思いました。
全てのことに準備することなんてできないのですから。
今娘は泣いてないし、先生は優しくて素敵なのだからそれを享受しようと思いました。



肝心の娘は最初の2週間は毎日泣きながら学校に行っていました。
それが徐々に笑うようになって、先生や周りのクラスメイトとも仲良く過ごせるようになりました。


日本に帰国して1年経ちましたが、帰国直後より今のほうがアメリカについて懐かしく思い出すようです。


また次のlife as an expatでお会いしましょう!

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