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天川頭首工(あまかわ、香川県まんのう町)

●概要
満濃池に導水する堰。
竣功:1959年  型式:G  
目的:A(最大取水8.0㎥/s)
堤高:2.7m  堤頂長:25.0m
流域面積:67k㎡(満濃池の直接流域は12.8k㎡)  湛水面積:?k㎡
総貯水容量:?万㎥  有効貯水容量:?万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:可 直下:不可


●参考リンク・引用

https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/30088/01.pdf


●道中

(Googleマップより)
灌漑用溜池としては日本最大級!らしい満濃池。
(Googleマップより)
ともかく、その総貯水容量(1,540万㎥)は、香川では圧倒的ナンバーワンであり、この存在感。
そんな満濃池だが、8世紀初頭に原型が生まれた後、
現在の姿に至るまで度重なる再築・改築を行っている。
その中には、空海の名も見える(821年再築)。
1184年の決壊から450年間は使用されず、貯水池内に池内村なる村ができた過去もあるとか…。
こうした壮絶な生涯を過ごし、今尚バリバリ活躍中の満濃池だが、
20世紀に入り、三度の嵩上げを行っている。
第一次 1905-1906 0.87m
第二次 1927-1930 1.50m
第三次 1940-1959 6.00m
特に第三次改修においては、貯水容量が倍増した。
その豊富な水量を支えるのが、今回紹介する天川導水路。
(地理院地図より)
赤丸部分が、今回紹介する天川導水路(延長4,668m)。土器川より満濃池(金倉川)に分水する。
これにより集められる水は、満濃池総集水域の約67%を占める。
ちなみに第二次改修時には、西隣の財田川からの導水路を新設(現在は、野口ダムが機能を引き継いでいるものと思われる。野口ダム湖岸に「満濃池分水協定要項」の碑がある)。
元に戻って土器川。
堰の位置特定は容易。森の中にあるワケでもないし、水路も描かれているので迷う事は無い。
中々に窮屈な対面。
このまま左岸に行っても良かったのだが、防獣柵の開閉が億劫だったのでグルリと迂回する事に。
そんなワケでやってきました左岸側。
詰所らしきがあるが、特に文字情報は無い。
少し進むと見えてきた。
柵や看板の類は無く、ガランとした雰囲気。
しっかりめの角材で左右の行き来が可能。奥に見えるのが初めに突撃を試みた地点。
農閑期の3月初旬、起伏ゲートは3門とも倒れていた。
取水口。想像以上のサイズ。是非とも農繁期の姿を見てみたいと思った。
上流から。多分非灌漑期だけ可能なアングルで。導流壁がシンプルにして端正。
で、その先。何やら密集した雰囲気。
道路の間に顔を出す設備。
見つけた!これぞ満濃池への導水路(天川導水路)。
ゆっくり見たいが、路肩狭しの車道沿いの為、見学には注意が必要。
素っ気ない事も多いこの手の設備だが、扁額付きでホクホク。
このゲートから先は暫く地中。
そしてこの道を二分する明らかにツヨツヨなスギ。天川神社の三本杉というそうで、樹齢は700年を超えるのだとか(どの3本かは分からんが、多分これはその1本な気がする)。
一方その頃、時の満濃池はというと、機能停止真っ只中。
本題に戻り、とりあえず川を眺めると、また別の堰。ただならぬ風貌だが、詳細不明。
窮屈なレイアウトだが、その堰の少し上流にこのようなゲートがあり、この水路は道を潜り、先の満濃池導水路入口へと繋がっている。
対岸から。右中程に、導水路入口ゲートが見える。
この界隈の水の流れは時間も差し迫っていた事からまた今度。
(地理院地図より)
で、この導水路だが、ここから一貫して暗渠というワケではなく、ちょくちょく地上に現れ、赤丸区間では水路橋らしきがある事になっている。
ちなみに開渠区間も一部行ってみたが、防獣柵が億k…
仕切り直して例の赤丸区間へ。
日没間近という事でさっさと隧道へ。
接近。コチラも扁額付きで気合十分。
字から取ったのか、田畑隧道というそうな。
振り返って上流側。さすがに整備が行き届いている感じ。
予想外のノーガードっぷりが嬉しい。
水路橋。中々にドッシリした構え。ここを最大8.0㎥/sの水が流れる。2014年改修済。
ソソクサと上流側へ。余水吐が見える。
上流側は隧道近接。
こちらにも扁額。
佐古隧道。
下流側を望む。
てなワケで日没。この日の旅程は終了。


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