2013年2月21日の雑文


 何を書いていいのかわからない。何をしていいのかわからない。

結局ここにまた戻ってきてしまった。

もちろん書きたいことがないわけじゃない。ないわけじゃないのだけれど、

うまく自分という釣堀の中から獲物を釣り上げることができないのだ。

それをするにはあまりにも僕の竿は貧弱なのだ。


ごつごつした岩が積み重なってできた岩浜に座って僕は

海を見ている。波は荒々しく岩にぶつかり、しぶきをあげている。

時々僕の顔に水滴があたって冷たい。

 

どこかの誰かが小説は長ければ長いほどいいと言っていた。

僕は違うと思う。小説は短ければ短いほどいい。


別に描く必要のないものを描くなと言っているわけじゃない。

小説という一枚の絵画の雰囲気を作るために必要なものであるなら

描けばいいと思う。しかしそれでは小説は際限なく長くなって

しまうのではないか?と思う人がいるかもしれない。

それはもちろん短い方がいい。しかしあまりに短さを追求しすぎて

そもそも小説を書くことによって達成しようとしたことを達成できなく

なってしまってはそもそもの意味がないのだ。

 自分が何を達成すればいいのかわからない。そんな人は

最近かなり増えてきたように思う。無理もない。

あたりを見渡してみたら必要のないろくでもない仕事ばっかりだ。

こんな時代に生きていては自分の立ち位置をうまく定めることが

できなくても仕方がないだろう。

 そんなときはまず書いてみればよろしい。書いてひたすら書き続けて、

この小説で何を達成しようとしていたのか、それが

判明したときに筆をおきなさい。あるいはキーボードを打つ

手を止めなさい。

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