2013年6月14日「ゴリオ爺さんを読んで」


 ゴリオ爺さんを読み終えた。

 これは意外と面白い。スタンダールは読みきれなかった。フローベールは読める。トマスマンは読めない、バルザックは読める。その微妙な違いというものをはっきり言い当てることが私には出来ない。

 ゴリオ爺さんは実に哀れだが、その哀れなところがいいのかもしれない。娘たちの愛を求めてついに得られなかったところがいいのかもしれない。

 最後辺りのシーンで、主人公ラスティニャックが哀れなゴリオを慰める、というかベッドのそばに座って看病をするところで、私はグレート・ギャッツビーを私は連想した。失われたロマンに対する哀悼、というのとは少しだけ違う。主人公は明らかにアンチヒーロー的な、手段を選ばずに出世を目指す男という性格づけをされている。だから単純な「ドラマから一歩離れてドラマを見つめる男」でないことは確かだ。

 パリの描写はどうだろう?ところどころで差し込まれる比喩にはとても面白いものが多い。


 ちょっとまた後で感想は改めて書こう

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