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噓つき養成講座 1時間目

初めまして、どこぞの馬の骨いつもタツオです。

私は社畜で恐妻家に加え、住宅ローンを背負っているアラサーのメンズです。仕事に家庭にと追われる中で自分の時間が無いという閉塞感から、日々悶々としておりました。そんなある日、頭の中に「ある村」が舞い降りてきたのです。

これは、その頭の中にある「仮想の村」に暮らす人々を描いた物語です。
少しだけでも、覗いて行って頂けると嬉しい限りです。

それでは皆さん、「仮想の村」の旅を楽しんで!!


※このお話は100%フィクションです。では、本編をどうぞ。


ここに、国から認められていない集落があった。

小さな島に築かれた村の名前は「うさん村


この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。

ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。




ユカノ・モプコ:「あっ、ども。ユカノ・モプコっす」

いつもタツオ:「やぁはじめまして。吾輩がタツオ学院の学院長、いつもタツオである。君が新しく入った新入生かな?」

ユカノ・モプコ:「へぇ。そのようで、アタシャ田舎から出てきたばっかで何が何だか良くわからんすよ。たまたま表の看板を見て入って来ちまったんだが、嘘つき養成講座ってなんでぇ?」

いつもタツオ:「うむ。吾輩が優しく丁寧に教えてやろう。そうだな。まず、単に嘘を悪と決めつけないで嘘と正面から向き合うこと。世の中が嘘の力で回っている事実を確認すること。嘘にも種類がある事なんかを研究する場所として吾輩が開設したのである」

ユカノ・モプコ:「アタシャ嘘が苦手で、振り返えっと損ばっかしだぁ。ちっと興味が沸いたんで受けてみっかな」

いつもタツオ:「みんな!おはよう。今日は新しい仲間が入った」

ユカノ・モプコ:「ユカノ・モプコっす。よろしくお願げぇします」

ウマミ・スー:「モプコちゃん。よろしくね!」

いつもタツオ:「じゃあ始めるぞー」

いつもタツオ:「今日は噓つき養成講座の記念すべき第一回目の授業である。諸君!起立!礼!!!」



イチモツ・コタロー「なんだ噓つき養成講座って?オレそんなのに入った覚えないよ」

ウマミ・スー「アイツ飽きっぽいから、また新しいこと始めたようね。ダマされて入ってきたモプコちゃんが可哀想だから、さっきは話にのって上げたけどホントくそ野郎よね」

シメノ・ダイフク「プッ!いつものパターンでしょ、またすぐに飽きるって。現実世界で恐妻の尻に敷かれてるからって、ここで僕らに威張ってるんだ。あの甲斐性なし!」

イチモツ・コタロー「シッ!聞こえると何かと面倒だぞ。アイツがnoteを投稿しない限り、またオレ達この世から消えちゃうぞ」

いつもタツオ:「もう授業が始まっているのに騒がしいぞ。私語は厳禁!破った奴は...。廊下に立っとれ!」(あぁ言ってみたかった♡)

「では皆んな黒板をみなさい」

ウマミ・スー:「先生。これ何ですか?」

いつもタツオ:「これは嘘を体系化させたタツオ学院オリジナルの図である。まず、嘘には種類がある事に触れていきたい」

1、自分につく嘘で害のあるもの

2、他人につく嘘で害のあるもの

3、自分につく嘘で利のあるもの

4、他人につく嘘で利のあるもの

ユカノ・モプコ:「図の真ん中よりちょっと上に書いてある冗談ってのはどういう意味になんだぁ」

いつもタツオ:「モプコ君。良い質問だ。かなり軽度で利のある嘘は冗談というカテゴリーに入ると吾輩は思っておるのだ。この冗談というやつは、場を和ませたり人を笑わせたりするのである」

イチモツ・コタロー「オレは曲がった事は許せん!冗談だと?何事も誤摩化そうとする奴など切り捨て御免だ!」

いつもタツオ:「そう、この冗談というやつも人を選ぶことが重要だよ。コタローの様に融通の聞かないバカ正直なタイプには、効かないどころか事態を悪化させるので気をつけよう」

ユカノ・モプコ:「ほぅ。アタシャ冗談なんて言えんので参考にすんべ」

いつもタツオ:「オッホン、話を戻すよ。他人につく嘘で害のあるものは最悪だ。巡り巡って必ずそのしっぺ返しは、自分に返ってくると思った方がいい。まぁ批難の標的になるし、長い目で見るとそんな嘘は得策とは言えないな」

ウマミ・スー:「自分につく害のある嘘がストレスになるって言うのは何となく分かるんだけど、自分につく利のある嘘ってのは何?」

いつもタツオ:「ここに自己暗示って書いたけど、自分に暗示を掛けている様なものかな。極端に言って、俺はできる俺はできる俺はできる...みたいなね。まぁポジティブシンキングなんて言葉があるけど、これも場合によっては自分自身に利のある嘘をついてモチベーションを維持や向上させたりしている様なもんだよ」

シメノ・ダイフク:「グゥー💤グゥー💤」

いつもタツオ:「こらっ!!ダイフク!目を開けたまま寝るなー!」

シメノ・ダイフク:「あっ!起きてます起きてます!鼻炎で鼻が詰まってて、イビキの様な音が出ちゃうんです」

いつもタツオ:「ハァ。もっとマシな嘘をつかんか。お前の嘘は害のある嘘だ。吾輩が嘘についてエモーショナルに訴えかけているのに、教室の空気がゆるんでしまったぞ。廊下に立っとれ!」

イチモツ・コタロー:「先生。他人に利のある嘘ってなんだよ?そもそも嘘に利なんてあるものか。そんな考えを持ってる卑怯な奴らは叩き切ってやる」

いつもタツオ:「堅物コタローめ。世の中は、建て前といってな。相手に配慮する為に嘘をつく事が多々有るのだ。一番多いのは知っているのに知らない振りをすることかな。これも嘘と言ったら嘘になる」

シメノ・ダイフク:「廊下からこんにちは。これは良くわかります。言わぬが仏とか言わぬが花とかって、ことわざもあるくらいだし僕も良く使う嘘です」

ウマミ・スー:「確かに、嘘も方便ってのは納得ね。そうやって互いに配慮しあって物事を円滑に進めて行くことって重要よね」

イチモツ・コタロー:「うぬぅ...。俺は侍として認めん!俺は曲がった事が大嫌いだ」

ユカノ・モプコ:「うっはぁ。なんだか先生がとてもステキに見えてきたべぇ♡」

いつもタツオ:「モプコちゃん。君の様に吾輩の値打ちに気が付く子は、この学院には見当たらなかった...。出会ったばかりだけど、これは君からの求愛行動だと先生は認識した。もう嘘だとは言わせない♡チューッ」

ナメック・ジロー「タツオ先生。軽率な行動は止めといた方が身の為ですよ」

いつもタツオ:「なんだジローいたのか。君は存在感なさ過ぎるんだよ」

ナメック・ジロー:「いやぁだって、さっきからいらっしゃってますよ。先生の奥様」

いつもタツオ:「ん?何言ってるのか意味がわからない」



※今日の授業はここで終わり。ここから先はグロテスクな描写がある為、見たくない人はここまで。(2時間目はこちら)
先に進む勇気ある人は、ゆっくりとスクロールしていってね。






























いつもタツオ:「ギャッ!!」

恐妻・デスボイス:「随分と楽しそうじゃな〜い♡」

いつもタツオ:「ヒャメテー!!!」





いつもタツオ:「お願いだから命だけは!」

恐妻・デスボイス:「袈裟切りかぁ...千切りかぁ...細切りかぁ...みじん切りもいいわねぇ♡」

いつもタツオ:「たーすけてー!!!」


ナメック・ジロー:「奥様!今日は近所のスーパーで豚肉の特売がありますよ。早くしないと無くなっちゃう!!」

恐妻・デスボイス:「うっそぉ♡早く現実世界に戻らなくっちゃ!!」

いつもタツオ:「ジロー!助かったぞ。良くそんな事を覚えてたなー!」

ナメック・ジロー:「フフッ。何をおっしゃいますか。デタラメに決まっているでしょう。ついさっき偉そうに他人に利のある嘘を語っていたくせに、嘘も方便ですよ。奥様が何に執着するのか、忘れたんですか?」

いつもタツオ:「あの状況下で冷静に嘘を考えられる君が、ある意味で恐ろしいよ.....」

-つづく-


最後まで読んでくれてありがとう。この続き2時間目はこちら
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