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東野圭吾『希望の糸』

こんなにハラハラ・ドキドキした小説は久しぶり!
そして、圧巻のラスト。

本当は1日で読んでしまいたい衝動を抑えて、
じっくりじっくり読み進めた。

さすが、東野圭吾!
殺人事件も起こるけど、軸は殺人事件じゃない。
主人公は刑事なのに!です。
すごい。プロット。秀逸!いつも以上にそういうところで感動していた私。

なにをいう、私は東野圭吾先生の文章を尊敬している。
万人に受け入れられ、リズムもよい、それでいて心地よく情景が浮かぶ。
はぁー-すてき。そんな風に思っている。


読む人にとって、いろんな受け取り方ができる、それが読書。
文字だけで紡ぎだされる世界観。

どんなことに希望を感じて、
どんなことにご縁という糸を感じて
なにを大切に生きていくか。

そんな風に感じた小説でした。


私が印象に残った言葉は、
ネタばれになるので詳しくは言えないんだけど

芳原亜矢子の言葉。
「お母さんのおかげで、この世に生まれてこれた。生まれてきて、よかったと思ってる。きちんと後悔のない人生を送れている」

お母さんに感謝している言葉なんだけど、
「生まれてきて、よかった」
「きちんと」後悔のない人生を送れている

すごく、言葉の選択にうならされて
深い感動がきました。

生んでくれてありがとうじゃなくて、
生まれてきて、よかった

後悔のない人生じゃなくて
きちんと後悔のない人生


ちょっとしたニュアンスなのに
すごい受け取り方も変わってくる。


久しぶりに感動したお話でした。
文庫本で450ページ超えとは思えないテンポと
さすがの東野圭吾の構成で
あっという間の読書時間でした。

あーたのしかった。
今回もありがとうございました

この小説を読んで一言
「あなたの会いたい人は誰ですか?」

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