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健康寿命を伸ばしたい。古い物の再発掘。

人間年を重ねると未来を語らず、ついつい古い思い出話しをしてしまう。その結果として若い人と話しが合わない。そういう声を結構聞きます。
確かに昔の自慢話しは若い人も敬遠しがちだと思いますが、意外と古い経験の話しをすると喜んでくれると思います。
私は昭和だ令和だという表現は好きではないんです。昭和だろうが令和だろうが良いものは良い、悪いものは悪いと思っています。
若い人も昭和の話しは好きな人多いですよ。
そんな中、定年を迎え、30年前に夢中になっていた事をあらためてやってみて熱中してしまった70代の男性の方のお話です。

外国人でごった返す秋葉原電気街を2.3横に入ったパソコン店に昔懐かしいTVゲームソフトの販売をしている一角があった。私の学生の頃はまさにファミコンブームで、私も例に漏れずTVゲームに夢中になっていた。私の家はそこまで裕福ではなかったため、ゲームソフトはあまり買ってもらえず、大人になった今秋葉原にたまに来ては懐かしいゲームソフトを1.2本買っていた。
その日も何気なく秋葉原電気街を2.3横に入ったパソコン店に行き昔懐かしのゲームソフトを眺めていると、70代初めと思われる方が真剣にゲームソフトを見ていた。
「ずいぶん熱心に見ていらっしゃいますね。」
 私が声をかけると少し驚いた様子だったが、怪しいものではないと分かると彼はにこやかに言った。
「えぇ、昔ゲームを良くしていたんです、ただ当時は忙しくて中途半端にやめてしまったものばかりで、定年を迎え時間ができたものですから、途中で辞めてしまったゲームをやり直してみょうかなと思ったんです。」
「私もです。意外と難しいんですよね。私もほとんど最後まで終わったことないんです、結構途中で辞めてました。」
私の言葉に彼はわかりますよとばかりに頷いた。
「大人でも意外と難しいんですが、頭の体操になって良いですよ。」
と笑顔で私に言った。
「ただTVを私一人で占領するわけにはいかないので時間を決めてやっています。ただどうしても続きをしたい時は女房が寝た後コッソリ起きてやってます。子供と同じですね。」
「そうなんですか。今は何をしてるんですか?」
「自分が探偵になって物語を解いていくタイプのゲームが好きですね。後歴史物のゲームもやります。歴史物のゲームをすると、その時代の事を知りたくなったりして、図書館に行って、その時代の事を調べたりしてます。」
「趣味が広がって良いですね。」
「そうですね。定年を迎え時間が出来た今、若い時忙しくて出来なかった事をユックリユックリですが片付けていこうと思います。昔の再発掘をしているんです。」
「再発掘、いい言葉ですね。良いお話をお聞きしました。私もちょくちょくここに来ますが、またお逢いするかもしれませんが、その時は宜しくお願いします。」
「こちらこそ。では。」
私は彼と笑顔で別れ、店を出た。
70代初めと思われる方は、もう少しゲームを見てからと、ユックリ店内を見て回った。
あれから、月一、二回のペースで秋葉原電気街を2.3横に入ったパソコン店にある昔懐かしいTVゲームソフトの販売をしている一角に行くのだが、この前、久々に70代初めと思われる方に逢った。
挨拶を交わし、最近の近況を少し伺ったところ。
ゲームを通じて孫との会話が増えた。と喜んでいた。
「孫も小学生高学年になり、習い事やら何やらで忙しそうです。帰りなんか父親より遅い時もあるくらいでかわいそうになります、私と一緒にいる時位ユックリしてほしい。古いゲームですが孫は楽しそうにやります。古い物でも面白いものは沢山ありますよ。」
私もその通りだと思う。
古い物の再発掘を私もしてみようと思う。

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