ジョゼフ・ニーダムはヘーゲルに於けるライプニッツの影響を強調している。

 「弁証法は、もちろんマルクス、エンゲルスが大成をしたわけですが、マルクス、エンゲルスは、ヘーゲルに非常に多くを拠っている。ヘーゲルがどこに拠っているかを突止めていくと、ライプニッツです。ではライプニッツ以前に、いったいどこに始祖があったかというと、これはどこへつなげていいかわからない。プロティノスにそのつながりを求める人もいますけれども、私はやはり、ライプニッツが、中国から帰ってきたイエズス会の神父たちと非常に密接な関係があったこと、そしてその神父たちから、たとえば中国の伝統思想のなかにある理とか気などの話をたくさん聞かされたということを理解しないと、説明がつかないのではないかと思っています。」(座談会「中国の思想と科学」J. ニーダム、市井三郎、山田慶児『世界』一九七一年一一月号) 小野二郎『ユートピアンの発語訓練』より孫引き。



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