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it | 「それ」と訳さないときで、寒さ暖かさを表すなど

中学一年のときに、it を「それ」と学習します。しかし、学年が進むと、「それ」と訳さない it が出てきます。英語の学習では、このように、以前に学習した内容を理解し直したり、修正することが必要になるときがあります。

まさにスマホのアップデートのように、学習内容を改良することが大切になります。

例文を通じて見てみます。中学二年生くらいの内容です。

【例文】
It will be warm tommorow.
「明日、温かくなるでしょう。」

未来を表す助動詞 will が使われています。この助動詞を意識し過ぎて、つい It を「それ」と訳してしまうと減点になってしまいます。

この it は天候や気候などを表す形式主語で、「何も訳をつけない」というものです。形の上で、文の主語が必要になるので、形式的に主語として it と書いています。

細かいルーツを私は知りませんが、この「それ」と訳をつけない it には注意しておいた方が良いかと思います。

warm(暖かい)というのは、気候に関連する言葉です。そのため、先ほどの例文は、形式主語の it ということになります。

明日 (tomorrow) という未来を表す語句がついているので、単純未来の will が使われていて、「warm(暖かい)という状態になるでしょう」という意味になっています。

関連する項目で一気に押さえる

なかなか英語の非ネイティブが、「どういうときに形式主語の it を使うのがふさわしいか」ということを判断するのは難しいものがあります。

そこで、私が学生のときに勉強した方法が、「形式主語の it が使われる典型的な例をさらった押さえておく」ということです。

凝り過ぎると大変なので、平易な例文で押さえておきます。

・距離を表す it
How far is it from Ibaragi to Wakayama?
「茨城県から和歌山県まで、どれくらいの距離がありますか。」

How far ~? は、距離を尋ねるときに使う言い方です。ちょうど「それ」と訳さない it が使われているので、一緒に押さえておくと良いかと思います。

・時間を表す it
It is eight now.
「今、8時です。」

これは、中学一年で出てきそうな例文です。この時間を表す it も「それ」と訳をしないタイプになります。

基本を押さえると応用できる

it には、「それ」と訳をつけないときがあるということを学習しました。この応用として、高校の英語で出てくる大学受験頻出の熟語を見てみます。

応用なので、次の知識を合わせて用いて考えます。

「not は後ろにくる内容を否定する」という知識も使います。

【高校の熟語】
It will not be long before SV ~.
「まもなくSV~するでしょう。」

長いので、そのまま覚えるのが大変かもしれません。そこで、この記事に書いた内容を統合して、覚えやすいように思考してみます。

before SV ~「SV~する前に」という意味です。
It will not be long は「時間的な長さ」についての内容なので、「それ」と訳さない it です。

not は後ろの long(長い)を否定するので、「時間的に長くない」ということです。
→ 「時間的に長くない」ということをシンプルな日本語にすると「まもなく」ということです。

これらの内容をつなぎ合わせると、
「SV~する前に、時間的に、長くない」
SV~するよりも前に、長い時間が無いということなので、「まもなく SV ~するでしょう」という意味と考えます。

このように、敢えて内容を考えてみることで、熟語が覚えやすくなるときもあります。

とはいえ、非ネイティブの方にとって、どの英熟語も考えて分かるとは限らないかと思います。

私は、考えても、どうしてそのような意味になるのか分からないものは、すぐにそのまま覚えるようにしていました。

文法的な理解にこだわり過ぎると先に進めないときには、そのまま「例文を通じて」、こんなときに使う熟語かということを覚えるようにしていました。

基本的に、どうしてそんな意味になるのか分からないからこそ、熟語として覚えると思っておき、覚えなくても自然と意味が考えられるものについては、そのまま身につければと思う次第です。

関連する内容として、ここからは、不定詞と形式主語の it についてです。

名詞的用法の不定詞の固まりが、主語になっているときに、形式主語のitを使って、表すことについて説明します。

<例文>
To read this book is important.
「この本を読むことは重要です。」

「To read this book」という不定詞の名詞的用法の固まりが、英文の主語となっています。
※名詞的用法なので、「読むこと」という意味になっています。

このときに、「To read this book」を形式主語のitを使って表すことができます。

次のようになります。

形式主語itを使った文と名詞的用法

It is important to read this book.
「この本を読むことは重要です。」

意味は同じです。まずItが書いてありますが、形式主語のitは「それ」とは訳さず「不定詞の固まりのこと」と考えます。

英文の作り方としては、まずItを主語の位置に書きます。

そして、不定詞の固まりは英文の最後に置きます。

高校の文法風に詳しく

まとめると次の図のようになります。

英語を学び直したりするときに、基本5文型のことを認識しておくと、英文の構造が分かるので、気持ちが楽になります。

To read this book(S)
is(V)
important(C).

第二文型です。第二文型でbe動詞を動詞Vとして使ったときの意味は、「SはCである」です。

この主語Sが不定詞の固まりのときに、ItをSの位置に置き、不定詞toの固まりを文末に置きます。

It(S) is(V) important(C) [to read this book].

これで、形式主語itについての説明を終了します。

関連記事として、5つの文型についてそれぞれまとめています。(2021年の2月)

高校英語の基本5文型は、名前の通り基本になるので、すぐに復習しやすいように、まとめています。この5文型の使い方として、英語学習をするときに、よく分からない英文に遭遇したら、英文の構成要素に分けて、分からない原因を探すことができます。

また、フレーズについて、覚えなくても基本5文型を理解していると自然と内容が分かり、使えるものもあります。そのため、暗記量を減らすことにも役立ちます。

動詞で2つに大別

基本5文型に現れる動詞は、自動詞と他動詞に分かれます。自動詞は目的語Oをとらない動詞です。一方、他動詞は必ず目的語Oをとります。 そこで、自動詞についての文型と、他動詞についての文型に分けて5文型を大別します。

中学英語の不定詞の大きなくくりに、名詞的用法・副詞的用法・形容詞的用法があります。この記事では、気軽にこれら3つの用法を網羅的に通れます。

名詞的用法 名詞的用法は不定詞の固まりが文の中で1つの名詞として働きます。
[例文] I like 『to play soccer』.
私は『サッカーをすること』が好きです。

[解説]
他動詞like「~が好きです」の~の部分に名詞として不定詞が置かれています。


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