私の2023年度

 あと数日で今年度も終わり、ということでこの1年を振り返ってみると、割といろいろ頑張ったような気がしますし、一方でぜんぜんだなという気もしていますし、どうなんでしょう?

 まとまった文章としては、『ユリイカ』2023年5月号(青土社)のフィメールラップ特集で「Tha 女子会 Is Hot——フィメールをレップするラップについて」、『日本歴史』2024年1月号(吉川弘文館)の「遊びの日本史」特集に「少女マンガ様式と遊びとしての描くこと―「スタイル画」と読者投稿―」を書いたりしました。
 前者は「そもそも”フィメール”という言葉で括りだすことにどういう意義があるんだろうか。今」という疑問が出発点で、きっとみんなその疑問に取り組んでいるに違いないと思ったのだけど、意外とそこにこだわった話をしていたのは自分だけだった。まあ、景気よく衒いなくエロいラップが好きなのでそういう曲の話をしたかったという話ではある。
 後者は、近頃やはり鶴見俊輔のことを考えないといけないのではないかと思っていて、そのことは自分にとって重要なテーマである少女マンガの表現史とキャラクター論の架け橋になるんじゃないかという感触があるからなのだが、そういう関心に少し踏み込んで書いたのだった。


 その他、大きかった仕事は日本マンガ学会の大会運営である。
 本来は2020年に私の本務校である相模女子大学で開催予定だったのだが、コロナ禍で中止となったのだった。そして今年度あらためて、というわけである。
 シンポジウムのテーマは「再検討・「少女マンガ」史」。
 自分としてもぜひ実現したかった企画なので、感慨も大きかった…と言いたいところだが、とにかく目まぐるしい忙しさで感慨にふける余裕もなかったというのが実際である。やりきった感じもあるが、至らないところも多く、いろいろと悔しい気持ちもああったりするのだけど、できてよかったなと思う。

 シンポジウムの背景にあるのは、『少女マンガはどこからきたの?: 「少女マンガを語る会」全記録』(青土社)の刊行が大きい。「語る会」からその記録の刊行に至るまでの経緯、そして「語る会」を通して見えてくる少女マンガの歴史については、私が聞き手となってヤマダトモコさんへのインタビューも行っていて、こちらも今年公開されている。


 その他だと、メディアにでる仕事をこれまでになくいろいろやったのも今年度のチャレンジという気がする。
 ひとつはDOMMUNE出演。マジか!という感じである。
 テーマが「『AWESOME CREATIVE HISTORY OF YANMAR』 ~アニメーションからミューラルまで ヤンマー視覚表現64年史」。マジか!という感じである。楽しかった。
 日本語ラップの人的つながりで面識があったダースレイダーさん、SNSでは親しくさせていただいているけれど直にお会いするのはお初だった前Qさんと仕事できたのもなんか良かったです。

 そしてテレビ!
 東京MXの「小峠英二のなんて美だ!」の少女マンガがテーマの回に出演しました。
 少女マンガの歴史についてこういう感じで(つまり50、60年代を大きく扱って「恋愛」が主要なテーマになるまので紆余曲折に触れた)取り上げた番組ってそんなになかったんじゃないかと思います。
 こちらの考えや意見をしっかり汲んでくださった番組スタッフのみなさんには非常に感謝です。いい番組!
 まいた菜緒先生、『ちゃお』編集部の方々にお会いできたのも嬉しかった。まいた先生の『シャイニング!』は回を重ねるごとに面白く、とくに本誌連載の最新回はすごかったです。

 その他、ラジオにも出たりしました。
 メディア出演、それほど積極的ではないけれど意外となんとかなったなという感じなので、あまり敬遠せずにいようかなと思ったり。

 そして、今年度の仕事?で一番意外というか「そういう回あるんだ?」となたのがOMSBさんのアルバムへのコーラスでの参加。しかも夫婦で。マジだ?ってやつです。
 参加された面々を見ると、オムスくんの人付き合いが反映されている感じがあって、そういうところに呼んでもらえたの単純にすごく嬉しい。レコーデイングの思い出も含めて宝物です。

 
 さて、来年度はサバティカル。科研もとれたしやるしかねえ!!

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