衣笠

追悼 衣笠祥雄氏

若輩者にて衣笠氏の現役時代を目の当たりにしたわけではないが、彼の残した成績を見て、あらためて傑出したプレイヤーだったのだという認識を深めた。私の尊敬する野球コラムニスト、広尾晃氏が指摘するように、広島カープの衣笠祥雄&山本浩二は、王貞治&長嶋茂雄の”ON”に匹敵する、プロ野球屈指の最強コンビだった。

参考に、広尾氏はONコンビの年度別成績も挙げている。

ONの記録は空前絶後。開いた口が塞がらない。しかし、衣笠&山本はコンビ継続期間でONの上をゆく。かつ2000試合、2000本安打、500本塁打、1400打点、200盗塁をともに達成。こちらも尋常じゃない。すさまじい成績だ。

「鉄人」と呼ばれた衣笠氏はもちろん、山本氏も丈夫な選手で、ふたりとも試合を休まない。そして並の選手なら力が衰え始める30代半ばで、揃って成績を向上させているのが非常に珍しい。山本氏のキャリアハイは34歳、衣笠氏にいたっては37歳である。さらに、なにげに200盗塁を記録しているのも面白い。ふたりともパワーとスピードを併せ持っていたのだ。

また、法政大学のスター選手でエリート街道を歩み、体格にも恵まれた山本氏と、入団当初は小柄で地味、叩き上げの衣笠氏が、同時期に広島カープの看板選手となる、という対比にドラマを感じる。ぐっとくる。

カープは資金力に乏しいために、他の球団から有力選手を引き抜くことができない。ゆえに生え抜きの選手を大切に育てて戦う球団だが、こういう偉大な先達がいたからこそ、今のチームカラーがあるのだとも思える。合掌。


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