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これは猿の惑星なのかキングダムなのかディープフェイク時代の最新作

先日、「猿の惑星」シリーズ最新作『猿の惑星/キングダム』から最新の予告編が公開されました。
 
アメリカでは第58回スーパーボウルの放送にあわせて公開された予告編では、かつて繁栄を極めた人類文明が、いまや変わり果ててしまったこと、つまり猿の惑星になったことが語られようです。
 
公式の概要によるとストーリーのアウトラインはおおよそ、次のような話のようです。
 
シーザーによる理性から数世代後の舞台。
 
猿は調和の中に生きる支配的な種となっており、人間はその陰で暮らすことを余儀なくされている。
 
だがしかし、この新たな王国で、すべての猿が同じ考えを持っているわけではないようだ。
 
1匹の若い猿は、過去について知っていることすべてに疑問を感じ、猿と人類の未来を決める選択となる痛ましい旅を経験することになる。
 
今回は、なぜかリメイク続編最新作が作られることの多い「猿の惑星」シリーズについて少しだけ考えてみます。
 
では、Planet of the Apesへの旅をはじめましょう。



出典:IMDB
「Kingdom of the Planet of the Apes」

意外と多い猿の惑星シリーズは人気なのか?


最新作の『猿の惑星/キングダム』は2024年5月10日に全米公開。日本では初夏の公開が予定されています。
 
タイトルでもツッコでいる通り、アメリカ版はさておき日本でのプロモーションは、かなり「キングダム」などの最近の流行に寄せていると感じるのは私だけでしょうか。
 
近年のシリーズは2011年の『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』で再始動。2014年には『猿の惑星:新世紀(ライジング)』が、2017年には『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』が製作され、シーザー三部作を締めくくった。『猿の惑星/キングダム』はそれから300年後が舞台になると伝えられています。
 
現段階では、最新作のキングダムが前3作とどのようにつながるのかはまだわからないそうです。
 
およそ3年ペースで公開されていることから考えても、各作品ともあれだけのCGを動かして、アクションさせて、と考えると製作期間の3年はあっという間のような気がします。(CGについては素人考えなのですので、あしからず)

出典:IMDB
「猿の惑星(1968)」

さらに多いシリーズから見る、みんなのサル好き?


1968年公開の記念すべき第一作の猿の惑星 (Planet of the Apes, 1968)。猿の惑星は、映画史に名を刻んだSF作品であり、その興行成績も注目に値する点があります。それは日本で当たった!今風の言葉で言うと日本でバズったのです。
 
当時の初代「猿の惑星」興行成績を見てみましょう。
 
日本興収 2.8 億円に対して、世界興収 0.32 億ドルだそうです。
 
以下に、シリーズの主要な作品とその興行収入を紹介します。
 
旧シリーズ(1968年から1973年まで)
猿の惑星 (Planet of the Apes, 1968): 日本興収 2.8 億円、世界興収 0.32 億ドル
続・猿の惑星 (Beneath the Planet of the Apes, 1970)
新・猿の惑星 (Escape from the Planet of the Apes, 1971)
猿の惑星・征服 (Conquest of the Planet of the Apes, 1972)
最後の猿の惑星 (Battle for the Planet of the Apes, 1973)
リブート版シリーズ(2001年から2017年まで)
PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001): 日本興収 48.0 億円、世界興収 3.62 億ドル
猿の惑星 創世記 ジェネシス (2011): 日本興収 24.2 億円、世界興収 4.81 億ドル
猿の惑星 新世紀 ライジング (2014): 日本興収 14.2 億円、世界興収 7.10 億ドル
猿の惑星 聖戦記 グレート・ウォー (2017): 日本興収 6.0 億円、世界興収 4.90 億ドル
新トリロジー三部作
猿の惑星 キングダム (2024): まだ公開されていない作品です。
 
ということで、今ここです。このシリーズの成績を見てもなぜか日本だけが興行成績が良いということが推察されるのではないでしょうか。


出典:IMDB
「猿の惑星(1968)」

猿の惑星はフランチャイズ展開だった


1968年に映画化された初代『猿の惑星』は、批評家や商業者の間で大ヒットし、一連の続編やタイアップ、派生作品が生まれました。映画プロデユーサーのアーサー・P・ジェイコブス氏は、APJACプロダクションを通じて『猿の惑星』の第1作から第5作までを20世紀フォックスの配給で製作したが、1973年にジェイコブスが亡くなってからは、フォックスがフランチャイズを管理しているそうです。
 
ちなみに、アーサー・P・ジェイコブス氏は『ドリトル先生不思議な旅』などを手がけた
敏腕プロデユーサーのようですが、1973年に51歳の若さでお亡くなりになられているようです。


出典:IMDB
「PLANET OF THE APES」

リブート版が作られるのはクリエイターにも人気だからなのか


前の項目の興行成績表の後半に、リブート版シリーズ(2001年から2017年まで)とありますが、私個人としては旧作をDVDで見た以外では、映画館できちんと観たのは2001年公開の「PLANET OF THE APES 猿の惑星」だったように思います。
 
「シザーハンズ」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」「バットマン・リターンズ」「チャーリーとチョコレート工場」等を手掛けた鬼才ティム・バートンが監督をした事でも当時話題になりました。
 
個人的には、ティム・バートン監督作品は「エド・ウッド」という「史上最低の映画監督」と言われた映画監督エド・ウッドを題材にした1994年の白黒映画が好きです。

出典:IMBD
「Ed Wood」

製作当時の取材でティム・バートン監督は次のように答えています。

「私はリメイクや続編を作ることに興味はありません。しかし、私は多くの人と同様に『猿の惑星』に影響を受けました。私はリ・イマジネーションすることに興味を抱きました」

このようにティム・バートン版の「猿の惑星」は、監督のいわゆるオタク的な映画愛を感じられる作品の一つでもあります。
 
撮影場所には第1作の撮影が行われたパウエル湖でも行われたそうです。そして、当時の台本には秘密保持のため、結末が書かれていなかったと言われています。
 
製作の20世紀フォックスは猿の顔をCG合成することを提案したが、バートンはベイカーの特殊メイクを使用することを主張したという逸話も残っています。
 
映画には第1作に出演したヘストンとリンダ・ハリソンがカメオ出演していることもファンの間では話題になりました。

出典:IMDB
「猿の惑星(1968)」

「猿の惑星」指示され続けるわけ


結論、「猿の惑星」が時代を超えて指示され続ける理由は今回の記事だけでは語り尽くせません。

ひとつは、作品が隠喩するイメージの強烈さ、言い換えると作品内での基本的な思想やモチーフが「逆転の発想」に基づいているからだと個人的には考えます。

第一作で歯、猿に支配された黄色人種たちがサルに使われていた捕虜だったはずが「人生の逆転」のために戦いを繰り広げます。

そもそも猿が人間を支配するといった発想が「逆転の発想」そのものとも言えます。

そして、初代第一作での有名すぎるラストシーンについても最後に触れておかねばなりません。

改めて、1968年版のあらすじを簡単にまとめると、「猿の惑星」は、「猿が人間を支配する未知の惑星で繰り広げられる物語」です。

以下は、映画「猿の惑星」のあらすじで、ネタバレを含みます。

1、起:

1隻の宇宙船が旅を続けています。船長のテイラーは航海日誌を書き終え、他の3人と同様に人工冬眠に入ります。地球を後にしてから6ヶ月が経過していましたが、光速を超える航行スピードのため、地球では700年もの年月が過ぎ去ったはずです。宇宙船はある惑星に着陸し、冬眠装置の不調のため乗組員の1人が死亡していました。テイラーたちは外に出ると、宇宙船は沈んでいきます。

2、承:

テイラー、ドッジ、ランドンの3人は岸に上がり、探検を始めます。生き物の姿は見当たりませんが、知的生命体がいる可能性が高いようです。犯人は人間そっくりの姿をした生物たちでした。彼らに敵意がないのに安心するテイラーたちですが、別の生物が現れます。それは馬にまたがっている猿の集団でした。

3,転:

猿たちに追われ、3人は必死に逃げます。ドッジは射殺され、ランドンは行方不明になり、テイラーは弾が当たって失神します。猿のコミュニティーに連れて行かれたテイラーは、科学者の猿たちに知能があることを知られ、人間研究の対象になります。

4,結末:

テイラーは猿社会の安定を重んじるリーダーとの対立を深め、猿の世界を離れて未知の土地へ旅立ちます。そこで驚くべきものを発見します。それは砂に埋まった自由の女神像であり、その惑星は文明の滅亡した地球だったのです。

このラストシーンが昔見た頃からかなり強烈に印象に残っています。映画ならではの魅力の一つだと言ってもいいのではないでしょうか。

この映画は、猿が人間を支配するという斬新な発想と、驚きに満ちたストーリーで多くの観客を魅了し、その後のシリーズへの第一歩となりました。

皆さんも、猿に支配されないように、または、AIやディープフェイク、最新のデジタル技術やDX化、はたまた、未知のウィルスなどに支配されないように、ご自身の今後の人生の予防として一度「猿の惑星」を観てみるのもよいのではないでしょうか。

おそらく旧作だけではなく最新作のキングダムでも、これまでのシリーズ同様、文明の崩壊や環境問題が取り扱われるかもしれませんし、支配者と種族の権力と支配についても描かれると思います。

同様にその支配からの自由と抵抗も描かれるかもしれません。人権(猿権)と自由の重要性を説くメッセージも込められているのではないでしょうか。

きっと、人間性、環境、権力、自由などのテーマを探求し、私たち観客に深い考えを促してくれることでしょう。

時には猿になった気持ちで、映画を観てみるのも良いかもしれません。

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