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「話しづらい話をしようの会」開催後報告

先日、「話しづらい話をしようの会」が行われました。

通常のワレモロでは、「演じる」ことがメインとなっていますが、一般の方にとって「演じる」という行為は相当ハードルが高いことなので、

「演じないワレモロ」も、やってみよう。

ということになったのです。

そして「1日限りの出会いだからこそ、話せることもあるのでは」という面に特化して、匿名性を上げるために、

「サングラスやアイマスクなどで顔を隠すこともできます」

という形を取りました。
これは、40%くらい冗談、、というか思いつきでした。

「フランケンとかのマスクをかぶって、深刻な話したら面白そう」

みたいなイメージがあったので、深刻な話も深刻じゃなくなる、
そんな効果を予想していました。

そして当日になって大急ぎでマスクを街中探したのですが、
100均で「Happy Birthday!!」という立体的な飾りのついた、陽気すぎるサングラスしか用意できませんでした。

ほんとこれ。

が、結果的にこれが本日の主役となります。

会が始まり、みんなで軽い日常会話から、人生のトラウマや家族との問題、人間関係の悩みなど、多岐にわたる話題があがっていきました。

この日、特に印象的だったのは、「父と息子」の関係についての話。

これにより、他の参加者たちも自身の経験と重ね合わせながら、結果的にほぼ全員が「父親との問題」を抱えていることが明らかになりました。

そのことも含めて、それぞれがそれぞれの人生に、新たな視点を得ることができたように思います。

「世の父は、なぜこうも意地っ張りなのか。」
という話に。皆さんのお父さん、全然謝らないんですって。なぜだ!笑

また、意外なことに、

サングラス、めっちゃ効いてるやん!!

と感じる瞬間が、多々ありました。

サングラスをかけることで、参加者たちは自分の顔を隠しつつ、より自由に、より深く話をすることができたのです。

サングラスは単なるアクセサリー以上の役割を果たしました。

会の後、ほとんどの参加者さんたちが
「サングラスがあることで話しやすかったし、人の話も聞きやすかった」
と言っていました。

私たちの「目」は、私たちの感情や思考を表す部分です。

その「目」や「目の周りの表情」がサングラスによって隠されることで、参加者は自分の弱さや脆さを露わにすることに対する恐れを軽減できたみたいです。

このことでみんな、話の内容により集中し、深く個人的な話題にも踏み込むことができたとのこと。

特に、家族問題や過去のトラウマについて話す際、サングラスは一種の保護シールドのような役割を果たしました。

一見、目元が隠れることで、参加者同士に距離が生まれるように感じます。

だけど実際には、それが逆に心理的な安全性を生み、コミュニケーション自体はオープンなものになったのです。

結果的にはかなりお互いの心理的距離が縮んだように思います。

聞き手としても、通常は(サングラスなしでは)お互いが見えているので、
「あなたの話を聞いていますよ」
という態度を取り続ける必要があります。

頷いたり、「話し手の目や表情をしっかり見ている」という態度も継続しなければなりませんが、これもまた、サングラスによって無効化され、お互いがお互いを見ずに話すことが自然なことになります。

そのことで、話し手も聞き手も、
「話の内容」に集中できるようになったようです。

なるべく楽に自分の身に起きたことを話し合える環境づくりというのは、以前から意識してましたが、サングラス一つで、しかも「Happy Birthday」とか書いてある、パーティー仕様のサングラスで、ここまで心理状態が変わるのか、というのは大きな発見でした。

加えて、「演じなくてもいい」という条件も、参加者からは「気楽に参加できる」と好評でした。

この条件も、サングラス着用と同様に、次回以降もまた採用していきたいです。

夕方からの「お金の話限定」の回では、参加者全員が度肝を抜かれるエピソードがあり、大いに盛り上がりました。

内容は企画の性質上、書けませんが、ワレモロの公演にしても良いくらい、めちゃくちゃな大波乱のストーリーで、動くお金の額もすごいものでした。

その流れから、「借金」「投資」「稼ぎ方」などの話になり、上は40代、下は20代の年齢差から生まれる、「お金の捉え方のギャップ」などが話し合われ、そこでも多くの発見がありました。

皆一様に会のスタート時には、お金について話すことに抵抗がありましたが、その苦手意識自体についても話すことができて、そこからやがて、それぞれのお金事情や体験を話し合ったことで、「お金について話す」ことへの心理的ハードルを下げられました。

笑いながら、それぞれの体験を共有しながら、お金の話も気軽にできるという、なかなか貴重な場が出来上がったと思います。

「死」「宗教」「政治」と並んで、公の場で話題にしづらい「お金」について。

だけど、誰もが人生の中で体験し、その知識があるかないかだけで、とんでもない悲劇を生んでしまったりするのも「お金」です。

誰もお金に無関係なまま生きることはできないのに、話題にできないなんて不自由すぎますよね。

この会は、定期的に継続していけたらと思いました。

こんな感じで、ワレモロを演劇だけでなく、もっと開かれた方向に、応用していこうと思います。

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