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【葬送のフリーレン】魔法について:精神魔法②

漫画「葬送のフリーレン」では、様々な魔法が登場します。

本記事では、本作品に登場する精神魔法について、関連する記述や描写を用いて考察していきたいと思います。

なお、議論は人類の魔法が中心であるため、女神様の魔法や魔物・魔族の魔法には、当てはまらない箇所もあることをご留意下さい。

本記事は以下リンクの続きになりますので、ぜひご確認下さい。


対象は単行本全13巻127話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。



精神魔法の具体例

記憶の抽出・譲渡・解析

特に具体的な魔法名の記述はありませんが、作中にて記憶を抽出・譲渡・解析する魔法が登場します。

・発動条件

確定ではありませんが、人類の魔法使いが記憶を抽出・譲渡する際は、対象に手を触れて行う必要がありそうです。

記憶を抽出する時に対象の手を触れる 第9巻121ページ
記憶を譲渡する時に対象の手を触れる 第8巻187ページ

ただし、魔物である水鏡の悪魔が複製体を作成するために、対象の記憶を抽出する際には、対象に直接触れる必要はないので、発動条件は一定ではありません。

水鏡の悪魔が記憶を抽出する時は対象に触れていない 第6巻41ページ

記憶の解析については、特に発動条件はありませんが、精神魔法に不慣れな人が行うと、魔力リソースをたくさん使い、まともに動けなくなるため、周りで世話をしてくれる人が必要になります。

記憶を解析する時にまともに動けなくなる場合がある 第10巻113ページ


・魔法の効果

戦闘の観点での主な魔法の効果は、過去の記憶から相手の弱点などを学習できることです。

また記憶の細かい解析により、直接体験していない魔法を観測できるので、万物を黄金に変える魔法を始めとした、原理のわからない魔法の対処法を編み出すことができます。

記憶の解析により直接体験していない魔法を観測できる 第10巻189ページ


・主な対抗手段

精神防御の術式を構築しているフリーレンも、水鏡の悪魔にあっさり記憶を抽出されているので、現時点での対抗手段は無いと思われます。

逆に考えると、記憶の抽出は精神"操作"魔法ではないと言えます。

精神防御の術式を構築しているフリーレン 第6巻60ページ


・主な使用者

エーデルは人間でありながら、魔族のマハトの記憶を抽出することができることから、大陸魔法協会に所属している魔法使いの中では、エーデルが最も優れた使用者だと考えられます。

エーデルは凄い精神魔法の使い手 第9巻149ページ

他に魔法を使用した描写があるのは、フリーレンとデンケンです。

フリーレンとデンケンも記憶の譲渡や解析ができる 第9巻179ページ

魔物・魔族の中では、上述した水鏡の悪魔に加え、後述しますが幻影鬼と奇跡のグラオザームも、記憶を抽出する魔法の使用者です。


記憶の消去

上述した記憶の抽出・譲渡・解析の他に、作中では記憶を消去する魔法も登場します。

記憶の消去は明確に精神を改変しているので、精神操作魔法の一種だと考えられます。

作中では、奇跡のグラオザームが主な使用者です。

記憶を消去するグラオザーム 第10巻30ページ


魔法を譲渡する魔法

魔法を譲渡する魔法は、目的こそ自身の習得した魔法を他人に与えることですが、その過程で魔法の知識を消去し他人に譲渡しているので、記憶の譲渡と消去の合わせ技だと考えられます。

魔法を譲渡する魔法 第10巻167ページ

魔法を譲渡される側の発動条件は、魔法の知識が入った魔導書を読むことで、習得に百年かかる魔法でも、読めばすぐに使えるようになります。

魔導書を読めばすぐに魔法を使えるようになる 第10巻169ページ

作中では、ゼーリエが主な使用者です。


幻影魔法

対象に関係のある幻影を見せる幻影魔法も、作中で登場する精神魔法の一種です。

対象の精神に誤情報を流して、実際には無いものを見せるという意味では、精神操作魔法の一種とも言えます

・発動条件

発動条件について特に作中で言及はされていませんが、その魔法を使用する存在がある程度対象の近くにいないと発動しないようなので、魔法の効果範囲内に入ることが発動条件と言えます。

ある程度対象の近くにいることが発動条件 第2巻34ページ


・魔法の効果

対象に関連のある幻影を見せることで、その注意を引くことができます。

幻影を見せることで対象の注意を引く 第2巻35ページ

また、対象の記憶を読み取り、幻影を現実のものと区別がつかないようにすることで、対象の動きを完全に止めることができます。

対象の記憶を読み取り現実と区別がつかないようにする 第2巻36ページ


・主な対抗手段

幻影魔法の種類にも依りますが、幻影を現実のものと思わないことが基本的な対抗手段だと考えられます。

その上で、幻影鬼の作る幻影に関しては、それに対して高密度の魔力をぶつけることが主な対抗手段です。

幻影に高密度の魔力をぶつけることが対抗手段 第2巻32ページ


・主な使用者

作中では、幻影鬼と、後述しますが奇跡のグラオザームが主な使用者です。


楽園へと導く魔法

奇跡のグラオザームが使用する、楽園へと導く魔法は、上述の幻影魔法の一種です。

楽園へと導く魔法 第12巻187ページ

ただ幻影鬼の作る幻影よりも更に強力で、まず単なる過去の記憶の延長ではなく、決して叶わないと諦めた、幸せな夢の幻影を見せます

決して叶わないと諦めた幸せな夢の幻影を見せる 第12巻190ページ

また、幻影鬼は主に視覚と聴覚に誤情報を送るタイプの魔法でしたが、この魔法は五感・記憶・魔力探知にも誤情報を送って幻影を見せるタイプです。

五感・記憶・魔力探知にも誤情報を送る 第13巻10ページ

対抗手段としては、1つは精神防御の術式を構築しておくことです。

実際はその防御は破られてしまいましたが。

精神防御の術式を構築しておくことが対抗手段 第13巻10ページ

もう1つは、誤情報に惑わされず、研ぎ澄まされた感覚を信じて動くことです。

これで魔法を打開できるヒンメル凄すぎ。

研ぎ澄まされた感覚を信じて動くことが対抗手段 第13巻14ページ


認識阻害魔法

黄金郷を囲う結界に掛けられていた認識阻害魔法も、上述の幻影魔法に似た精神魔法だと考えられます。

幻影魔法との違いは目的で、幻影魔法は幻影を見せるために誤情報を送っているのに対し、認識阻害魔法は対象を見せないために誤情報を送っています。

認識阻害魔法 第9巻116ページ

魔法名はありませんが、グラオザームの姿を隠す魔法も、認識阻害魔法に近いものだと考えていて、以下の描写のように、勇者一行がグラオザームの姿を認識できていませんでした。

グラオザームの姿が認識できなかった勇者一行 第12巻186ページ


精神魔法の分類まとめ

上記では精神魔法の具体例を列挙しましたが、以下ではそれらの分類を整理してまとめました。

精神魔法の分類まとめ


まとめ

本記事では、本作品に登場する精神魔法について、関連する記述や描写を用いて考察しました。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。


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