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いわきFCの選手、スタッフのリアルな声をお届け。知っているようで意外と知らない彼らのパーソナリティを掘り下げていきます。
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困難への覚悟、その先に見える景色。監督・田村雄三その②【Voice特別編】

フリーライターの川端康生さんによる、田村雄三監督の特別インタビュー。第2回では、今につながるプロ入り後の気づき、そして監督という仕事について語ります。 取材・文/川端康生 ■特別なシーズンを経て気づいたこと。「いま(監督として)選手に『チャレンジしろ』とか言ってますけど、自分はチャレンジするところまでいってなかったかもしれません。 任されたことを100%、120%やります、というだけで、自分がこういう選手になりたいとか思ってなかったし、自分が成長してるのかどうかもまったく

困難への覚悟、その先に見える景色。監督・田村雄三その①【Voice特別編】

フリーライターの川端康生さんによる、田村雄三監督の特別インタビューを全2回でお届けします。第1回は、昨シーズンの監督再就任時の思い、そしてプロサッカー選手という夢に辿り着くまでの道のりについて語ります。 取材・文/川端康生 ■リスクを恐れず、逆境に身を投げ出せるか。 昨年シーズン半ばに監督を引き受けることになったとき、周囲の声は反対9割だったらしい。  下位に沈むチームを立て直すのはただでさえ難しい。もちろん時間的猶予もない。ましてS級ライセンスを持っての初仕事だ。万が

逆境が自分を動かす。MF永井颯太【Voice】

独特のリズムでボールを運び、決定的なチャンスを作り出すドリブラー。チームに数少ない、個で展開を変えられるゲームチェンジャー。MF永井颯太選手のこれまでとこれからについて、お話をうかがいます。 ■迷い、苦しんだ1週間。2023年10月8日、明治安田生命J2リーグ第38節・ベガルタ仙台戦。いわきFCは前半に先制したものの、徐々に仙台にペースをつかまれ、逆転を許してしまいます。そして、1対2のビハインドで迎えた66分のことでした。 「思い切りやってこい」 田村雄三監督はそう言

もう一度、求められる存在になる。FW有馬幸太郎【Voice】

鹿島アントラーズのユースで育ち、昨年いわきFCに加入。FWの中心選手として活躍する有馬幸太郎選手。彼のこれまでと今について、お話をうかがいます。 ■今の戦い方は、自分のよさを出せる。「試合前、アウェーゲームに駆けつけてくださったファンの皆さんに挨拶をした時、鳥肌が立ちました」 2023年明治安田生命J2リーグ第29節・アウェーのV・ファーレン長崎戦。負傷復帰からいきなりの先発起用となったこの試合を思い出し、有馬幸太郎選手は感慨深げにそう語ります。 長いリハビリを乗り越え

決めれば勝てる。ダメなら負ける。MF岩渕弘人②【Voice】

6月24日のJ2第22節・大宮アルディージャ戦で戦列復帰するや、すぐさま4試合連続ゴールを含む6点を挙げる大活躍。優れたサッカーセンスと抜群の得点感覚を誇る岩渕弘人選手。その成長と苦難の3年半についてお話をうかがいます。 ■「持っている」「運がいい」選手ではない。「素晴らしい選手がたくさんいる中で、7月度の2023明治安田生命JリーグKONAMI 月間MVP(J2)という名誉ある賞を受賞できたことを、とてもうれしく思います。そしてたくさんの方々に感謝したいです。大ケガから復

1対1にこだわる。どんな相手も跳ね返す。DF遠藤凌【Voice】

昨シーズン途中、アルビレックス新潟から期限付き移籍で加入。J3優勝とJ2昇格を支えた立役者であり、今季はセットプレーから2得点を挙げてチームの躍進を支えるDF陣のリーダー・遠藤凌選手にお話をうかがいます。 ■感じていたのは「1勝することの難しさ」。5月17日の水曜日に行われた、2023明治安田生命J2リーグ第16節・大宮アルディージャ戦。今季初めてホームでのナイター開催となったこの試合は、1対1の同点で後半に突入。迎えた後半14分のことでした。 敵陣でFKを得たいわきFC

もっと成長する。さらに上を目指す。DF家泉怜依【Voice】

昨季は新人ながらJ3リーグ全34試合中33試合に出場し、ベストイレブンに輝いた家泉怜依選手。戦いの場をJ2に移した今季もCBとして相手の攻撃を跳ね返し続ける守備の要に、お話をうかがいます。 ■フル出場を続ける守備の要。 昨季J3を制し、今季はJ2での飛躍が期待されるいわきFCですが、シーズン序盤はやや苦戦を強いられています。それでも大崩れすることなく、タフに戦い続けられている原動力が、遠藤凌選手と家泉怜依選手というCBコンビの安定感でしょう。中でも流通経済大から加入して2年

仲間とともに、サッカーにすべてを。FW有田稜【Voice】

現在15ゴールを挙げてJ3得点ランキング1位の有田稜選手。絶好調のゴールゲッターのこれまでと今、そしてこれからについて、お話をうかがいます。 ■チームのために戦うことが、ゴールにつながる。 この9月から10月にかけ、いわきFCはFC岐阜、カマタマーレ讃岐、ガイナーレ鳥取、アスルクラロ沼津、愛媛FCに5連勝。J2昇格そしてJ3優勝に向け、一気にスパートをかけたこの5試合で8ゴールを挙げたのが、FW有田稜選手です。 岐阜戦では、45分に先制ゴール。続く讃岐戦では終盤に2ゴー

求めるものは、もっと高い所にある。MF宮本英治【Voice】

今シーズン全試合に先発出場を続けるボランチ・宮本英治選手。2年目の今年は攻撃力に磨きをかけ、ここまで2ゴールを記録。中盤のダイナモとして攻守を支える宮本選手の、自信と野心にあふれたパーソナリティを紹介していきます。 ■上位争いに絡めているのは、監督のやりたいサッカーを体現できているから。明治安田生命J3リーグ第17節・アスルクラロ沼津戦。0対0で前半を折り返したこの試合。52分に先制ゴールを挙げたのは、全試合に先発出場中のMF宮本英治選手。チャンスと見るやゴール前へと一気に

「この1戦」を夢中で戦う。 監督・村主博正【Voice】

今年新たに就任した村主博正監督。Jリーグ昇格1年目のチームを託されたモチベーターに、今の思いをうかがいます。 ▼プロフィール すぐり・ひろまさ 1976年生まれ。現役時代は磐田東高から本田技研工業→コンサドーレ札幌→ヴェルディ川崎→大宮アルディージャ→サガン鳥栖→アビスパ福岡→サガン鳥栖。引退後は浜松開誠館高→FC岐阜→FC町田ゼルビア→松本山雅FCにてコーチを務める。2022年よりいわきFC監督 ■いわきFCは「相手が嫌がることを愚直にやり続けられる」チーム。 昨年まで

みんなの思いに、ゴールで応える。FW吉澤柊【Voice】

強靭な身体で攻撃の起点になり、ボックス内で随一のパワーを発揮する野性味あふれるストライカー。試合後半にピッチをかき回し、幾度となく決定的な仕事をしてきた吉澤柊選手に、お話をうかがいます。 ■スタメンが相手を疲れさせてくれるから、自分が点を取れる。2021年11月3日のJFL第29節・東京武蔵野ユナイテッドFC戦。いわきFCがJ3昇格を決定づける瞬間をひと目見ようと、スタジアムには今季最高となる2014名の観客が駆けつけていました。 赤く染まったJヴィレッジスタジアム。プレ

変わる。決して諦めない。FW谷村海那【Voice】

2020年に国士館大から加入。恵まれた身体と優れたパスセンスに加え、アグレッシブな守備とゴールに向かう積極的な姿勢を身につけつつある谷村海那選手。攻撃の新たなオプションとして飛躍を目指す2年目のアタッカーのこれまでとこれからについて、お話をうかがいます。 ▼プロフィール たにむら・かいな 1998年生まれ。花巻東高→国士館大 2020年いわきFC入団 ■全国への道を阻んだのは、現在のライバル。5月22日に行われた天皇杯1回戦・ソニー仙台FC戦。試合は延長戦にもつれ込みまし

まっすぐに向き合う。すべては自分次第。MF山下優人【Voice】

常にチームのために走り、ボールのある所に必ず姿を表す24番。相手チームにとって最も嫌で、味方にとっては最も頼もしい存在。闘志あふれるプレーを見せる中盤の核、そして鋭いプレースキックで相手ゴールを脅かすレフティー。そんなMF山下優人選手の登場です。 ▼プロフィール やました・ゆうと 1996年生まれ。ジェフユナイテッド市原・千葉U-15→青森山田高→桐蔭横浜大 2019年いわきFC入団 ■選手でいられる時間は短い。今、やれる限りやる。9月5日にいわきグリーンフィールドで行わ

今ここで、自分の価値を表現する。 MF嵯峨理久【Voice】

青森山田高~仙台大でサイドアタッカーとして活躍し、今年入団するやSBに抜擢。開幕から全試合にスタート出場を続け、すでに5得点を挙げているMF嵯峨理久選手にお話をうかがいます。 ▼プロフィール さが・りく 1998年生まれ。青森山田高→仙台大 2021年いわきFC入団 ■攻守の多彩なタスクをこなす、新たなSB像。2021年4月11日に行われたJFL第5節・ラインメール青森戦。いわきFCは前半に先制を許し、試合は終盤へ。「このまま青森に逃げ切られるか」。そう思われた後半アディ