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「限りある時間の使い方」を読んだらスマホ時間が減って私用Trelloボードが爆誕した話

2022-2023年末年始休に何冊か読んだ本のうち、最も「その後の毎日の生活」に具体的なインパクトを与えたものは?と問われたら、間違いなく「限りある時間の使い方」でした。ライトに読めてとても良い本だった&自分の暮らし方や働き方にあてはめてみると、得るものが大きいな…と思ったので、サボりぎみのnoteリハビリも兼ねて紹介していきます。

「限りある時間の使い方」で自分に響いた言葉

毎日、フルリモートデスクワークで目を酷使しているので、夜になると電子書籍を読む気になれず…、最近めっきり「物理的な本」を書い、そこに直接蛍光マーカーでガンガン線を引いていくことが増えました。ここからは、グサッと響いた言葉を引用&自分の言葉に書き換えながら、自分のケースをゆるく語っていきます。

生産性を高められる、というのは夢

生産性を高めようとする努力が事態をかえって悪化させるのは、それが単なる現実逃避にすぎないからだ。自分の時間は、あまりにも短い。

「限りある時間の使い方」かんき出版 P40

過去に何度も生産性向上のツールやアプリを使ってみようとして挫折してきたので、「それは現実逃避だよ」と言われると「そのとおりだな」という腹落ちがすごい。生産性向上アプリをインストールして、タスクを登録する段階で挫折する。タスクが多いし、どこからどこまで入れたらいいか悩んでいるうちに眠くなる。
生産性は上がらない。時間がかかるものは時間がかかる。

やることは増える

「効率化の罠」…どんなに高性能な生産性ツールを取り入れても、どんなにライフハックを駆使しても、時間はけっして余らない。やることは終わるどころか、逆に増えていく一方だ。

「限りある時間の使い方」かんき出版 P50

仕事でも、「重要で急ぎの案件」の割り込みは常にある。これが「暮らし」となると本当にままならない(家族の体調不良とか、自分の謎の激痛とか、猫の謎行動とか)。割り込みをなんとか良い感じで調整して、さあ自宅で仕事するぞと決意した帰り道に、大好きな友達から明日遊びに行こうよとお誘いがあったりする。
本当にやりたいことだけを選んでやるしかない。

「もっとやりたい」が無力感を招く

現代社会はやるべきことを無限に提供してくれるので、「やりたい」と「できる」のあいだに、けっして埋められない溝が生じるのだ。

「限りある時間の使い方」かんき出版 P57

すばらしい体験をすればするほど、「もっとすごい体験をしなければ」と思うようになり、結果的に無力感が増していく。

「限りある時間の使い方」かんき出版 P60

情報が手に入るようになった結果、「もっとこんな選択肢があるのか…!(自分もやってみたいな/やれる環境だったらいいのにな)」と感じることが増えた。上には上がいるということが無限に見えるので、向上志向はどれだけあっても足りない。本も動画も講義も学校も数多あって、どれを選んでも完璧にはならない。

働きながらこの資格を取った、とか、この大学院を卒業した、とか、すごい人を素直にすごいと思いつつ、翻って自分はどうなんだ?と考えると眠りが浅くなる。視界が悪かった頃と比べて、自分はこれで大丈夫なんだ、ということを感じにくくなっていると思う。なかなか自分を信じられない。もっと信じたほうがいい。周囲の人に「ちょっと今凹んでるから、褒めてみてくれる?」と頼むべきなのかも。

自分の小ささを認める

自分に体験できるのはほんのちっぽけな一部分だと理解していれば、(中略)人生の限られた時間のなかで、やりたいことをもっと自由に選べるようになる。

「限りある時間の使い方」かんき出版 P64

会社で従業員として働いている以上、休みに旅行ばかり行ってるわけにもいかないし、いざ長い休みがとれたとて、その休みで行ける旅先は限られている。世界は広いけど、実際に自分が行ける土地はわずかだし、行ったほうが良いのか否かは自分にしかわからない。

ちょうど今年の5月末までに取得すべき2週間の連続した休みがあって、海外に行くか日本放浪するか意識高く短期の何かに通うかだいぶ悩んだ。が、いずれ肉体の衰えによって一人でガンガン旅行できなくなる日が来るのだから、一番自分が予想できないことに使おう…と思ってまったく興味のなかったドイツ行きを決めた。(※実際は最後の最後、燃油サーチャージの高さにビビって航空券をポチれなかったが、友人に「いいじゃん行けば」と言われて決めた)

別に誰かがジャッジするわけじゃない。生きているのは自分なので、未体験を体験したければ行ってみればいい。ただし、全部は体験できない。

もう絶対に選べない道はある

人はいつだって、何かを選び、他の多くのものを捨てて、喪失感に耐えなくてはならない。

「限りある時間の使い方」かんき出版 P70

これは本当にそう。私は今から国境なき医師団に入ることはできないし、たぶん今から自分が産んで3児の母になることもできない。つまり医者として成功して潤沢な資産を築くことは無いし、孫の顔を拝むことも無いだろう。人生のある地点で、これらの道へつながるPathを選んでこなかった。知っていて捨てた道もあるし、意図せずして捨てた道もある。

悲観的では全然なくて、捨ててきたからこそ今できていること!が明確にあるし、捨てたいと思って捨てたものも数多くある(私はベタベタした人付き合いが嫌いだ…!本当に向いてないと思う笑)。なぜ捨てたか。それは、自分が本当にやりたいことをやるためなのだ。

…ここまでで、全体の約1/4にも満たない

この本は全部で291ページもある。そのうちの1/4も行かない時点でかなり「グッと来る」ポイントが多い本なのだということは十分伝わったと思うので、このへんで引用祭りは終わりにする。なお、残り3/4では以下のようなことが語られており、ひたすら蛍光マーカー引きまくりなので、ぜひ読んでみてほしい。

  • 死を受け入れる / 幻想を手放す

  • 注意力が人生の総体

  • リストアップして、TOP5以外を捨てる

  • 時間がかかる、という現実を受け入れる(忍耐)

  • 宇宙からみればすべてがちっぽけなもの


この本を読んで変わったこと

最後に、この本を読んで自分にどんな変化があったか?を書き記しておきたい。

Notionの夢(現実逃避)から醒めた

もともと、前述の通り、自分のプライベートライフのタスク管理は「やってみよう」としては挫折する…を繰り返していた。直近ではNotionを使ってタスク管理でもやってみようかな〜と思っていたところだったが、これをスパッとやめた。一生懸命に自分のタスクをまとめることに意味を見いだせなくなったし、時間がかかることがわかりきっている。

デカい・絶対やりたい夢だけTrelloにした

本の中盤に「人生でやりたいことをTOP25を書き出して、優先順位順に並べたら、TOP5に時間を使え。残り20は捨てろ」という話が出てくる。要するに優先度「中」の項目は捨てろということなのだが、これに深く共感した。

TOP5に時間を使うことだけにフォーカスするなら、TOP5だけがよく目に入るようにしたほうがいいし、TOP5だけ管理すればいい。当然ながらTOP5に入るくらいのタスクはそこそこデカいので、そんなに簡単に「Doing」から「Done」にステータスが変わったりしない。

だからTrelloでシンプルなボードを1個作り、TOP5と、それに紐づくタスクを最小で月間単位レベルで管理してみることにした。iPhoneのHOME画面の1個め、PCのChromeの固定タブに入れておいて、いつでもすぐ見られるようにしてある。(私がたまたまTrelloが好きなだけであって、同じことはiPhoneのリマインダーとかメモ帳でも十分できると思う)

何をやりたいかが明確になっている一方で、「追われる感じ」が無いのが気に入っている。だって優先度TOP5なんだもん!という感じ。これだけやれたら上等だ、と思えることが、ある意味の自己肯定感につながるのかもしれない。

スマホで無駄なニュースを読む時間が減った

職業柄も手伝って、暇があればスマホでニュースアプリを開いてしまう…なんなら3-4個のニュースアプリをぐるぐる回ってしまう、という悪癖があるのだが、これが格段に減った。

「これは逃避行動である」という強烈な言葉が脳裏に残っているので、スマホを見ている途中で「ハッ、私は今逃避している…!」と我にかえることができるようになった。もちろん、「今日はもうムリ。逃避しよう」と思う日もたまにあるけど、「これよりも他にやりたいことがあったのでは…?」と自分に問えるようになったのは大きな変化だと思う。

まとめ

…というわけで、年明け以降、この本のことはめちゃくちゃ人に薦めている。手に取るとちゃんとビジネス本らしい厚さがあるけど、中身はけっこうシンプルで、前半1/4まで読むだけでも十分価値があると思う。

同じことが手を変え品を変え複数回にわたって書かれているだけだ…といえばその通りだとも思う(書籍として出版・流通させるためには一定量以上の厚さが必要なので)。後半に行けば行くほど具体的にどうやるか?の話になっていくので、前半1/4を読んで面白かったら、できるだけ一気に最後まで読むことをおすすめしたい。

そして、読んだ人同士で「自分の場合はこういうことをやっていて、これが無駄だと感じた」とか、「これをやめることにした…」とか、「これをやろうと思った」などの考えをぜひ語り合うのが良いと思う。

わたしも実際に友人に薦めて、その友人が読んだ後に感想を教えてくれつつ、こうだよね・ああだよねと話し合ったのがより深く腹落ちする・自分も実践しようと思える原動力になっている。今後も良書をぜひシェアして、共通知識にしていきたい。

ではまた!

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