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伝記のつまらなさの理由

中学の頃に、そろそろ知識としての読書をすべし!と、伝記に「あ」の行から挑戦したことがあった。しかし、アインシュタインから始まり、伊能忠敬あたりで挫折してしまった思い出がある。結局数冊しか読めず、伝記ってなんでこんなにつまらないんだろ、、、、と思ったのだが、よく考えたら日常生活でもそうじゃないか。その人に興味がない状態でその人の武勇伝を聞かされるほど辛いことはない。要は「その人物にどれだけ興味があるか?」が問われるジャンルだったのだ。

最近は便利なもので、伝記を読まずともWikipediaでほぼ経歴は分かる。私は、絵や本、映画などで感動して作者を検索しにいくことが多いが、最近検索したのは、新渡戸稲造と、イザベラ・バード。『武士道』も『日本奥地紀行』も、人間臭さ満載、ムムム?も満載でたまらないのだ。『日本奥地紀行』は現在読んでいる途中だが、明治11年の日本を旅しながら、イザベラ・バードのdisが止まらない。人々が、貧しくて、汚くて、醜い国。だけど、時々素晴らしい行いや調度品があると、高い教養を駆使して静かに誉めるのだ。その視点がめちゃくちゃ正直で面白い。

やっぱり私は、最初にその人の作品や行動、次にその人自身への興味に移っていくのが自然なようだ。とすると、そういうきっかけで読んだあれやこれも、私にとっては伝記と言えるよなーと思ったのであげておきます。

・『武者小路房子の場合』阪田 寛夫/新潮社/1991
・『麻婆豆腐の女房―「赤坂四川飯店」物語』吉永 みち子/光文社/2003
・『村に火をつけ,白痴になれ―伊藤野枝伝』栗原 康/ 岩波書店/2016
・『女優にあるまじき高峰秀子』斎藤 明美/草思社/2018

私はどうも、強めで自由な女性が気になるようです。てへぺろ。

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