HCDの考え方と基礎知識体系(概要)-歴史


http://doc.hcdnet.org/hcdbasic_digest.pdf

● HCDの関連領域

プレHCD世代 1900年代~2000年代:人間工学・ユーザビリティ
第一世代 1990年代~2010年代:ISO化
第二世代 2000年代~2020年代:UXデザイン
第三世代 1990年代~2020年代:デザイン思考~サービスデザイン
第四世代 2010年代~2020年代:デザイン経営
第五世代 2010年代~2020年代:領域拡大

http://doc.hcdnet.org/hcdbasic_digest.pdf

● 第一世代(1990年代~2010年代:ISO化)


1990年 ISO 13407:
1999/Human-centerd design processes for interactive systems
インタラクティブシステムのための人間中心設計プロセス/JIS Z 8530
の発行(2010年にISO 9241-210に改訂)


製品やシステム開発プロセスの責任者・管理者・設計者を対象に
既存製品やシステムの評価+改善に加え
開発初期からユーザビリティの考え方を取り込む必要性と方法を認識することに重点がおかれる


2000年代 日本国内で急激にHCDへの関心が高まる
大手メーカーを中心にHCD関連部署の開設と具体的活動支援が活発化


2005年 NPO法人 人間中心推進機構 設立
HCD専門家資格制度の検討を開始

2009年
HCD専門家資格制度がスタート


● 第二世代(2000年代~2020年代:UXデザイン)


WEBサービス・Eコマースの拡大でユーザー体験への注目が高まる


2000年代 WEBサービス・Eコマースの急激な普及により
情報システムのUIの重要性が増しUXの重要性が高まる。


UXに対する重要性は
CX(Custmer Experience)やEX(Employee Experience)へも広がる


UX領域はHCD分野と融合し発展・普及が始まる


● 第三世代( 1990年代~2020年代:デザイン思考~サービスデザイン)


2000年代 IDEO(アメリカのデザイン会社)
デザイン思考を体系化したHCD(Human-centric Design)を提唱。
ノンデザイナーを対象にしたデザインの考え方とツールを提供する
HCD Toolkit→ Design Kit: The Human-Centered Design Toolkit | ideo.com


2004年 SDN(Service Design Network)発足
サービスデザイン関連大学とプロフェッショナルの国際ネットワーク。
サービスデザインのプロセスとデザイン思考にも用いられる
ダブルダイヤモンドを採用


企業の方法論、リーンスタートアップ、GoogleのSPRINTが
イノベーションのための事業開発に活用される


現在、ITプラットフォーマーやDXプラットフォーマー、経営コンサルティング会社でデザイン思考が積極的に導入される


第四世代 (2010年代~2020年代:デザイン経営)


2018 総務省・特許庁「デザイン経営」宣言発表
デザインによる企業の競争力強化に向けた課題の整理と対応策


ミラノ工科大学 ロベルト・ベルカンティ教授「デザインドリブン・イノベーション」を提唱
Design Driven=
製品に新しい「意味」を与えることによって生じるイノベーションと定義されている


デザインマネジメントにおけるHCD
・社会と市場に重要な競争活動を支える根幹
・デザインを民主化していく過程での基盤的アプローチ


HCDを取り込んで発展している
・デザインドリブン・イノベーション
・意味のイノベーション

基盤にHCDがある
・欧米のデザインマネジメント


第五世代 (2010年代~2020年代:領域拡大)


HCD=ソーシャルイノベーションのソーシャルデザインの方法


Society5.0にこたえるためのHCD(第五世代HCD)


HCD=DXの前提条件になった
DX推進ではユーザー中心、アジャイル、データアナリティクスを重視。
デザイン思考・UXデザインのアプローチは前提となっている


2000年代以降のUXの普及とネットの拡大から
ドキュメントの役割が拡大。
ユーザーがふれる短いメッセージ表現=UXライティングが重要視されはじめる


まとめ


組織経営・社会課題解決でHCDが強く求められている


HCD価値が強く求められる分野では
HCD基礎知識とマインドセットの習得が急務


HCDのプロセスや手法を誰でも活用できるように定義すること
人間を中心に据えてアプローチするうえで重要なマインドセットを明らかにする必要性


HCDを完成品だけに向けた一方通行のプロセスに取り入れるのではなく
「発見」と「創造」を繰り返すサイクルの中心においたのが
新しい人間中心デザインの定義


HCDの基礎知識体系を広く世にといかける時代の到来

HCD-Net「人間中心デザイン(HCD)に関する基礎知識体系を構築」 | HCD認定ニュース | HCD-Net (hcdnet.org)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?