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#311 業界ネタ~薬事検討会③

おはようございます!台風の影響だと思うのですが、なんか蒸し暑いですよね~暑さは少し収まったかなと思うんですけど、なんだか湿度が高くて、まるで熱帯地方にいるような気持ちになりますね。ちょっとニュースにもなっていましたけど、この時期に本当に高校野球をやるべきなんですかね。もちろん夏といえば甲子園みたいなのは理解できるんですけど、安全にプレーできるのかって、確かにちょっと疑問だなと思いました。さてさて本日は「業界ネタ~日本人P1データは不要?」です。

いよいよ始まった日本人P1不要論

継続してフォローしている薬事検討会ネタです。以下、記事からの抜粋。厚労省の「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」は8月7日、国際共同治験を実施する場合の日本人第1相試験の要否について議論を行った。日本人第1相試験は国際共同治験に参画する日本人の安全性の観点から実施の必要性が指摘される一方で、日本だけで追加実施が必要となるケースもあり、治験の遅れにとどまらず、ドラッグ・ロスのリスクにつながることが指摘されている。成川衛構成員(北里大薬学部教授)は、日本人での安全性確認は「フェーズ3でやるべき」と指摘。「フェーズ3前に複数の人種間で安全性やPKプロファイルの違いがないことを企業の責任できちんと確認するのであれば、必ずしも第1相試験を日本でやらなくてもいいくらいの方向性を出してもいいのではないか」と提案した。このほか、オーファンドラッグの扱いを変えることや、類似薬を踏まえて対応を明確化するなど、制度設計を明確にする必要性を指摘する声があがった。

日本人P1の目的は?

実は昨日もYouTubeで生配信を聞いていたんですけど、PMDAは今まで通りでも日本人P1はスキップできるので変える必要はないというスタンスかなと。一方、その他の方は今のままじゃダメなので基本は日本人P1はグローバルP3前には不要で、どういう場合に必要になるかを明示するみたいな方向かなと。ちょっと残念だったのは途中で出てきた議論で「日本人P1試験で日本人被験者の安全性を担保できるのか?」というそもそも論がちゃんとサイエンスベースで議論が深まらなかった点です。この問いは結構、重要で「なぜ外国人P1試験データを持って、日本人被検者の安全性を担保できないのか?」という問いとセットで議論を深めて欲しいなと思っています。ここにちゃんと答えが出せていないので、いつも変な方向に議論が発散していくように思うんですよね。成川先生のいうように安全性の確認をするのであれば、P3試験(まあ厳密には市販後でかなりの人数に使われるまで安全性に関する結論は出ないわけですけど)でもいいわけで、日本人P1のあいまいな立ち位置をはっきりさせて欲しいというのが私の考え方です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?読み通りですが、薬価をいじるのにはお金がいるので、規制側で出来ることをやろうという流れなんだなと思いました。日本での医薬品開発に関わって10数年経ちますが、この日本人P1問題は、ずっと変だなと思っていたポイントです。ようやく議論が本格的に進んでくれるのかなと期待しているところです。次回もこの件について議論される模様なので、楽しみにしていようと思います。日本人P1の要件がなくなったら、もっと日本でもP3試験を実施する会社は増えると思うんですけどね~ではでは、また!


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