見出し画像

なんともいえない表情

そろそろ、「やってみたいことを実際にやってみたら思ってたのと違う」という場面に出くわしたい。


「やってみたいことを実際にやってみると思ってたのと違う」という場面がある。
そういうときの表情は、なんとも形容しがたい顔をしており、なぜか笑える。

2歳の息子はショベルカーなどの重機が好きで、ショベルカーのことを「がががが」という愛称で呼んでいる。保育園では、友達が着ているショベルカーがふくらんでプリントされているTシャツを撫でて喜んでいるらしい。

ある日、たまたま足を運んだイベントで、重機を間近でみたり実際に操縦させてもらえるコーナーがあった。間近でみる重機は本や映像でみるよりも巨大で子どもたちは圧倒されていた。大人でも近くでみると迫力が凄い。

息子が好きなショベルカーもそのイベントにあり、息子は操縦席に乗って実際に操縦させてもらった。2歳がひとりで操縦するのは難しいので、おじさんが運転席に座り、その上に息子が乗る形で操作レバーをもってショベルカーを「がががが」と実際に動かしてみた。

そのときの表情がなんともいえない顔をしていた。一言でいうと「無」の顔なのだが、憧れのショベルカーに乗れる期待感と、実際にショベルカーに相対した恐怖心と、操作レバーを動かすとショベルカーが意のままに動く万能感と、初めて出会ったおじさんと操縦席に2人でいる困惑もあったのかもしれない。すべて僕の想像である。

妻が動画を録っていたので何度か見返したが、素晴らしい表情だった。
今後も、子がやりたかったことを実際にやってみたときの表情を見守り目に焼き付けつつ収集していきたい。

自分が子どものころも、なぜか「きりたんぽをどうしても食べたい」という時期があって、親がきりたんぽを入手して実際に食べてみたら思っていた味と違っていて一口だけ食べて、箸を置いた記憶がある。おそらくこのときも、なんともいえない表情をしていたのだろうと想像できる。

幼児の段階で「やりたい」と「やってみた」とのあいだにはとても大きな隔たりがあることを実感しつつ、やったことがないことを安易に評価してはいけないな、とあらためて思ったりした。

なにとぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?