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ゆるキャン第2話【ようこそ野クルへ!】 プロット分析

1話はこちら

ざっくりあらすじ

前回キャンプ場で出会ったなでしこは野外活動サークル・略して野クルに入部。リンはキャンプで料理を作りたいようだが材料が手に入らず...ソロキャンを脅かされたくないリンは野クルへの入部を嫌がったが、なでしこがソロキャンに単独突撃し鍋をやろう!と提案する。

前回の記事を読み返してみると、たった20分弱のストーリーでも結構細かいところ忘れちゃってる!!という恐ろしいことに気づいてしまいました。

なので今回からは、さらっと一回視聴したのちにもう一周細かく区切って分析しながら見る、という方針にします。

アバン〜オープニングまで

オープニングの前に流れるシーンのことをアバン(もしくはアバンタイトル)というそうです。

アバン最初のシーンでは「はじめてのアウトドアめし」という本を熱心にリンが読んでいます。

野外でどうも料理をしたいらしいぞ?という主軸テーマの提示と、そこからラーメンを連想させてさりげなく前回の回想シーンを流すというところまでコンパクトにまとめています。

その後なでしこをキャンプに誘うべきかリンが思案している時に、すぐ隣をなでしこが駆け抜けています。
それに気づかないままリンは「暖かくなるまでまだいいか」と結論づけます。

あえてリンの独白となでしこが部室等に行く流れを組み合わせているところがユーモラスで、またシーン移行が滑らかに感じられるテクニックです。

そして次々といろんな部室を通過していく映像は、どの部室を選ぶんだろうというドキドキ感があり、初めから目的地だけを移すよりエンターテイメント性があります。

最後から2番目に「登山部」が映るのが憎いですね。
可能性として全然あり得そうなサークルなので。

それにしてもなでしこは常に走ったり食べたり元気いっぱいなキャラがしっかり表現されています。

余談ですが、ゆるキャン▲←この三角ってテントのことだったんですね!!!!
オープニングの最後でくねくね動いてるところでピンとくるべきだったのに全然気づきませんでした...

野外活動サークル入部

部室のあまりの狭さにびっくり&笑いです。いくら何でも狭すぎる。
「うなぎの寝床」というちょっと年寄りっぽい言葉を女子高生が知っているのもまた面白いですよね。
高校生系アニメあるあるです。

松ぼっくりが「コンニチワ」っていうのはこのアニメの鉄板ネタなのでしょうか?ゆるかわいい。

部室に入ってから部員に見つかるまで、音楽がシーンに合わせて効果的に使用されています。

空き巣じゃないことが判明するシーンでは、窓から見える空のカットが入っています。
教室のシーンが続く中でも意図的に自然の描写を取り入れていることが窺えます。

ここからは野外サークルの部員2人となでしこの掛け合いが長らく続きます。
部員がもう1人増えたら部室が広くなる...という今後の達成したい項目をサラリと提示しています。

もう1人といえば、同じ学校だった志麻リンが入る展開が来るのかな...?と視聴者に期待させていますね。

観ていて印象的だったのは、視聴者が疑問に思うポイントを次のシーンなどですぐに説明して解決してくれるテンポの良さです。(なぜ登山部じゃないのか? なぜ部室が狭いのか?等)
このテンポの良さがキャンプというメインコンテンツを邪魔せずにいてとてもいいですね。

一旦外で焚き火をすると見せかけて、やっぱりできない...と落とした後にキャンプの豆知識コーナがやってきます。

一旦落としたことで新キャラがワイワイ出てきて上がっていた物語の速度が落ちているので、こういった蘊蓄系のコーナーで「早く続きを!!」という気持ちにならずまったり聴くことができるという効果でしょうか。

激安テントのくだりはちょっと台詞が多すぎるかなと感じました。タグの絵を見せるだけでセリフ丸々カットでもよかったのではないでしょうか?

980円テントを組み立てる

中庭での無意味なバンザイの動きはゆるキャンらしくて可愛いポイントですね。

テントの立て方を解説する渋いナレーションを流し、その途中で志麻リンのシーンを差し込んでいます。ナレーションなので最後まで解説するという思い込みがおきやすいので、あれ?と意外性を感じるシーン推移でした。
リンの困惑と視聴者の違和感がうまいことリンクしています。

リンは読書家のようで、このシーンでは「クーロン城からの使者」という本を読んでいます。
前回もオカルト系の本を確か読んでいたと思うので、小物がキャラ付けと小ボケの役目を担っているようです。

またナレーションに戻るのですが、うまくテントの固定ができない様子をナレーションのセリフでも表現していて、ナレーション遊びが豊富です。
この表現は結構面白いので参考になります。

テントが折れてしまい、その様子を傍観していたリンが応急処置の方法をリンの友達に解説します。

応急処置の方法に必要な道具はリンの友達が都合よく持っていて、都合の良さそのものをネタにしています。

また、「一度会ったなでしこに見つかると面倒そうだ」「ソロキャンプが脅かされたくない」などのリンの思考回路は完全に陰側の人の発想で、アニメを見る層にハマりやすく親近感を覚えやすい設定だと思いました。(私はしっかり親近感湧きました)

なでしこがリンを発見して窓に激突した後は、リンがソロキャンプに向かうシーンに移行します。
あれからどうなったんだろう?ソロみたいだけど?という疑問が物語の推進力を作り出しています。

リンのソロキャンプ

キャンプ代2000円に対し!「高い」などといったセリフではなく、「2000円か.... 2000円か....」としみじみ繰り返すこのセリフ、とってもよかったです。
高校生のお財布には痛い出費、ということをしみじみ感じられるセリフでした。

1話同様相変わらずキャンプ場やキャンプ用品、小物の描写が細かく、キャンプの設置にはしっかりと尺をとって見せ切っています。

また、時々入る斎藤とのライン描写は、孤独感えお打ち消しており、孤独を感じずに安心して見ることができる雰囲気になっています。(やりとりがまるで5ch...と思ったのは内緒です。高校生アニメあるあるその2)

トイレカーと勘違いして扉をガチャガチャするシーンは可愛らしいポイントです。
「トイレはあちらです」の見切れた紙がいいですね。

こういった視聴者が気づいて「くすっ」となるものはしっかり写すより少し見切れたりしている方が逆に目立つ気がします。

キャンプ場の散歩のシーンでは、ラインのやり取りであった「熊とトラとチワワ100匹を放つ」の件をさりげなく回収しています。

チワワ100匹は完全にノータッチ...と思いきや斎藤の飼っているワンコロ「ちくわ」がどうやらチワワのようです。

斎藤の「寒波来てるんだ、リンも1人で頑張るな〜...うん!」というセリフでスマホに何かを打ち込む様子は、後々の伏線になります。

ゆったりキャンプを満喫した描写の後、学校でナデシコと再会した後の描写がここで明かされます。
野外活動サークルを持ちかけられた主人公ですが、嫌そうな顔が前面に出ていました。
顔に出やすいというキャラはとても絵的に使いやすそうです。

しかし途中から回想と思わせて本当になでしこが声をかけていました。斎藤が居場所をなでしこに伝えていたようです。伏線回収。やっぱり伏線回収のスパンが短い。

今回の話のテーマだった「キャンプで料理」の解決方法の提示、なでしこの「お鍋やろ!」というセリフでこの話は終わります。

まとめ・感想

見ていると本当にキャンプをやったかのような満足感が味わえて、疲れた社会人には最高のアニメです。

話のテンポもよく、疑問点の解消や伏線の解消もスパンが短く、キャンプに集中できるように全体的にケアされているのがとてもよかったです。

沢山の主要と思われる登場人物が出揃いましたが、ここからどう志麻リンを野クルに入部させることができるのでしょうか?
続きが楽しみです。

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