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なぜ「GINGAKEI」なんですか?

11月13日発売のアルバム、なぜ「GINGAKEI」というタイトルなのか。


当然の如く、取材などで鬼のように聞かれるので、この際、自分の文章で書いておこうと思ったが、今回これといった理由がない。今まで、インタビュー等で決まって聞かれる質問「タイトルの由来はなんですか?」には、非常に慎重な回答を心がけてきた。意味を説明するのが、自分の役目だと思ったし、それでイメージを決定づけることにもなるからだ。だけど、意味を答えすぎるのもどうなのかなと最近思っている。日本のロックバンドは殊更に、意味を重要視する。なぜそうなのかということを、やたらと語りたがる。自分も例に漏れず、そうした「語り」が大好きなのだが、今回そうした傾向から抜け出してみることにした。タイトルに関しては、直感で、出たとこ勝負で決めよう。珍しく、音源を録り終える前に、タイトルが決まった。自分の記憶では、この決定の早さは「SHINKAICHI」以来だと思う。


思えば、「SHINKAICHI」リリースの時も、直感でタイトルを決めた割に、インタビューではもっともらしい言葉を並べていた。「新」とつくから、自分たちがロックの新しい未来を切り開くんだ。とか、神戸の「新開地」は古いもので溢れているから、自分たちも音楽のルーツを大事にしたいだとか。正直、リリース当時、そんな意図はあまり無かった。ただ、「SHINKAICHI」と言いたいという気持ちがそこにあった。言いたいという気持ちは何より強い。にも関わらず分かってもらえないことが多い。反対に、意図があるもの、意味が明快なもの、がインタビューでは求められる。


今回「GINGAKEI」とどうしても言いたかった。今年の夏頃、俺は猛烈に「GINGAKEI」と言いたい欲求に駆られていた。それが理由だ。その頃作ったデモには、やたらと「銀河系」という歌詞を入れていた。ボツになってしまったが、「GINGAKEI YOUNG BOYS」という曲もあった。新宿ゴールデン街五番街のBar「銀河系」が関係しているのかもしれないし、親交のある映画監督の67年の映画「銀河系」が念頭にあったのかもしれないが、今まで観てきたものや、感じたもの、全てひっくるめて、人生においてこの瞬間に言いたい言葉を大事にした。


ただ、ちょっと直感を解き明かしたくなったので、余談として考えてみる。なぜ、「GINGAKEI」と言いたいのか。
自分たちが過去にリリースした「Gaffe」には「無知の宇宙を彷徨うnonsense love」という歌詞がある。また、「くだらnation」には「遥か遠く銀河まで向かう 俺を探すmaze」という歌詞。前作「情熱とユーモア」には、「月の裏側」という曲が収録されていたりするんだけど、自分が宇宙をモチーフに使う時に、一つの共通点があることに気づいた。それは「無限の広さ」を表したい時、ということだ。「Gaffe」では無知の領域の「広さ」を、「くだらnation」では自分を見つけることの「果てしなさ」を、「月の裏側」では人の秘密の「途轍もなさ」を表している。今回のアルバムは「Dive to Mars」で何度も言っているように、自分たちにとって未知の広大な世界に飛び込むことをイメージして作った作品だ。その心持ちと、ぴったりリンクしたってのもあるかもしれない。

7曲入り、アルファベット大文字で「GINGAKEI」は11月13日発売。

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