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【コラム】AIバブルを静観したいと思う理由

I'llです。
私はAIに対して生理的な拒否反応があり、正直に言えば嫌いです。それでも、文明の進化のために、嫌でも受け入れ、共存しなくてはならないと考えています。
私の友人の父親がカメラマンでしたが、スマホのカメラが業務用カメラに追随するクオリティの画質になり、今では素人にも加工でプロ並みの写真が作れるようになりました。私としては、綺麗な写真が撮れることには何の問題も感じませんが、プロカメラマンの友人の父からすると、苦労して手に入れたプロレベルの写真技術を、スマホで素人が適当にやって再現してしまうのは納得いかないのではないか、と勘繰ることもあります。
そういう点で、私を含めた絵描きは、AIに対して戦々恐々としていますが、多くの人たちからすると、自分でもプロ並のイラストが再現できたほうが有益であり、夢があるのです。
技術の習得に苦労し、人生の時間を費やしてきたクリエイターほど、AIがプロレベルの作業を行なってしまうことに対する嫌悪感は大きいと思います。そういった、生業としてやってきた普通の人でさえ、プライドを逆撫でし動揺してしまうパワーが、AIブームの中にあります。
AIが社会に及ぼす功罪は、全人類がゴーサインを出しているとしても、考え直す機会はあるべきです。

私はこれまで何度か、noteにAI関連の記事を書いてきましたが、AIブームに押されて、早計に結論を急いだ帰来があったかもしれません。
今の私は、AIの登場に両手を挙げて歓迎するようなムーブメントには、いささか懐疑的になりつつあります。個人の印象としては、今まさに起きているAIバブルを持て囃しているタイプの人たちは、ブロックチェーンやメタバースやらNFTなど、WEB3.0を標榜するような場所でお見かけする顔が多く、あまり大きな声では言えませんが、静観する必要もあるのではないかと考え始めています。
チャット型AIが企業の内部情報を学習してしまったり、画像生成AIの引用する情報が著作権を侵害していたりと、法的な課題が検討された後の結論次第で、AIがかつてのP2Pのような扱いになっていくかは、十分見極める必要があると思います。おそらく、AIバブルの最中に社会的な悪影響を発見され、AIの進化は見直され始めるのではないかと私は感じています。何より、AIサービスで利益を上げるのはGAFAのようなIT企業に集中し、経済や産業構造に与える影響は、そのメリットに似合わない混乱をもたらし始めているからです。
AIの普及は、人間の本質を歴然と変えるものではないとしても、ライフスタイルや文化を劇的に変えうるのは間違いないと思います。だからこそ、カウンターとしての技術が開発され、AIがコンプライアンスの高まり如何で雁字搦めになり、能力をかなり限定する方向に傾いていくのではないか、と私は考えています。
ですので、これから10年後のAI時代を見据えて今の技術を手放すことを考えるのではなく、AIの動向を注視しながら、今の技術を向上させていくのが最も現実的なのではないか、と思います。とはいえ、AIがこれ以上普及したら、ということを現実的に考えて動いたほうが賢明です。
私も、日々知識や考えをアップデートしていかなければ、気がついたらAIに水を開けられかねません。注意しながら、引き続き見ていきたいと思います。




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