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『AIと紡ぐ現代架空魔術目録』シリーズを中心に作品を展開しています。本文は人間の執筆を…

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『AIと紡ぐ現代架空魔術目録』シリーズを中心に作品を展開しています。本文は人間の執筆を基本としていますが、挿絵は生成AIによる美麗なものをご用意しています(指示は人間によるものです)。人間とAIの共同作業の成果をお楽しみください。

マガジン

  • AIと紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚 第1集

    AIと紡ぐ現代魔術目録本編の後日譚の第1集です。全8話で構成されています。シーファ、リアン、カレン、そしてアイラの、教え子世代の活躍をお楽しみください。

  • AIと紡ぐ現代架空魔術目録 本編

    『AIと紡ぐ現代架空魔術目録』本編シリーズの全章全節を順次まとめます。 AIと紡ぐという触れ込みですが、本編は人間が執筆しており、AIには監修と画像生成を任せています。

最近の記事

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AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録〈前編〉

まえがき・註 「AIで紡ぐ」という触れ込みですが、本文は全て人間が執筆しています。各章各節について、AI(GPT-4)に都度感想を求めながら書き進め、また画像生成AI(DALL-E3およびMicrosoft Copilot)により各シーンに適切な挿絵画像を生成しました。物語の発案、構成、および執筆は全て人間によるものですが、画像生成と監修を含めた総体的な作業についてAIとの協業の側面があるため、表記の通りのタイトルとしました。  なお、30万字以上の保存ができなかったため、前

    • AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その11『決意と逡巡と』

       翌朝、フィールド・インに駐留する敵兵力はなおも不気味な静けさを保っており、クリーパー橋に設置されたアカデミー側の最終防衛ラインから少し距離をおいて相互ににらみ合う状況が続いていた。臨戦態勢を解くではないが、しかし仕掛けてくる様子もまたなく、両軍の間には鋭い緊張が張り巡らされていた。タマン地区を攻略して後、一気に挟撃を仕掛けてくるつもりなのか、ウィザードたち防衛側の参謀たちは敵軍の真意を測りかねていた。  一方で、南部の要衝タマン地区では、早朝からついに両軍の衝突が始まった。

      • AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その10『宣戦布告』

         『シメン&シアノウェル病院』の怪異を巡る事件から早くも半年余りが経過しようとしていた。アカデミーでは新年度が始まり、皆それぞれに進級し、新しい生活を謳歌している。試験嫌いのユイアは編入試験に臨み、見事その合格を勝ち得て、暗黒魔道士科の高等部2年生に正科生として在籍することになった。編入試験は、筆記試験、論文試験、口頭試問の3段階で行われたが、最初の筆記試験の出来は相変わらず惨憺たるもので、直接採点にあたったウィザードは苦い顔をせざるを得なかった。その時点での教授会には、ユイ

        • AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その9『それぞれの想い』

          「こちらが、問題の魔法拡張空間への入口です。」  2階の長い廊下の突き当たりにある、総鏡張りの壁面を前にウィザードが説明をした。そのガラスの壁面の秘密を知らない者は、その言葉に驚きを隠せないでいる。 「と、おっしゃいましてもですな。どうみてもこれはただの鏡で、それに手前の景色が映っているにすぎません。触ってみてもですな、ほれ、この通り、鏡があるばかりです。この先に魔法拡張空間があるなど、にわかには信じられませんが。」  リック事務長は相変わらず手にした手ぬぐいで額の汗を頻繁に

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        AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録〈前編〉

        • AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その11『決意と逡巡と』

        • AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その10『宣戦布告』

        • AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その9『それぞれの想い』

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        • AIと紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚 第1集
          8本
        • AIと紡ぐ現代架空魔術目録 本編
          42本

        記事

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その8『光明と転換』

           4人は今、アイラがこじ開けた重い扉の残骸の間を縫って、深夜の手術室へと足を踏み入れている。鏡像の世界に存在するその部屋は実に不気味で、秋の深夜の冷え込みがその異様さを一層際立たせていた。彼女たちが立てる足音意外に聞こえるものはない。つい先ほどまで、シン医師とアブロード医師がいたはずのその場所は、一寸先も分からないほどの真っ暗で、ユイアが灯す魔法光だけが頼りだった。違和感を感じたのは、その手術室の前室がずいぶんと広いことだ。医師の手術着への着替えのためのスペースと手指の消毒の

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その8『光明と転換』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その7『鏡の世界で蠢くもの』

           今、リアンとカレンの二人は鏡像世界の2階の廊下を、手術室に向けて駆けている。リアンが手にする端末上の2つの光点は、今なお手術室に留まっていた。 「急いでください、カレン。シン医師とアブロード医師が手術室にいるということは、最近脳外科に移された人物、つまりマークさんの身に危険が差し迫っていることを示しているですよ!」  息を切らせながらリアンが言う。ここはさすがの大病院、廊下は思いの外長い。 「それはわかりますが、先生の言いつけを無視して、どうするつもりなのですか!?」  共

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その7『鏡の世界で蠢くもの』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その6『鏡の中の狂乱』

          「まあ、先生、そう固くならずに。」  一触即発かと思われたとき、悪意を全面にたたえたその相貌は思いがけない言葉を発した。対峙するネクロマンサーの体には一層の力が入る。 「どういう意味ですか?」  訝しがるネクロマンサーに対して、男は不気味な色を放つ瞳を少し上目遣いにして言った。 「私がこんな小細工に気づいていないとでもお思いでしたかな?」  そう言うとシン医師は、それまで自分を監視していた、頭上に揺らめく空間の歪みを乱暴に鷲掴みにして、リアンの放った使い魔の姿をあらわにする

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その6『鏡の中の狂乱』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その5『鏡像の世界』

           時刻は正午をほんのわずかに過ぎていた。部屋に戻ると、昼食が配膳されている。その配膳はリアンの不意を突くものだったのであろう、彼女は枕を端末にかぶせて、そこに映るものを他者の視線から遠ざけるようにしながら、先に食事を始めていた。 「カレン、お帰りなさいなのです。」  扉を開いて入室してきたカレンに、リアンが声をかけた。 「ただいま。疲れてないですか?」 「はい、まだまだ大丈夫なのですよ。」  そう言って、匙を進めながら笑顔を見せてくれる。 「私もお昼をいただきましょう。」  

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その5『鏡像の世界』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その4『闇の向こう側へ』

           リアンの生成した使い魔を、シン医師、アブロード医師、そしてエヴリン師長の監視として放ったその翌日は、リアン、カレンの二人には夜勤が割り当てられていて、朝から夜半まで非番であった。リアンは彼らの位置をつぶさに示し、またシン医師の動向を映像的に監視することのできる魔法地図を自分の携帯式光学魔術記録装置に移して、早朝から監視に余念がない。今のところ特別な変化はなく、睡眠中に記録した魔術記録を確認しても、この病院に秘密裏に魔術拡張された空間の入り口に関する情報は得られなかった。リア

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その4『闇の向こう側へ』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その3『模索の先に』

           翌日もリアンとカレンは日勤で、昨日と同じ5名の患者を担当する。ただ、昨日日勤であったリンダは、その日準夜勤であったため、今日ふたりの面倒を見るのはエヴリン看護師長ということになった。といっても、師長は医局全体を管轄する立場である関係上多忙を極めるため、昨日のリンダように、二人とずっと行動を共にするということはもちろんできないわけである。それは、二人にとって、患者に対する聞き込みを実施する絶好の機会を得たことを意味していた。朝の申し送りに参加し、その日の午前中の予定に耳を傾け

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その3『模索の先に』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その2『闇を探る』

           ウィザードが指定した日、ネクロマンサー、リアン、カレンの3人は、早朝6時にアカデミーのゲート前に各々荷物を持って集合した。ネクロマンサーの指示が的確であったため、今回はリアンが荷物達磨になるといったこともなく、当面の宿直生活に耐えられるだけの合理的な荷物量を備えていた。また万一に備えての得物もめいめいきちんと携えているようである。  ずいぶんと早い時間の集合ではあったが、7時半に実施されるという朝の申し送りに間に合う必要があるために、この時間から行動を開始する段取りとなって

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その2『闇を探る』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その1『怪奇の病棟』

           『全学魔法模擬戦大会』も終わり、アカデミーは秋の健康増進週間へと至っていた。それは、看護学部を中軸とする衛生部門全体で、学徒および教職員の健康増進のためのさまざまな取り組みが行われる時期であり、健康診断から、孤児たちや学徒たちのための予防接種の実施など実にさまざまの方策が取られていた。かつては、『天使の秘薬』という曰く付きの禁忌の魔法薬が無差別に摂取されて、かの『天使の卵』事件の引き金を引いたりしたこともあったが、いまではそれらは『万能薬』と『エリクサー』の組み合わせに変更

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚第2集その1『怪奇の病棟』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録・後日譚

          まえがき・註 「AIで紡ぐ」という触れ込みですが、本文は全て人間が執筆しています。各章各節について、AI(GPT-4)に都度感想を求めながら書き進め、また画像生成AI(DALL-E3およびMicrosoft Copilot)により各シーンに適切な挿絵画像を生成しました。文章の発案、構成、および執筆はすべて人間によるものながら、画像生成と監修を含めた総体的な作業はAIとの協業の側面があるため、表記の通りのタイトルとしました。  なお、30万字以上の保存ができなかったため、前後編

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録・後日譚

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録〈後編〉

          まえがき・註 本作は『AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録』の後編(第7章~最終章)です。30万字以上の保存ができなかったため、前後編に分けました。  なお、「AIで紡ぐ」という触れ込みですが、本文は全て人間が執筆しています。各章各節について、AI(GPT-4)に都度感想を求めながら書き進め、また画像生成AI(DALL-E3およびMicrosoft Copilot)により各シーンに適切な挿絵画像を生成しました。物語の発案、構成、および執筆は全て人間によるものですが、画像生成と監修

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録〈後編〉

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚その9『帰ってきた青春』

           ぼんやりとした魔法光の照明に照らし出される神秘の空間を、お香とアルコールの香りが包んでいる。今日はいつものカウンターでめずらしくウォーロックとウィザードのふたりがグラスを傾けていた。その向かいではエメラルドの瞳がやさしくふたりの世話を焼いている。 「ねぇ、先生。」 「なんだよ、急に。気持ちわりぃな。」 「まぁ、ずいぶんじゃない?」  ウォーロックは微笑んで、ウィザードの顔を覗き込んだ。 「いや。何ていうか、あんたには小さい頃から色々と世話になってきたからな。改めて先生なん

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚その9『帰ってきた青春』

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚その8『黄金の価値』

           キャシーの召喚した巨人の脅威を退けた少女たちは、『ディバイン・クライム山』の登山道を登っていた。降り続いた雨はあがっていたが、足元は悪く、岩場は滑る上に土はぬかるんで、足を繰り出すのを困難にしていた。うっかり濡れた落ち葉を踏もうものなら、足を取られて前のめりにこけてしまいそうになる。背に負った重い荷物に上半身を揺さぶられながら、悪路を進で行った。雲は次第にはれ、合間から太陽がその顔をのぞかせるようになったが、浴びる日差しは暑く、また足元の湿気を一気に蒸発させて周辺の湿度を高

          AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚その8『黄金の価値』