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腹に指が馴染む、実家の生チョコ

 ヴィパッサナー瞑想で知り合い、SNSでやりとりのある方がこの時期、断糖というものをされている。
へそから指三本分上の腹に、中指と薬指を交互にあててみて、薬指の方が馴染む感じがする場合、断糖の時期に入り、砂糖の入った食べ物を一切摂らない。
毎年この時期、その方のその中指と薬指の話を読んでいるが意味が分からずにいた。
しかし今年になって、恐らく夜中で寝るまでに暇だったこともあり、へそから指三本分の所に中指と薬指をあててみようという気になった。

 あててみると、最初はよく分からなかったが何度か繰り返して中指と薬指交互にやっているうちに何となく分かる気がしてきた。
その日は中指の方が馴染んでいると判断して、寝る直前ではあるが遠慮なく甘納豆を食べた。

 翌日またやってみると、昨日と感触が違う。
中指が腹から反発されている感じがする。
対して薬指はすっと馴染む。
これかと思い、砂糖抜きの暮らしをしてみる気になった。

 しかし自炊せず100%外食で生きている身としては、砂糖抜きの食事というのはちょっと考え込んでしまう。
いつもの讃岐うどん屋でサバ焼き定食を食べたところ、サバやうどんや白飯は問題なさそうだが、漬物、煮物の入った小鉢が怪しい。
食べてみたが煮物はダメだ、おそらく砂糖で煮ている。
お残しは許しまへんでと言われて育ってきたので、その日は全部食べてしまったが、今後は定食の類いを食べられない可能性が高い。

 翌日は定食ではなく、うどん単品ならよかろうと別のうどん屋でゴボウ天肉うどんを頼んで、頼んだそばから失敗に気づいた。
肉は砂糖で甘じょっぱく煮たやつがうどんに乗って出てきて美味しい。

 もうあまり考えるのがおっくうになり、なるべく甘くなさそうで普通に食べたいものを食べるようにしたが、デザート抜きということにした。
そういう生活をしていて用事があり実家に行き、母親にその前提を話した上で夕餉をせびると面白がって色々出してくれた。
原材料表示を見るとドレッシングに砂糖が入っているし、一見しょっぱそうなスナックも砂糖が入っている。
納豆や肉野菜炒め等を出してくれたが、炒め物に入っている肉は上等なソーセージで、これは砂糖が入っとるやろうねと言う。
あまり厳密にはやってないからこの炒め物でいいと食べ始めると、砂糖入っていてもいいと思ったのか、私に食べさせたかったらしい生チョコを出して来た。
さすがに、それは食べないと断ったが母はその生チョコの良さをずっと話して聞かせる。

 毎年このくらいの時期から花粉症がひどいが、今年は断糖のせいなのか今のところほとんど症状が出ていない。
今朝腹に中指をあてると薬指より馴染むようになっている。
体調がいいので、断糖を続けるかしばし考えることにする。

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