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ア イ ノ ソ ウ ジキ

夜。

24時を回り親は寝室へ。
リビングには私と2人の妹が残っていた。

自室に籠りがちな私は珍しくリビングに。
寝るギリギリまでこたつで暖まってる次女。
普段、早く眠りにつく三女も珍しく起きていた。
学生である三女はこの時期、卒業や入試のシーズンもあり春休みか何かで休みなのだろう。

三姉妹だけが残される。これは極めて珍しい状況。

長女(intp‐a)
私は感情表現が乏しく対人関係を避けがち。
内向的で家族には自分のことをあまり話さない。
気難しく反抗的。努力を嫌い全てにおいて怠惰。
だが妹達のことは嫌いではないし、生意気だがなんだかんだ可愛い。学校へ送り迎えしたり、料理を振舞ったり、自分なりには面倒を見ている。

次女(enfp‐a)
明るく活発。感情表現が豊かで人懐っこい。
勉強はそこまでで抜けているところもあり、決して従順ではないが私を見て育ったからか、親や大人の扱いが上手く友人も多い。学校生活は楽しくて好きらしい。私とはほとんど正反対な性格だと思う。
よく喋るし、よく歌うし、よく踊る。
私の扱いが少々雑に感じるが三女のことは可愛がっている。

三女(isxj‐t)
真面目で忠実。努力出来るが賢くはない。
手先が器用で、昔からよく1人で黙々と絵を描いたりゲームをしたり動画編集などにハマりかなりクオリティの高いものを作ったりしている。
学校での話を親にするが、「友達が~」という話より
「大きい虫がいた」 とか 「野良猫を見かけた」などの
よく分からない報告が多い。この様子じゃ心配にもなるが、少なくも友達はちゃんといるみたいだ。

というのが私から見た三姉妹だ。
3人バラバラだが、仲は良い方だと思う。
この夜も気まづくなることはなく3人で話していた。私も妹たちも、学校での話や友人関係の話は親にすることはあっても姉妹間ですることはほとんどなくこの夜がはじめてと言ってもいいくらいだ。

私はまぁ、かなり生きづらいタイプの性格なので
学生時代はちょいちょい問題があった。
親や周りの大人ともよくぶつかっていた。

比べて妹たちはなんだかんだ上手くやっているだろうと思っていたが、話を聞いてみると妹たちにも色々あったようだ。
次女からは過去の出来事として聞いたが
三女は今も悩みを抱えているらしい。
妹たちから聞く「学校生活や友人関係の問題」や
「頑張ってるのに怒られてばかりで自分だけ親から愛されてないのではないか」という不安。

学生らしい悩みだなぁ。
自分にもそういう時期があったなぁ。と。
話を聞いただけだし、完全に姉としてフィルターが掛かってしまっているかも知れない。けど

「友人間の揉め事」に関しては
うちの妹が悪いわけないだろ!!!!!!!!!
周りに少々問題ありだと感じた。まぁ周りの子だって妹と同じ学生。世間にはいろんな人間がいて、
それぞれ悩みや問題を抱えていてまだ成長過程だ。
仕方のない事だとはわかっていても多少ムカッとはする。部屋に籠ってばかりで当時つらい思いをしてた事にも気づけなかった自分にも。もっと積極的に話を聞いてあげるべきだと反省した。


「怒られてばかりで自分だけ親から愛されてないのではないか」という不安に関しては、無問題だ。

父親(entj‐a)は基本放置、ブチ切れたところも過去に一度だけ見たことがある程度で、それ以降は怒っているところを見たことがない。話を最後まで冷静に聞き個人に合った解決策を提案してくれる。

比べて母親(istp‐t)はかなりのパワータイプ。
母親も基本放置だが怒らすとめちゃくちゃ怖い。
そして少し面倒くさい。ネチネチと永遠に怒られ続ける。たまに周りにも飛び火することがある。


だが妹よ。オカン昔もっと怖かったんだぞ!!!!
怒ると言葉より先に手が出る。足も出る。
掃除機でぶっ叩かれたこともある。
私と次女はそれを経験しているので面構えが違う。
「当時めちゃくちゃ怖かったけど、今思うとめちゃくちゃ面白いよね。」なんて次女と話していたら、三女も少しホッとしたように見えた。
かなり強めだけど、それは確かに「愛のムチ」ってやつだったと今ならわかる。いや、「愛の掃除機」か。
「愛してないから怒る」ではなく
「愛しているから怒る」ということを私と次女でしっかり説明できたのではないかと思う。

母親も「怒らせると怖い」というだけであって
普段からピリピリしているわけではない。
母親は働くのが好きで学生時代からいろんなバイトを掛け持ちしていたり、今でもまだ働いている。
ゆえに家ではリビングで寝落ちているか、1人でぼーっとYouTubeを見ていたりする。そこに私や妹や父親がちょっかいをかけ戯れ合っている。
怒ると怖いし言い方もキツいが、次女が泣きながら悩みを打ち明けたときは一緒に泣きながら話を聞いてくれたらしい。

父親は一緒にゲームをしたりアニメを観たり
面白かった映画を教え合ったり
美味しかったコンビニ飯を教え合ったりしている。
一緒になってふざけたり、少年のような柔軟な思考を持っているがしっかりもしている。
昔母親と母方の祖母が、次女のことで大喧嘩したことがあり、その空気に耐えきれず自室に逃げて泣いてた次女のところに「お前のせいじゃないよ」とだけ言いに来てくれた事があったらしい。

私や三女のように、自分の悩みをあまり話さない、
感情を表に出さないタイプでは見ることが出来ない姿も、この夜がなかったら一生知ることも無かったかも知れない。

夫婦仲も悪くなく、両親が喧嘩してるところは一度も見たことがない。イチャイチャ…というよりは
男子高校生みたいな戯れ方をしているのを見る。
なので家族仲も全然悪くないのだ。
個性豊かで面白い家族だと思っている。

そんなこんなで時刻は朝方の5時。
私は8時に起きて仕事に行かなければないなかった。終わったなぁ…とも思いつつ、姉妹でゆっくりじっくり話せて無駄な時間ではなかったなと思った。

姉妹でも家族でも、「同じ時間を共有」すると
多少なりとも仲が深まっていく感じがする。
家族で映画を観たり、mbtiを通してお互いの性格について話したり、小さい頃のアルバムやビデオを見ながら「昔こういう事があったよね」 なんて話したり。共有する時間が増えている間は喧嘩をすることが比較的少ないと感じる。


恋人や夫婦間でも
「毎週金曜日の夜は一緒に映画を観る」
なんてルールを決めるのもいいのかもしれないね。

ひとりじゃないよ。


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