見出し画像

チェアリングで楽しむお手軽アウトドア気分。あるいは椅子は散歩の必需品

『チェアリング』という言葉を知ったのはいつの頃だっただろうか。

ネットで偶然みかけたそのアクティビティ、かなり魅力的な活動なんじゃない? と感じた。そのくせ「じゃあ、ちょっとやってみようか」とはならなかったのだけれども、たぶんその時はやりたいこととしての優先度が、そこまで高くなかったのだろう。

そんなこんなで時は経ち、今。散歩が楽しい。

海の近くに暮らしていることもあって、散歩のルートとして海岸に行くことが多い。また、桜や紅葉のシーズンなら公園に行ってぼーっとしたりもする。

もともと大人数でワイワイするよりも誰にも縛られることなく、ひとりで自由に過ごすほうが性に合っていることもあるが、それがコロナ禍の”ディスタンス”で、他者とほどほどに距離をとっているほうが落ち着くようになったせいもある、かも。(ただ単にATフィールドを展開しているだけか?)

散歩が楽しい、という話だった。そんな楽しい散歩だけれど、ちょっとだけ不満があるのだ。途中でひと休みできる場所がないのだ。公園のベンチは空きが少なく、海岸は砂浜で座るには向かない。もう少し快適な休息ができるようにならないものか。

前置きが長くなってしまったかもだが、ここで本題のチェアリングが登場する。

頭の片隅にあったチェアリングならどこでだって座れるんじゃないか? 背もたれ付きの椅子で心地よい休息場所をを手に入れることができるんじゃないか? 前々から気になっていたチェアリング、やるならば今じゃん。つまりはそういうことだ。

さっそく軽量キャンプ椅子を購入し、いざ行かん。ワンランク上の大人の散歩、お手軽アウトドアな世界へ。

チェアリングデビューは昨年の晩秋となった。

源氏山公園の紅葉の下、簡単な昼食をとり、持っていったお湯で淹れたお茶を飲みながら、本を読む。シェラカップを使ったのは久しぶり。そうそう、キャンプってこんな感じだったよな、とキャンプの雰囲気を思い出した。

源氏山の紅葉は思ったよりも進んでいて、紅葉というよりは冬の木々模様になっていたけれど、その分、訪れる人々も少なかったせいか、気楽でのんびりした楽しい時間を過ごすことができた。

次のチェアリングは海岸で楽しもうということにした。

海を眺めながらのんびりしてみようじゃないか。

年も明けた穏やかな空模様の2月。材木座海岸まで散歩に出る。

冬の海岸は風もなく緩やかな空気感が満ちている。訪れてる人々も、犬の散歩やジョギング、ビーチコーミングなど、人それぞれが好きに過ごしている。椅子を出して、まったりしている人たちもおり「おお、同好の士よ」と嬉しくなったり。

遠くにはウインドサーフィンの帆が見える。途切れることなく聞こえる波の音をBGMに本を読む。誰にもじゃまされない孤独な時間。そうそう、これが欲しかったんだなあ。

この海岸ももう少し暖かくなるとBBQなパーティが出てくるし、さらに夏になれば海の家が立ち並んで、チェアリングどころではなくなるだろう。だからこの楽しみは今ならではなのかも、とも思う。
まあ、暖かくなったらなったで椅子を持って海岸散歩に行く気もする。

さて、実はこの文章、まさにそのチェアリング中に海岸で書いているものだ。タブレットがあると、どこでも創作活動ができるねえ。なんちゃってワーケーションだよねえ。

天候的に思ったよりも気温は上がらず少々肌寒く、思惑はちょっとはずれちゃったかなあ。予報では陽が出るはずだったのだけれど、薄雲がなかなかいなくなってくれない。散歩には全然OKなんだけど、チェアリングを堪能するにはもう少し暖かくなってからの方がよかったかも。
もう少し待って陽が出てくればチェアリング継続、それとも今日はそろそろあがろうかと考えているところ。

ともあれ、海岸チェアリングは思ったとおり、いや思った以上に気持ちいいということがわかったのでヨシ。またこよう。
そもそも散歩の途中で休むというのが目的だったのだし、だから散歩時に持ち出しやすい超軽量椅子なのだから、気負わずにやろう。

昔、キャンプにハマっていたのでソロ道具も持っている。次は超小型バーナーとコッヘルも持ってきて簡単な昼食をつくるのもいいかもしれない。ただし、まわりとトンビに気をつけながらね。

「G式過剰neo」は99年〜03年にかけて断続的に発表していたWEBコラム「G式過剰」のリブート版です。

24年2月23日 初出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?