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令和のファーブル

たくさんのふしぎ「うんこ虫を追え」舘野鴻

「ファーブル昆虫記」のセミのくだりで、セミのオスはなんであんなにでかい鳴き声なのかを調べるために、ファーブルが役所で大砲を借りてきて、森で空砲をぶっ放したという話が好きなんです。結果、空砲を鳴らしてもセミはとんでいかなかった。オスはメスを呼ぶために鳴いている、ということになってるんですが、メスの至近距離でオスが鳴いても、メスがオスに近寄っていく様子が見られないあたり、難聴なんじゃなかろうか、とファーブルが書いてたうろ覚えの記憶があります。結局、なんで鳴いてんのかわからない。らしい。
この本は、糞虫はほんとに糞なしでは生きられないのか、というようなことを筆者自ら四年かけて調べたところがかいてあるんです。筆者の舘野さんはいろんな絵本で昆虫の絵を描いてんですが、どれもほんとに素晴らしいんです。ギフチョウ、ガロアムシ、シデムシといった、取り上げる昆虫のチョイスも良いんですよ。この本ではオオダイコクコガネの生態を調べながら描いていく様子がほんとに素晴らしい。私もオオダイコクコガネは育てて観察してたことがあったですが、繁殖がこげに難しいとは!令和のファーブルがお届けする愉快な一冊です。

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