秘術抗戦RPG 歪みのアカシック
テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)をご存知でしょうか。
ご存知の方がこの記事を読んでいる可能性が高いとは思いますが、一応軽い説明をしておきます。
TRPGはダイス(さいころ)と紙とペンを使って遊ぶゲームです。
テレビゲームのRPGの元祖で、ひとりでも遊べるTRPGとして発展したのがコンピューターRPGです。
複数人で集まり、対話を通じて遊ぶゲームであり、プレイのことをセッションと呼びます。音楽のセッションのように、即興で合わせていくのが楽しい遊びです。
さて、そんなTRPGですが、インターネットの発達した現在ではオンラインセッションが盛んです。
ツールは様々ですが、パソコンを使い、通話やチャットによって集まらずに遊ぶことができます。
TRPGにはルールブックというものがあり、そこに世界観や遊び方が書かれているのですが、一口にTRPGと言っても様々なジャンルのものがあります。
王道のファンタジー、宇宙的恐怖に襲われるSFホラー、飛空艇で旅をする冒険、現代異能力バトルなど様々です。
ちょうどビデオゲームのソフトのように、ルールブックごとにまったく異なるゲームとなっています。このソフトに当たるものは最近ではシステムと呼ばれています。
前置きが長くなりましたが、システムを作ったのでそのご紹介をしようというのがこの記事です。
タイトルは「秘術抗戦RPG 歪みのアカシック」
舞台は現代。死後の世界も輪廻転生も神や悪魔も存在しない世界観です。
ですが、地球の記憶、アカシックレコードというものが存在し、過去の事象の再現という形で様々な超常現象が起こります。
まずは幻視(ヴィジョン)という歴史の再現事象。
過去の一場面が地上に再現され、登場人物は歴史的事件に巻き込まれます。
といっても、このヴィジョンの縛りは緩く、神話や伝承、物語の再現でも構いません。
次にメモリーという過去の誰かの記憶と人格。
これが人の中に入ってしまうことで、その人物は過去の誰かのことを前世の記憶のように思い出してしまいます。
過去の誰かの記憶を受け入れその人物に成り代わってしまえば覚知者(リベレーター)という存在になります。これは本作品の敵キャラクターです。
過去の記憶に抗い、自分であり続けようとするのが抵抗者、プレイヤーのキャラクターになります。
最後に秘術という異能力。
メモリーを得てアカシックレコードとの接続を得たことによって、ごく小規模の幻視(ヴィジョン)を起こすことで超能力や魔法のような現象を使えるようになります。
つまり、本作品は抵抗者と覚知者(リベレーター)が秘術を使ってバトルをするゲームになります。
抵抗者は秘術を使うことで自分とメモリーの人物との境界が曖昧になっていきます。完全に自分を見失ってしまえば覚知者(リベレーター)になってしまいます。
そうならないよう抵抗者を日常に繋ぎ止めるものをクレシャス(煩悩)と呼びます。
このゲームで紡がれる物語は日常を守るために日常への愛着を失っていく悲劇です。
ビターエンドが約束されているため万人受けするシステムではありませんが、物悲しいお話が嫌いではないという方はぜひルールブックを手に取っていただければ幸いです。
▼無料ルールブック
もっと手軽にどんなお話が出来上がるのか知りたいという方は、ルールブックで描かれているよりも少し前の時系列となる小説があります。
単行本一冊分ぐらいですのでぜひご興味いただければと思います。
▼『月虹イングレイヴ』
TRPGを遊んでいるよ、という方にはルールブック掲載リプレイをこのnoteにも掲載しているので、そちらを先に読んでいただいてもいいかもしれません。
▼『江戸城無血開城アンサング』
「これは、いずれ戦う理由さえ失くしてしまう君の物語」
ほろ苦いエンディングがお好みであれば、ぜひご興味ください。
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