泉井夏風

いずいかふう(Kafu izui)。日本ゲームシナリオライター協会正会員のフリーランス…

泉井夏風

いずいかふう(Kafu izui)。日本ゲームシナリオライター協会正会員のフリーランスです。実績についてはお気軽にお問い合わせください。

マガジン

  • ファンタジーRPGについて小考

    ファンタジーに馴染みのない人のための雑記

  • リプレイ江戸城無血開城アンサング

    「秘術抗戦RPG 歪みのアカシック」ルールブック掲載リプレイ『江戸城無血開城アンサング』の全文となります。 ↓歪みのアカシックについてはこちら https://sites.google.com/view/yugaminoakashic/

  • 空の果て、世界の真ん中

    歯車の塔の探空士のリプレイ小説です。 2021/11/11〜継続中

最近の記事

ファンタジーRPGについて小考 その5 有名なもの

今回はキャッチーにいこうと思います。その3とその4は少し暴走気味でしたので。 ファンタジー作品でよく登場する固有名詞、ありますよね。当然のように出てきて、詳しい説明もないけど、なんとなく凄そうなモンスターやアイテムなどなど。そういったものについて紹介したいと思いますが、挙げればキリがないので頻出単語を厳選していきます。注意点として、登場する作品によって独自設定があるということは念頭に置いて読んでいただくようお願いします。これが正しい本来の姿だ、というわけではなく、元ネタはこ

    • ファンタジーRPGについて小考 その4 神々

      なんとなく始めたこの企画、びっくりするぐらい好評なので第4回です。今回は少し危険球を投げます。私は子供の頃、戦争と宗教と政治の話は、なんとなしに、タブーなものだと感じていました。そのせいでむしろ何故ダメなのか興味が湧き、結果的に大学で宗教学をやることにしましたし、歴史好きになりました。ライターにならなかったら、なんの役に立っていたんでしょうね。というわけで、今回はファンタジー世界の宗教の話をしましょう。 さて、大昔。先史時代。まだ人類が文字を使っていなかった頃のこと。古代人

      • 秘術抗戦RPG 歪みのアカシック

        テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)をご存知でしょうか。 ご存知の方がこの記事を読んでいる可能性が高いとは思いますが、一応軽い説明をしておきます。 TRPGはダイス(さいころ)と紙とペンを使って遊ぶゲームです。 テレビゲームのRPGの元祖で、ひとりでも遊べるTRPGとして発展したのがコンピューターRPGです。 複数人で集まり、対話を通じて遊ぶゲームであり、プレイのことをセッションと呼びます。音楽のセッションのように、即興で合わせていくのが楽しい遊びです。 さて、

        • ファンタジーRPGについて小考 その3 ドラゴン

          その3です。正直に言うと、もう十分かなと思っていたのですが、その1とその2が書いた本人の想像を超えて読まれているので需要があるようだと考え、また筆を執ります。 今回は信頼と実績のドラゴンについてです。ドラゴン、竜という想像上の生物は多くの文化圏で神話や伝承に登場します。が、しかし、例えば極東の龍と、ヨーロッパのドラゴンは果たして同じものと言って良いのでしょうか。答えはイエスでありノーでもあると個人的には思います。大前提として、竜は想像上の生き物です。では、昔の人は何から着想

        ファンタジーRPGについて小考 その5 有名なもの

        マガジン

        • ファンタジーRPGについて小考
          5本
        • リプレイ江戸城無血開城アンサング
          11本
        • 空の果て、世界の真ん中
          24本

        記事

          ファンタジーRPGについて小考 その2 魔法とか魔物とか

          前回は『Wizardry』(ウィザードリィ)を軸にプレイヤーが操作できるキャラクターの種族や、冒険者という存在について書きました。 今回は現実世界に存在しない、すなわちファンタジーをファンタジーたらしめている魔法と魔物について書いていきたいと思います。 魔法とは何でしょう? これは各作品の世界観に直結する、非常に重たい質問です。概ね、現実の人間には使用不可能な現代科学で説明できない事象を意図的に起こす力と言っても、そう反論は来ないのではないでしょうか。その仕組みは作品によ

          ファンタジーRPGについて小考 その2 魔法とか魔物とか

          ファンタジーRPGについて小考 その1 種族とか冒険者とか

          私は子供の頃からファンタジー作品に触れてきました。様々な作品の影響を受けて現在に至るのですが、その中でも『Wizardry』(ウィザードリィ)シリーズというコンピューターゲームは3本の指に入る私の源流です。 これは1人〜6人の冒険者が迷宮に挑むRPG(ロールプレイングゲーム)なのですが、現在主流のRPGとは大きく雰囲気が異なります。 昨今はゲーム風のライトノベルやアニメが多く、当たり前の日常風景になっていますが、少なくない若者が、ファンタジー世界観のバックボーンをあまり知

          ファンタジーRPGについて小考 その1 種族とか冒険者とか

          江戸城無血開城アンサング11

          【GM】 勝海舟が訝しみながら鉄蔵に尋ねる。 【勝 海舟】 「鉄蔵君……いや、岡田以蔵なのかい?」 【GM】 鉄蔵は首を横に振る。 【鉄蔵】 「いいえ、彼の記憶を継承しただけの別人です。死者は蘇りませんから」 【勝 海舟】 「けどよ、話をして確信したんだ。そこで死んでる男は紛れもなく坂本君だった」 【鉄蔵】 「忘れてください。それよりも、あなたにはやるべきことがあるでしょう?」 【GM】 ハッとした勝海舟は、そうだ、会談に行かないと。そう言って走り去った。 鉄蔵も

          江戸城無血開城アンサング11

          江戸城無血開城アンサング10

          【GM】 ラウンド2 精神的支柱で意志を3点回復どうぞ! 【サンジェルマン】 〈声よりも疾き言葉〉 目標値:90/タイミング:ラウンド開始時/効果:自身の手番終了後、行動力0として再度手番を迎える。 1D100<=90 > 1 > クリティカル 【レイ】 あ 【マモル】 クリってんじゃねえ! 【カナエ】 1クリかよwww 【GM】 クリティカル効果は無い! 【マモル】 セーフ! 【レイ】 あぶねww 【カナエ】 〈舞い踊る閃きの翅〉 目標値:60/コスト:3

          江戸城無血開城アンサング10

          江戸城無血開城アンサング9

          ――――――――――――――――――― エンドゲーム ――――――――――――――――――― 【GM】 キミたちが境内の入り口へと移動すると、そこには既に見知った男、勝海舟がいた。 対峙しているのは見知らぬ男。 【勝 海舟】 「するってえと、何かい? あんたは坂本君の生まれ変わりだってのか?」 【坂本 龍馬?】 「相変わらず微妙にずれてるんだよな、勝先生は。あんたがリベレーターとして覚醒してくれれば話は早かったんだが……ソムヌスのままじゃあ、表舞台を任せるわけにはいかな

          江戸城無血開城アンサング9

          江戸城無血開城アンサング8

          【GM】 人っ気の無い不気味な夜の寺。 本来なら徳川慶喜が謹慎のために寝起きしているはず。厳重な警備があってしかるべきだ。 【マモル】 息を、気配を殺し、警戒を厳にして寺の中を探索する。 【GM】 では、気配を消して進むキミたちは人がひとり歩く音を耳にする。このまま待っていればこちらにやってきそうだ。 【マモル】 二人に目配せをし、隠れるように指示を出す。 【カナエ】 こくこくと頷き指示に従う。 (だだだ、大丈夫、足音がするということは足がある。足があるならお化けじゃ

          江戸城無血開城アンサング8

          江戸城無血開城アンサング7

          【GM】 キミたちは上野へ向かって歩く。 電車ならあっという間だが、歩くとなると、なかなか時間が掛かる。 江戸の街並みを眺めながら歩くうちに、キミたちは見知らぬ記憶――鉄蔵、福沢諭吉、新門辰五郎の何気ない江戸での記憶を思い出していく。 全員浸蝕判定をお願いします。 【マモル】 1D100<=50 > 88 > 失敗 1D6 > 2 【カナエ】 1D100<=46 > 92 > 失敗 1D6 > 1 【レイ】 1D100<=41 > 18 > 成功 1D6 > 4 【G

          江戸城無血開城アンサング7

          江戸城無血開城アンサング6

          【GM】 背後から聞こえるいななき。 物凄い勢いで馬が疾走してくる。 「どいたどいた! 早馬だ!」 【カナエ】 「ぴゃっ!?」 【マモル】 咄嗟に鼎ちゃんの手を取り、道の脇に逸れる。 【レイ】 ヒュ~っと冷やかす。 【カナエ】 驚きで涙が引っ込む。 【GM】 座り込んだ目の前を早馬が駆け抜けた刹那、レイにフラッシュバックが起こる。 ――――――――――――――――――― 【GM】 キミは先だって東海道を下り、江戸へと帰還する鳥羽伏見の戦いの敗残兵たちを先導した。

          江戸城無血開城アンサング6

          江戸城無血開城アンサング5

          ――――――――――――――――――― ミドルゲーム ――――――――――――――――――― 【GM】 大野 護、神薙 鼎、梓 玲。 キミたちは江戸の日本橋に面した大通りに立っていた。 活気があり、町人たちが忙しそうに行き交っている。 現代日本の服装は目立つことこの上ないが、周囲の人々は誰ひとりとして気にした様子は無い。 そして、キミたち以上に目立つ西洋人が立っていた。 【サンジェルマン】 「やぁ、来たね、レベルスの半覚醒者たち。私はサンジェルマン伯爵と名乗っている者だ」

          江戸城無血開城アンサング5

          江戸城無血開城アンサング4

          ――――――――――――――――――― オープニング3 焦土作戦 ――――――――――――――――――― 【GM】 梓 玲、キミが小さなヴィジョンに遭遇し、江戸の町火消である新門辰五郎の記憶を得てしまった数日後。 道を歩いていると、ひとりの白人男性とすれ違った。 仮に忘れようと思ったとしても忘れられない顔、《秘術寺院》のリベレーター、サンジェルマン伯爵だ。 【レイ】 「……ッチ」 時折起きる白昼夢。 今までは、いつの時代か分からない侍のデジャヴだけだったが、違う記憶がする

          江戸城無血開城アンサング4

          江戸城無血開城アンサング3

          ――――――――――――――――――― オープニング2 咸臨丸の帰路 ――――――――――――――――――― 【GM】 神薙 鼎、キミが福沢諭吉の若い頃の記憶を得た翌日。 解放戦線の予報士である亀崎から秘術による遠隔念話が届いた。 【亀崎】 「あ! 神薙さん、聞こえますか!?」 【カナエ】 「ピャッ!? へ、え、えええ、誰、はい?????」 【亀崎】 「私です! 東京担当の予報士、亀崎ですよ! ヴィジョン発生の予報をお伝えしに秘術で語り掛けてます!」 【カナエ】 「

          江戸城無血開城アンサング3

          江戸城無血開城アンサング2

          ――――――――――――――――――― オープニング1 勝海舟の用心棒 ――――――――――――――――――― 【GM】 大野 護、キミが鉄蔵という名もなき人斬りのメモリーを得た数日後、解放戦線の先生がキミの家を訪ねてきた。 【鶴田】 「やあ、その様子だと、やはりキミが新しいメモリーを得てしまったひとりのようだね」 【マモル】 「……そのようですね、相変わらず慣れない感覚ですが、“抵抗者”として戦う事を決めた以上、これは仕方のないことでしょう」 そう言いつつ先生を客間に

          江戸城無血開城アンサング2